2010年05月05日
副業で活力創出する会社-「富士メガネ」
こんばんは。
皆さん、プロボノという言葉をご存じでしょうか?
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると
プロボノ(Pro bono)は、弁護士など法律に携わる職業の人々が無報酬で行う、ボランティアの公益事業あるいは公益の法律家活動をいう。弁護士による無料法律相談、無料弁護活動などがある。プロボノ(pro bono publico)はラテン語で「公共善のために」を意味する。
とあります。
法律に携わる会社ではないのですが、「公共善のために」活動していて、その活動が企業活力につながっている会社「富士メガネ」を紹介します。
■企業活力の源泉
まずは、富士メガネの紹介
富士メガネのHP より
現地を訪ねてメガネをおとどけ。
当社では1983年、創業45周年を機に「海外難民視力支援活動」をスタートさせました。第一歩はタイのインドシナ難民キャンプ。当社スタッフが実際に難民キャンプを訪れ、一人ひとりの視力を検査して最適なメガネを寄贈しました。1984年からはUNHCR(国連難民高等弁務官)事務所と連携を深めながら活動を続け、ネパール、アルメニア、アゼルバイジャンを訪問。これまで11万人以上の人々に「見る喜び」を贈ることができ、支援活動は今もなお続いています。
反響は国内外から次々と。
当社の活動について「人の手のぬくもりが伝わる援助」という評価をいただき、2004年には朝日新聞社の第1回『朝日企業市民賞』に選ばれました。「ナンセン難民賞」受賞後は反響がより大きくなり、2007年には第61回『北海道新聞文化賞』を受賞。会長・金井昭雄が『ニューズウィーク日本版』の「世界が尊敬する日本人100」、『日経ビジネス総力編集2008年の視点』にて「日本のトップ50人」に選ばれるなど、各方面から関心が寄せられています。
富士メガネさんはボランティアとして海外支援活動に取り組んでいるのです。そして、その活動は高く評価されています。
毎年、社内でプロジェクトチームを組んで、その活動に社員が次々と参加しているのです。
もちろん、支援する費用は会社の利益から出しているのです。
そして、その活動によって、社員の皆さんは、活力を得ています。企業利益を社会活動に回し、その活動によって、企業活力を上げている会社なのです。
こうした活動は、
「プロボノという働き方が持つ可能性」
で紹介されていますが、富士メガネさんはその先駆けと言って良いのではないでしょうか。それも企業全体で大規模なものです。
先の投稿にも
本業の他に社会活動という副業を持っていることです。
さらにその副業とは相手の役に立つ活動でそこで得た視点や経験、ネットワークは本業にも反映されていきます。本業の働き方にも影響し、相乗効果を生み出すことができます。
とあります。
富士メガネさんの場合も、支援先の現地の人々から派遣された社員が直接感謝の言葉をもらい、感謝の手紙を受け取ることで、自分たちの活動が人の役に立つことを実感しています。当に、社員の活力向上に繋げています。
■その活力の向いた先は
富士メガネのHPより
全店で294名の「認定眼鏡士」。
富士メガネでは認定眼鏡士がお手伝い。
「認定眼鏡士」は(社)日本眼鏡技術者協会が認めるメガネのスペシャリスト。富士メガネには、平成21年2月現在、全店で294名の認定眼鏡士がいます。目とメガネに関するアドバイスから、メガネ作り、お顔へのフィッティングまで責任を持って行い、お客様が安心してメガネをお求めいただけるようお手伝いをしています。
高度な技術で選定、加工、フィッティング。
メガネは視線の使い方や使用目的を考慮した上で、フレームやレンズを選び加工する必要があります。そして、性能を最大限に引き出すためには、お顔に合わせて正確なフィッティングを行わなければなりません。認定眼鏡士は、見た目のイメージはもちろんのこと、快適な掛け心地にも配慮をして、お客様のメガネを正しく調整いたします。
技術向上を常に目指して。
メガネ業界トップの技術者集団であることをめざし、富士メガネでは社内講座、早朝勉強会など、独自のシステムにより、技術向上や改善のための研修をおこなっています。常に最新の知識・技術を身に付け、スタッフ全員がお客様に信頼していただけるよう、これからも日々努力を重ねてまいります。
富士メガネのオプトメトリスト。
アメリカでオプトメトリストは100年以上の歴史があります。通常、4年制大学で学んだ後、さらにオプトメトリーの大学で学び、「ドクター・オブ・オプトメトリー」の学位を得て、国家試験と州の試験に合格した後に開業します。当社では2名がアメリカで学び、「ドクター・オブ・オプトメトリー」の学位を取得。先進の知識と技術を修得し、それらを社内研修などを通じて他のスタッフに直接指導にあたっています。ですから、富士メガネではどの店舗でも、単純に視力にあったメガネをご提供するだけではありません。お客様の見え方は健全か、よりよく見えるためにはどんなご提案をさしあげれば良いか、といったことにも注意を向け、「見ること」を総合的にお手伝いしているのです
オプトメトリスト
「オプトメトリー」とは、眼科学と光学にわたる総合的な学問で、その分野で資格を得た人を「オプトメトリスト」(検眼医または視力測定医)と言います。日本ではまだ公的な資格ではありませんが、アメリカ、カナダ、フィリピンなど世界45カ国で国家資格となっています。オプトメトリストは、視覚機能や健康管理のスペシャリストとして、メガネの処方、眼病の検診・診断などを行い、高度な医療知識に基づいてビジョンケアを実践しています。
そうです。富士メガネさんのもう一つの顔は、「メガネ業界トップの技術者集団」を目指していることです。かの松下幸之助や司馬遼太郎も富士メガネさんの技術力に魅せられ、わざわざ北海道にある富士メガネさんでメガネを作られたそうです。
こうした技術へのこだわりは、海外支援活動とそれによりもたらされた人の役に立つ喜びに支えられているのではないでしょうか?
■最後に、
富士メガネさんを調べてみて、共同体「類グループ」とも共通点があることに気がつきました。共同体「類グループ」も社会活動として「なんで屋」はじめ、なんで屋劇場・なんで屋サロンを運営しています。そして、これらの社会活動がグループ全体の活力を上昇させている実態もあります。
今後の企業には、本業以外に副業として社会貢献の活動が、企業活力創出という視点かも重要な意味を持つと思います。
さらに、こうした企業が増え、社会貢献から社会統合にまで各企業の副業が発展してゆけば、活力再生だけでなく社会問題への切り込みも可能になるのではないでしょうか。
- posted by bonbon at : 21:07 | コメント (2件) | トラックバック (0)
コメント
へ~近江商人の“・・・買い手よし、世間よし”の考え方はいいですね!
>地域や社会の永続的な繁栄があって始めて自集団も安定的に商売ができる
本当にそうですもんね。大きく見れば、まず自然がある。そして社会があって、相手がいて、だからわたしたちは生きて生産できる。そういう感謝や謙虚さを忘れたら、いい商売なんてできないんでしょうね。
江戸時代以前の商売人達は明文化しなくても、このようなしっかりした社会規範が身についていたこと自体がすごいですね!
今は、利益ばかりに走る会社が日本でも増えてきていますが、なんでこんなことになったのでしょうか?次回はここらあたりをしっかり探っていきたいと思います。
お楽しみに!
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