2022年04月14日
【実現塾】1/29~オランウータンの進化① 生殖・性~季節を問わず発情する~
前回の記事では、テナガザル系のオランウータンなどが授乳期間・子育て期間を延ばしていった過程を追求していきました。チンパンジー・ゴリラは大型化するためにさらに体性感覚を発達させる必要があった、オランウータンは更に「飢餓の圧力」から、子供の生存率を上げるために授乳期間を延ばしたということが明らかになっていきました。
今回はより「生殖と性」に注目し、類人猿の「発情」について追求していきます。
●授乳期間・子育て期間の長期化
授乳期間・子育て期間が延びるということは、欠点もはらんでいます。それはオスに対する過保護という点です。
本来、生物には成体になるまでに生き残るか滅びるかの「淘汰」の圧力がかかります。
しかし、授乳期間の延長化により成体になるまで生存する確率が高くなる。
→オスにとっては闘争の機会が激減するため、「軟弱化」。
⇒種間闘争に対応できない
★そこを突破するために、種間闘争に対応できるようにするため、テナガザル系は「発情」の仕方をかえることで適応していきます。
●テナガザル系類人猿は年中発情している
オスの「軟弱化」を防ぐため、類人猿のメスは★「季節を問わず排卵ができる」年中発情という進化をした
※類人猿以前のサルやその他の哺乳類は、排卵のタイミングで発情する。
◇年中発情するとどうなる?
授乳中、メスは発情しない
→授乳期間の延長によって発情しているメスは減少
→オスは闘争を続かなければ、メスを獲得できない状況に
⇒メスの獲得を巡って激しい性闘争を繰り返している
◇年中発情し闘い続ける意味は?
なぜ激しい性闘争を繰り返すのは、オスの「軟弱化」を脱却
⇒種間闘争に対応するため
★オスの活力と闘争力を上昇させるためにメスは「年中発情」し、性闘争の機会を増やしていった
●性闘争を激化させるために、メスを放逐
性闘争を激化するためには、メスを性収束させる必要がある。
そこで、メスを放逐する戦略をとる
→オスメスの体格差から縄張り闘争では勝てない(生きるか死ぬかの生存圧力がかかる)
→オスに守ってもらうしかない・頼るしかない
★この状況を“自ら”創り出し、性収束していった
●排卵方式(体の構造)も変化させた
原猿は、交尾時に排卵をする「交尾排卵方式」
真猿は、排卵に周期性がある「自然排卵方式」
⇒妊娠をしにくい体の構造に改造
★オスに、より性闘争圧力をかけるため
授乳期間・子育て期間の延長により、過保護・軟弱化したオスの闘争力を保つため、または軟弱化させないために、メスが年中発情し性闘争を激化させ、実現させてきた。
現代は、性は個人課題化組いているが、サルにとっては、種としての適応力を強化していくための戦略だったのです!
- posted by yosigoe at : 22:16 | コメント (0件) | トラックバック (0)
コメントする