2008年11月11日
【金融危機後、生き残る企業とは…?】~アメリカの巨人倒れるか①!?
GM本社ビル
オバンです
akira303さんから予告がありましたが、今回から「経済破局後に生き残る企業」の第1弾を行きたいと思いま~す。経済には素人の私達がどこまで追求できるか?こうご期待下さい。
早速ですが
先日(2008.11.8)の日経夕刊の一面は「GM、合併協議を中断」との見出しでした。
また今日の新聞ではGMの株価が3.2ドルに下落、併せてアナリストの分析では0ドルも
在り得るとのことですが!!!!!!!~~~~~~バキューン??????
最近の新聞に限らず夏ごろよりこの「GM」の文字がたびたび登場するようになりました。そうです「GM」とは「ゼネラルモーターズ」=世界一の自動車メーカーであり、かってアメリカ最大の企業でした。この巨大企業GMが、昨年来のサブプライム問題に端を発した金融危機の真っ只中で倒産の危機にあるとの噂が、今や現実味を帯びてきたのです。
先日の夕刊記事を掻い摘んで言うと、この危機、具体的には資金不足を「クライスラー」との合併で何とか凌ごうとしたけれど失敗したこと、また倒産を回避するにはアメリカ政府から250億ドル(2.5兆円)程度の資金援助が必要であることを報じています。(でないと来年6月には運転資金がショートする)かってアメリカのみならず世界の冠たる企業であったGMがここまで凋落したの何故なのか?今回はこのテーマに迫ってみたいと思います。
その前に お願いします。 😉
ありがとう
■GMってどんな企業?
・アメリカビッグスリーの一角をなし世界最大の自
動車メーカー(他の2社はフォードとクライスラー)。1908年創業であるが、ヨーロッパで発明された自動車の大量生産はフォードの後塵を配する。フォードの少量車種生産~販売戦略に対して、GMは地域ごとに多種多様な車種を供給する方法で世界戦略を果たした。日本では1927年(昭和2年)にフォードに続き日本ゼネラルモータースを設立、昭和初期の国内はシボレー車とフォード車の独壇場であった。(ウィキベディアより)ちなみにトヨタ、日産が創業し始めるのは1933年(昭和8年)のことである。
・GMの成長は一言で言うならM&Aによる。先ほど地域ごとの多種多様車種と書きましたが、何のことは無い買収先のブランドによる販売戦略だったのです。創業時のビュイック、ポンティアック、キャデラック、シボレー、海外ではオペル(独)、ボクソール(英)、ホールデン(豪)、大宇(韓国)わが日本でもスバル、いすゞ、スズキなどです。(日本に限って言うなら2005年以降株式の大半を売却していますが)この戦略により
・ただしこのM&Aによる他社ブランド戦略により、自社ブランドの開発は遅れ、ガソリン高騰に適応できる低燃費車の開発、また最近話題にあがる環境対策車の開発の遅れにより2008年(上期)についにトヨタにその座を譲ることになったのです。
■サブプライムショック(金融危機)で、今GMはどんな状況なのか?
・まずサブプライムショックが発覚する2005年3月期の状況はどうだったのでしょうか?ここにトヨタと比較した資料があります。
⇒利益確保していますが少しにおいますね?
・直近の決算(2008年7~9月期)25億4200万ドル(2500億円)の赤字。赤字は5・四半期連続
→http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2008110800028&j1
⇒企業が自ら資金繰り逼迫の危険性を宣言するのは極めて異例とのこと。
・また、下記の情報によると現在GMは約6兆円の債務超過にある(フォードも約1700億円の債務超過)明らかに財務状態はバランスを崩し途方もない負債に見舞われている。
→http://stockkabusiki.blog90.fc2.com/blog-entry-400.html
⇒日本だったら上場廃止の状態らしい
・では市場の評価は?2005年11月~2008年11の株価の動きを観てみます。2007年一時持ち直すも、現在の状況は1年前の1/10に下落している。現在の株価は3ドル台(300円?)でこれは創業間もない1940年代の株価だそうです。
→
この巨人は悶え苦しみ、もはや人工呼吸器なしには生き永らえない状態ではないでしょうか。新大統領オバマは選挙後初の記者会見でGM含めたビッグ3への救済をにおわす発言をしていますが、それもそのはず、もし倒産すれば従業員とOB及び関連企業の70万とも、250万とも言われる人達が路頭に迷うことになります。それよりもこれまで繁栄を謳歌してきたアメリカの威信は実体経済の世界でもガタガタになることが分かっているのでしょう。
つづく
- posted by miyashow at : 23:28 | コメント (4件) | トラックバック (0)
コメント
京都の長寿企業ってすごいですよね。
何100年と続いている企業がごろごろいる。
その秘訣が、端的にまとめてあり、分かりやすかったです。
彼等の技術力=追求力は、非常にすごいと思っているのですが、その活力源の源って何なのでしょうか?
みんなの為?自分の為?
知りた~い♪
>100年以上存続している企業は1600社を超えています。
この数字を見てびっくりしました。その秘訣も端的にまとまっていて、わかりやすかったです。
で、、
>京都の企業の特徴は独創性と継続性
この特徴がどのようにして醸成されたのかが気になるところです♪
いわゆる京都の伝統的な職人が作る、伝統工芸って、一般大衆になじみがうすい。確かにすごい技術だと思うけれど、極一部の人にしか使われていない(=本当の意味で評価されていない)のでは?
一方で、古都京都ですから、一般庶民にも長く評価されてきた産物もあるのでは?そちらの産物(もしあるのであれば)に光があたれば、とても可能性を感じる。
例えば、
・着物でなくて→庶民が気軽に着ていた和服?
・ピカピカの器でなくて→庶民が愛用していた器?
そんなのあったらぜひ紹介してー!!
>ココビーさん
本当に、職人さんの技術力、追求力は凄いですね。その活力源はみんな発と自分発の両方があったのではないかと思います。
みんな発: 分担作業なのに自分の技術力が低いと足を引っ張ってしまう or 自分の技術を高めることが、みんなでより良い作品を作ることに繋がる
自分発: 周りには負けたくない or とことん美や機能性を追求したい
どちらが良い、という議論はさておき、こういう切磋琢磨の雰囲気が良い職人さんを育んできたのでしょうね。
>ごんぶとさん
独創性については、「京都人は他の真似事を嫌う」という性質や「作品に文化を乗せることで付加価値を増す」という経営上の戦略によるところが大きいのではないかと思います。
継続性は、「先祖から受け継いだ事業をいかに潰さずに次の世代に渡すか」という心理が経営方針の中心にあったからと言われています。1200年間も日本の首都だった京都なので、伝統に対する畏敬は今よりも遥かに高かったのでしょうね。
>羊熊さん
そうですね。なんか京都の伝統産業ってもともと公家や武家など、「上」の方々が主対象だったのかなと思います。
ただ、そういう文化も平和時には庶民のもとに降りてきて、広く一般化する傾向があったと聞きます。それこそ派手な服や焼き物もあったでしょうが、価格低めで地味なものも生産されていたみたいです。
結局、貴族と庶民の文化を包摂していたから、伝統産業は今まで残っていたのかな、と思います。
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