2010年04月17日
職場をもっと楽しくするには?(1)~職場に充足・肯定視空間を創り出すのは喫緊の課題~
このブログには初めて投稿します。雅無乱です。
未曾有の不況やデフレが覆う中、企業経営は様々な壁にぶつかっている。
業績不振、市場縮小によるパイの熾烈な奪い合い、給与カット、人材の流出、新入社員が育たない…などなど。
企業にかかる外圧が増すほど、それまで組織が抱えていた問題が増幅される(組織の統合が綻びてくる)、という側面もあるだろう。
そんな中で、どの企業も悩んでいる最大の問題は、「社員の活力が出ない」という事ではないだろうか。
逆に言うと、その問題に対して一定の答えを出して「社員が元気に楽しそうに働いている」という状況を創り出すことが、淘汰の波にさらわれなくてすむ最低条件のように思われる。
闘争能力の一歩手前にあるのが活力だが、今後10年間は、活力を生み出せれば勝ちであり、どうやって活力を上昇させるかが勝敗のカギを握る。(るいネット:「3/28なんでや劇場レポート(3) 今後10年間は充足⇒活力を上げれば勝てる」より)
まさに、その通りである。
その中で特に「社員の活力上昇」のカギを握るのは、“女性”ではないだろうか。
業績を伸ばしている会社の共通する特徴は「女性社員が元気なこと」…というのはよく聞く話である。
逆に、例えば「子育て」というたいへんな仕事ををしながら、企業でも全力でがんばっている女性社員に対して、上司や会社側があまりにも無理解なために、女子社員の元気パワーを殺してしまっている企業の事例を、非常によく耳にするが、そんな上司を放置する会社は、あまりにモッタイないと感じる。
「女性社員がイキイキと働ける場を創ること」は、実は目先の利益追求よりもっと重要で、企業が淘汰されないための喫緊の課題である、という認識に経営者は転換した方がいいのかもしれない。それで社内の活力が上がり、したがって成果が上がれば、長期的には企業として「勝ち」なのである。
さて、では女子社員に活力いっぱいで元気に働いてもらうにはどうしたらいいか?
…そのヒントを探るため、「笑顔の元気さ」で取引先からも定評のある類グループの女性社員にインタビューしてみた。たかだか1時間の会話だったが、これがどうしてかなり面白くて、気付きがいっぱいであった。
その中から一部を紹介してみたい。
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「類グループ」の女子社員は、数年前から「感謝と謝罪のトレーニング(通称感トレ)」という場を持ち、みんなで成長して行っている。
この1年ほど、社内の空気が“充足・肯定モード”にガラリと変わったのは、この通称「女子社員感トレグループ」(以降“女子感トレG”とする)によるところが大きい。はっきり言ってスゴイ!
当ブログでは↓このエントリーに詳しく書いてあるのでぜひとも参考に。
人材育成の本質とは?③~人材育成の場:感謝と謝罪のトレーニング~
「働くのなら、もっと楽しく働きたい」、という気持ちで集まった女子社員十数人が、“女子感トレG”を設立、数人グループに分かれて週に1度集まっておしゃべりするようになったのがきっかけ。
一般的に会社員の飲み会で陥りがちな「噂話」「グチ飲み」じゃあつまらない。全然活力も上昇しない。
「それぞれのいいところを褒め合ってみよう」「まずは日々の仕事の中で見つけた、周りの人たちのイイところを出し合って共有しよう」「みんなで感謝しあってみよう」といったところをテーマに設定するとうまくいくようだ。
旧い世代は、「なんじゃそりゃ?」と思うかもしれない。
仕事なんていうのは、できてあたりまえで、できなかったらダメ出しを受けて矯正されるもの…(ちなみに私は今40歳だが新人時代は、仕事能力が極めて低かったこともあり、ダメ圧・ダメ出しが97%で褒められたことなど一度も無かった。入社して10年目に上司に仕事の書類を提出したとき「サンキュ」と初めて言われて思わず涙がでた記憶がある。)、そんなパラダイムで新人時代を過ごしてきた世代にとっては、「褒める」とか「褒め合う」とかは相当大きな違和感が(もっと言えば「キショク悪い」という感覚さえ)ある。
しかし、この「褒める」「褒め合う」ということは、今、企業の活力を上げる上で非常に注目されている。そんな時代になっている。
「ほめる」技術
「ほめる力」がすべてを決める!
元気サラリーマンになるブログ! 褒め合い族を考える
などなど
旧い世代は、「褒めるってったってどこを褒めたらいいんだ」とか「褒めるとつけあがる、天狗になる。成長しなくなるからダメ」とか「おだててるだけでうまくいくのか!」とかついつい屁理屈をこね、「今まで通りでやり続ける理由」を探したくなるが、実際には、ダメ圧や説教により若者が大量に入社3年以内に辞めるという時代をむかえ、逆に、「褒める」「褒め合う」が次々と高い成果を上げ続けている現在、意識を180度転換する必要があるのではないだろうか(…自戒を込めて^^;)
さて、類グループの女子社員のインタビューでは、意外な「褒めるコツ」を伝授してもらった。
それは、「“点”で褒めるのではなく“面”で褒める」
詳しくは、このブログのこのエントリーを⇒「間接評価のススメ」
1対1だと限定的だが、第三者を巻き込んで、「『Aさんの○○がすっごくイイ』ってBさんが言ってたよ」というのが本人に伝わると、職場全体がその人を評価している感じになるし、妬みなどが生まれにくい。
さらに、「Aくんが△△してくれたからチームが盛り上がったよ!ありがとう」とか「Aくん部署、最近いい成果出してるね」とか「Aくんのところに入った新人、最近すごく成長してるね!」など、チーム全体や、チームのメンバー(後輩)などを褒めるというのも、自分が褒められる以上に当人にとってはうれしいものである。このあたりも、すぐに使えそうだ。
個人の成果を褒めるのではなく、みんなを褒め、その中の本人の役割を褒めてあげると、旧い世代が懸念する、「増長する」とか「馴れ合いになる」などのマイナス面が限りなくゼロになっていきそう。
実際、類グループの“女子感トレG”は、活躍する男性社員・女性社員を「まっとうに褒める。面で褒める」という行為でもって、会社に充足・肯定視旋風を巻き起こし、企業全体の活力を2段階くらい上昇させた感がある。
うまくいってアタリマエ、できてアタリマエと思っていたら、褒めるなんて事は実にワザとらしい感じがして、違和感でむずがゆくなる感覚があるのは理解できる(…という私はやっぱり古い体質?)。だが、褒めることで活力が上がり、前向きに仕事をする人が会社に増えれば結果的には成果が上がり業績も上がるのであって、それでいいではないか。そうしない手は無いだろう。
つまらない理屈をこねてそれをやらなければ、活力衰弱と伴に淘汰されていくだけである。だとすれば、積極的に企業体質を転換していくことが今、求められていると言えよう。
第一、必死でがんばってやってもせいぜいゼロで、ちょっとでもミスすればマイナス評価・ダメ出しを食らうよりは、できた部分をプラス評価してもらえる肯定的な空気の方が、自分自身に置き換えてもイイに決まっている。それができないのは、「できないところを厳しく指摘しないと人は育たない」という固定観念ゆえなのではないか、という気がしてきた。
「どうしたらそんなに褒め合うことができるようになるの?」
思わず出てしまった素朴な疑問に、類グループの女性社員はこう答えた。
「人間、誰しも“認められたい”“みんなと一緒にうまくやっていきたい”“もっと充足したい…もっと応えたい”“もっと役に立ちたい”って思ってる。そういう前提を肯定視してあげていれば、まずはその人のがんばりをちゃんと評価してあげられる。」
確かに…、単に、指摘する、ダメ圧をかけるだけでは、相手は共認不全に陥る。そこから互いに否定視のループに入っていく。相手をますます萎縮させ自我らせるだけで、活力も上がらなければ、成果も上がらない。肯定的に受け止めてもらった上でしかアドバイスを聞き入れる気になんてならない。
「闘っている男の人の、充足を周りに与えていっている女の人の可能性を、そのままみんなで喜んでいったらいい。そうすれば“これならいけそう”という充足イメージをみんなが持てるようになり、さらにがんばっていける」
…のだそうだ。まだまだインタビュー内容全体は語りつくせていないが、目から鱗の1時間であった。
総じて、彼女たち2人から感じたのは、「充足・肯定視」空間が生み出すエネルギーはスゴイという事。そういうエネルギーを生み出し、活かしていける企業と、そうでない企業の差は、今後ますます歴然として来るであろう、という確信がある。
そういう意味でも、職場において「充足・肯定視」空間を創り出すこと、そのために、女性社員の充足共認の場を構築する事は、これからの企業にとって極めて重要で優先度の高い課題になっていくのではないだろうか。
- posted by staff at : 23:49 | コメント (2件) | トラックバック (0)
コメント
経営理念が社内に浸透しているからこそ、実現できる経営なんですね。
例えば、よく昔の会社であったように、心得を毎日唱和するなど、具体的にはその理念浸透をどのような形で行っているかが気になりますね。
いつも楽しく観ております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
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