2010年03月24日
女性の充足性を武器に、地域特派員ネットワークを広げていく企業・・・『株式会社ナビット』
『株式会社ナビット』・・・主婦が起こし成功した企業として多くの媒体に取り上げられています。一番有名な商品は『のりかえ便利マップ』
95年の夏、長男を連れて地下鉄を利用したのだが、乗り換えようにもベビーカーを一人でかついで階段を上ることはできないし、エスカレーターは見つからないし……。
汗びっしょりで乗り換えを終え、「あ~あ、前から3両目に乗っていれば楽だったのに」と思った次の瞬間、乗り換えに至近の車両を調べられる『電車&地下鉄のりかえ便利MAP』のアイデアがひらめいたのだ。
それからは、週末ごとに夫に子供を預け、都内の地下鉄駅を自力で調査。200以上の駅にあるエスカレーターやエレベーター、トイレ、公衆電話などの位置、別路線への乗り換えに至便な車両をメモ。莫大な記録をまとめて、企画書を作成した。
渾身の企画書を手に、50社以上の出版社にアプローチするも、結果は不採用の連続。企画書をけなされ、泣きながら帰ったこともあったが、ここでめげないのがママの強さ。企画書の改良を続け、ついに就職情報誌系出版社での採用が決まった。1996年のことである。
1997年には、自己資金300万円で(有)アイデアママを設立。その後、福井さんが考案した『電車&地下鉄のりかえ便利 MAP』は、都営地下鉄、営団地下鉄、JR東日本などへの導入も決まっていく。
現在、ナビットは交通コンテンツ関連事業、マンナビゲーション関連事業、電鉄関連事業、バリアフリー関連事業の 4事業部を確立。『電車&地下鉄のりかえ便利MAP』をはじめ、交通専門のデジタルコンテンツを提供するベンチャー企業として、急成長を続ける。画像は『Biz ocean ビジネス情報サイト「海」』さんよりお借りしました。
多くの企業が時代の波に飲み込まれ業績不振であえぐ中、このような華々しい業績を上げる企業もあります。同じ時代の中で、斜陽企業と成長企業があるということは、その基底にある潮流から外れているか、それに乗っているかの違いと見ることができます。もしそうであれば、この流れが加速し、企業は入れ替わるという未来が予測されます。
では、どのような潮流に乗っているのでしょうか?
☆☆☆みんなで一緒に充足できる可能性を商品化した。
☆起業を堅苦しく考えない。
起業とか、会社経営とか、あまり堅苦しく考えなくてもいいのではないでしょうか。普通の専業主婦だった私ができたのですから、きっと誰にでもできるのだと思います。
この楽観性が鍵ではないかと思います。多くの記事を読んでいるうちに、成功の秘訣として、もっと『気軽で』、『明るく』、『うまく行きそうな予感がするからやる』というような、女性に多く見られる充足発の行動であるという理由がぴったりきます。
ここで、強く自覚しているかどうか?は別にして、誰でも事業を起こすには動機があります。今回のケースの場合は『誰もがほしいと思うものだから、事業化してみんなに喜んでもらいたい。』という潜在思念が主な動機になっているのではないかと感じます。
なぜならば、貧困が消滅し、お金や地位が二義的なものになってしまった現在、ご主人も子供もいらっしゃって、いまさら私権のために活力を維持できるとは考えられないからです。
たとえば、50社も回って断られてもあきらめなかったということは、提案している内容は『みんな欲しがっている』と確信していた証です。つまり、潜在思念上にある、これが実現すればみんなも自分も充足するという共認充足への確信が継続の原動力になったのだと思います。
これが、過去の企業家が目的とした、金・地位・名声というような自分発から、みんなで一緒に充足できる可能性発への転換という、新しい潮流だと思います。
☆☆☆仲間が充足できる可能性を軸に地域特派員ネットワークを作っていった。
ナビットには全国に25,000人という地域特派員ネットワークがあります。
ここから集めた情報で、『毎日特売』『学習塾の検索サイトe-juku‐walker』『在宅ワーカーのための仕事探しのサイトsohos‐style』などの消費者向けのウェブサイトを運営しています。『ナビットHP 』
ここでの特派員は、主婦などが片手間にやっています。そんな中で、彼女たちは、どうして高い成果を上げられるのでしょうか?まずは、そのヒントから・・・
☆クレーマーだった鉄道研究会をパートナーに
「地下鉄のどの車両に乗ると便利か」というのを、電車のイラストで紹介していたんですが、その電車の絵にはデザインでパンタグラフがついていました。でも、彼が言うには「銀座線と丸の内線は、線路脇から電気を取っているのでパンタグラフがあるのはおかしい」と。
こちらとしては、「デザインとしてついているだけです」と説明するのですが、納得してくれません。よくよく聞いてみると、彼は早稲田大学の鉄道研究会の人でした。こちらがいくら説明しても、「パンタグラフがあるのは納得できない」の一点張りでした。
どうにも納得してくれそうもなかったので、話をそらすように「じゃあ、別の路線もありますから、そんなに言うなら、あなたが現地調査をやってくれますか?」と聞いたところ、「やります」と言うんです。それではと、別の路線の調査をお願いすることになりました。
すると、私があれほど苦労した現地調査を、嬉々としてやってくれたうえに、頼んだ情報以上のことまで事細かにやってきてくれたのです。「これはすごい!」と思いまして、すぐに全国の大学に問い合わせて、鉄道研究会の人を紹介してもらったんです。
画像は『関東学院中学校高等学校 香柏会日誌 』 さんよりお借りしました。
このような経過で、全国の鉄道研究会の現地調査員ネットワークができあがったそうです。鉄道研究会にとっては駅の調査活動そのものが充足課題なのです。よって、従来の生活のための仕事という動機ではありません。
つまり、彼を協同者として捉え、充足できる仕事を提供しているのですね。そこでは、充足課題なので活力が上り、成果度も高くなるのは当然ですね。
そして次に、デパ地下のスイーツを調査するという仕事依頼を受けて、この鉄道研究会ネットワークに依頼ました。しかし、成果度が低すぎて使い物にならなかったそうです。これも当然ですね、かれにとってスイーツ調査は充足課題ではなかったのです。
それでは、スイーツ調査は充足課題になる人は誰か・・・
☆スイーツ調査の充足課題を軸に主婦ネットワークを構築
そうなんです。彼らはデパ地下のスイーツなんてまったく興味がないので、調査にならないんです。これはダメだと思いました。それで、適材適所を考えて、スイーツの調査なら女性がいいだろうということでお願いしました。そういった鉄道以外の調査が増えるにつれて、主婦層の地域特派員ネットワークが広がっていったんです。
画像は『 α-STATION KYOTO AIR LOUNGE 』さんよりお借りしました。
こんどは、スイーツの調査が充足課題になる主婦をネットワーク化しました。古い言葉では適材適所ですが、これでは微妙にニュアンスがずれてきます。ここでも、充足できる仕事を提供していく仕事関係が成立しているのです。そう、新しい仕事とは、みんなの充足の実現なのです。
このように、普段感じる感覚を、言葉にすることによって、この仕事は新しい潮流に乗っているのか?先細りなのか?が鮮明になっていくのだと思います。反対に、責任感や適材適所など既存の言葉に当てはめてしまうと、可能性は消えていきます。注意したいところです。
早い時期から、なぜか社員を雇ってしまいましたので。いつの間にか社員が増えて、社員の家族が増えて……となってしまって、「今、私が会社を辞めてしまったら、この人とその家族が路頭に迷ってしまうかもしれない」と思ったら、辞められませんでした。社員を雇っていなかったら、とっくに辞めていたかもしれません。
画像は『起業家教育ひろば』さんよりお借りしました。
ここからも、自分発の充足から相手発の充足という潮流を感じていんだろうなぁと、推察できます。
女性の充足性とはこんなに大きなものなのです。この充足の意識潮流に乗って、仲間を広げていく企業が、未来企業のプロトタイプの一つになって行くことは間違いなさそうです。
- posted by sinsin at : 23:32 | コメント (4件) | トラックバック (0)
コメント
この図解はすごい!!
いろんなシーンで役に立つと思います。
ありがとうございます!!!
早速露店で使わせてもらいました。
「わかる、わかる」と20代会社員の方が立ち止まってくれ、しばらく「ダメ圧・説教の上司をどうする?」の話で盛り上がりました。
スッキリわかりやすい図解で、ぜひ今後も活用させて頂きます。
社員の活力を上げるには、人間関係がポイントってところは大きな気付きですね!
どんどん実践していきたいと思います☆
この図解を見て、どうする?と日々探索している経営者の方が、前向きに取り組まれることを期待したいですね。
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