2022年04月28日
進化とは? ~ 進化は直線的な線形過程ではない。
これは世界で最も知られた「人類への進化の過程」を表す際のイメージ画です。
左側から「ドリオピテクス(初期猿人)」⇒「オレピテクス」⇒「ラマピテクス」⇒「ネアンデルタール人」⇒「クロマニョン人」⇒「ホモサピエンス(現生人類)」。
この猿人からホモサピエンスへと進化したという考えは19世紀になって登場し、このようなイメージ画は1965年にTime Life books出版の「Early Man」の中で初めて発表された。
しかしこれは進化の認識に大きな誤りがある。
生きとし生けるものは、全て外圧(外部世界)に対する適応態として存在している。
環境は常に変化し、外圧(環境)の変化に適応すべくDNAが変異(ないし発現)することによって新種が登場する。その新種が、既存種より劣勢であれば(適応度が低ければ)すぐに滅亡する。新種が優勢な場合、既存種は追いやられて滅亡するか、別のニッチ(な環境)に向かい、その環境に適応すべく別の(亜)種に変異する。(※共通祖先とは何か?進化とは何か。)
例えば、脊椎動物から現生人類(ヒト)に至る進化過程の概観を見ても、
◎約4億年前:魚類から「四肢動物(両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)の共通祖先」が分岐。
⇒その四肢動物の共通祖先から「両生類」が分岐。
◎約3億年前:四肢動物の共通祖先から、地上に卵を産むことができる「有羊膜類(爬虫類、鳥類、哺乳類)の共通祖先」が分岐。
⇒その有羊膜類の共通祖先から、哺乳類に至る「単弓類」と、爬虫類・鳥類に至る「竜弓類」が分岐。
◎約2憶2000年前:単弓類から「哺乳類の共通祖先」が分岐。
◎約6500万年前:哺乳類の共通祖先から「霊長類の共通祖先」が分岐。
⇒そして、霊長類の共通祖先から様々な種が分岐したのち、
◎約20万年前:現生人類のヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)が分岐。
進化は直線的な線形過程ではない。
進化とは、外圧(環境)の変化に適応すべく変異して“分岐”を繰り返すことであり、原始的な動物から一歩ずつ階段を昇るように高等な動物へ向かって“直線的”に進化していって最後にヒトに至るという「自然の階段(自然のはしご)」と呼ばれる進化の過程は誤っている。
共通の祖先種から枝分かれを繰り返し、それぞれの環境に適応した種が現在に至る。そしてその一本一本の枝分かれした分岐点に無数の絶滅した種が存在する。
その進化の最先端の存在のひとつに、現生のオランウータンやチンパンジー、そして人類(ヒト)がある。
ゆえに、現生オランウータン(やチンパンジー)から現生人類が登場するようなことはない。
また、現存する種の「共通祖先」は存在するが、その共通祖先は滅亡しているか元の姿を変え別の(亜)種に生まれ変わっており、共通祖先は種として現存しない。
★『現生の生物は、すべてが進化の最先端にいる存在』である。と同時に『すべては不適応態で変異の渦中にある存在』である。
進化とは不可逆である。
- posted by asaoka at : 21:52 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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