2006年09月30日
「技能伝承」への対応策~目先の高齢者活用ではダメ!~
『日本の人事部』というサイトに、
労務行政研究所が調査した注目すべきデータがある。
テーマは、
「人口減少」と「団塊の世代の大量定年」は企業の人事戦略にどのような影響を与えるか?
この中に、人事戦略上の課題として今や社会問題となっている「技能伝承」への対応策に関するアンケート調査が掲載されている。
このアンケートを見ると、企業の対策が未だに「その場しのぎ」の方針に留まっているという問題が指摘できる。
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●「技能伝承」の問題への対応策
アンケート結果 (複数回答あり、【 %】は回答率を示す)
①熟練技能者を定年延長・再雇用などにより継続雇用【84.9%】
②伝承すべき技能・ノウハウの文書化・データベース化【41.5%】
③有望な若年技能者の選抜教育【22.6%】
④高度技能・ノウハウが不要になるよう製造工程などを変更【13.2%】
⑤高度技能者の処遇の充実【26.4%】
⑥その他【3.8%】
⑦わからない【3.8%】
人材不足を補うため、①の回答数が多いのは理解できる。
しかし、高齢者の活用を真剣に考えるのなら①~④は本来同率になっていないとおかしいのではないか? 何故なら組織全体課題として密接に連関しているからだ。
例えば、高度技能者の定年を5年間延長する(①)。その期間(期限)に、ノウハウを蓄積するシステムを整備する(②)。そして、高度技能者を若手技術者の教育担当とする(③)。さらに、伝承すべき技能の吟味、「必要か否か?」を判断してシステムの変更を行う(④)。このように、①~④の中身がシステム化されて初めて高齢者活用が機能する。
⑤の処遇は、これらのシステムが構築できた後の課題である。
安易な雇用制度の改変は、単なる「問題の先送り」にすぎない。高齢者を確保したとしても、中身を追求しなければ数年後に再破綻するのは明らかである。
これでは、安倍首相の掛け声だけの「再チャレンジ」と何ら変わらない。
中身は、現実の真っ只中に生きる私たち自身で構築していくしかない。
by はっしー
- posted by staff at : 22:53 | コメント (1件) | トラックバック (0)
コメント
たしかに!
調査結果を見ると、とりあえず感が否めませんね。
逆を言えば、全然見通しがたってないから場当たり的な方策しか見つからないってことでしょうか。。
はあ~たいへんだなあ。
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