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2007年06月04日

ビジネスチャンスは”協働関係”にあり。

5月30日付の日経流通新聞から。

4月27日に開業、5月6日までの10日間で122万人が訪れた東京・丸の内の新丸の内ビルディング(新丸ビル)。アルコールを扱う飲食店46店のうち、37店がキリンのビールやワインを入れた。
商業ビルでの取引先獲得合戦としては、キリンビールの圧勝といえる。

各社色んな銘柄のビールを出してるけれど、素人には味の違いがよく分からん。値段も大して変わらないし…ビールなんてどれもいっしょ、ていうイメージがある。なのにキリンの圧勝?なんで?
…キーワードは、クライアントとの”協働関係”
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共に事業の成功を目指し、統合領域を担おうとする人物の存在。

テナント各店舗を「交流の場」という一つのコンセプトでまとめた7階の「丸の内ハウス」をこまめに巡回する男がいる。フロアの企画にアドバイザーとして参加した、キリンビール広域販売推進部の島田新一氏だ。
05年9月、新丸ビルの7階を「交流の場となる飲食ゾーン」にしようと決めた三菱地所は、キリンに、ではなくキリンの島田氏に、アドバイザー就任を要請した。三菱地所SC事業部の綿引浩之副長は「(島田氏は)業態開発のアドバイザーとして客観的な意見ができる人だと評判だった」と振り返る。
島田氏は飲食の営業形態開発の豊富な経験を生かし、次々と助言した。テナントに推薦した「リゴレット」にはカウンターバーの作り方を伝えた。「ソバキチ」にはバーとしても楽しめる要素が加わった。「圧迫感がないよう、(柵の役割を果たす)テラスのガラスを低くして下さい」。内装の細かな設計にまで口を出した。フロアとして統一感を持たせるために共通のビールグラスにするよう、提案もした。

もはや、ビール営業の枠を超えている。

島田氏自身は一度たりとも「キリンのビールを買って下さい」とは言わなかった。しかし結果はキリンの圧勝。キリンが目指してきた提案型営業の一つの形が新丸ビルに結実した。

従来、飲食店への営業はオーナーを拝み倒し、ライバル会社よりも多く協賛金と販促物を出して取引を勝ち取ることが多かった。しかし店が繁盛しなければ酒も売れず、閉店となれば取引先を失う。”脱協賛金”の営業を模索する中で、早くから業態開発に挑んでいたのが島田氏だった。

人情や協賛金で取引先を獲得する営業ではもう続かない。
そんな危機感から生まれたキリンの提案型営業。
結果クライアントからは、「相談するなら(キリンの)島田氏」という信頼を勝ち得た。
キリン内では「価値営業」と掲げられているその営業戦術の根幹には、
一企業の枠を超えた協働関係の構築、という認識が根付いているのだと思う。
ひろ

 

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