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2022年06月29日

【今週の注目情報】福島原発、東電が隠蔽し続けていた「再臨界」を公表。

2011年、東日本大震災が発生し、この地震による福島原発事故から先行きがみえないまま11年が経過しました。
福島第一原子力発電所の 3つの原子炉がメルトダウンし、それと共に放射性物質が大気中に放出され、10万人以上の住民たちが避難し未だに故郷に戻れない生活を強いられる人たちがいる。
福島原発事故は対岸の火事ではなく、地震国である日本全国に56基もの原発が設置されており、全国どこでも起こりうる事です。
国、電力会社は、「工学的な安全余裕度を考慮し、原子力発電所の安全上重要な機器、建物などは、建築基準法の3倍の地震力を考慮して耐震設計している」という安全を謡っていました。しかし事実は、最大耐震性を持つ浜岡原発3・4号機でも、神戸・淡路地震の最大加速度(833ガ ル)には不十分です。それどころか、1978年9月以前に着工された25基もの原子炉は設置基準を満たしていません。

福島原発事故から11年、政府東電は「何の心配もない」「これは再臨界ではなく世界中で通常の出来事で何の危険性もない」と発表し続けてきました。
ところが、5月26日、東京電力は「福島第1原発1号機の原子炉格納容器底部で見つかった堆積物から、核燃料に含まれるウランやプルトニウムが核分裂する際に放出される中性子を計測した」。「中性子が溶融核燃料(デブリ)由来と推定しており、箇所によって数値にばらつきはあるが、調査した4カ所全てで計測され、広い範囲にデブリが存在する可能性がある」と発表した。
福島第一原発事故の1000トンの核燃料デブリが“臨界”している事実を、堂々と一般に公開したのです。最早、隠しきれず、手に負えない状況ということでしょうか。
※詳細は、「逝きし世の面影『フクシマ核燃デブリが野良臨界』」を参照してください。

福島原発事故を通じ、原子力発電の技術は、自然の摂理を踏み外した人智では扱えない技術であることが露になりました。
原発施設の安全性の問題も大きいですが、原発の最大の問題は、(事故が起こらなくとも)「放射性廃棄物(核廃棄物)」です。
発電が終わったら出る放射性廃棄物は数万年の間、放射線を出し続けます。それは、放射線にしても崩壊熱にしても、人間の生きている時間スケールを逸脱した期間、管理し続けなければならないのです。
そのことが意味しているのは、放射性廃棄物は無くならず蓄積され続けるということで、それは「隔離された閉塞空間」が地球上に増え続けることに他なりません。
このまま原子力発電を続ければ、確かに目先のエネルギーを得ることはできますが、それと引き換えに急速に人間が生活できない閉塞空間が増えていくことで、それは社会“活力”の衰弱が進行させていくことです。

 

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