2010年12月22日
人にやさしい、人をたすける・・・そんな機械を創り続けたい『キシ・エンジニアリング株式会社』
本日は、【元気な会社】シリーズ3回目をお送り致します 😀
これまでの内容は、下記の0.プロローグ~2.あらき 迄をご参照下さい。
0.プロローグ 1.板室温泉大黒屋 2.あらき 3.辻谷工業 4.キシ・エンジニアリング 5.未来工業株式会社 6.小ざさ 7.伊那食品工業株式会社 8.ハッピーおがわ 9.医療法人鉄蕉会亀田総合病院 10.沖縄教育出版 11.まとめ |
さて、【元気な会社】シリーズの3回目は、「人にやさしい、人をたすける・・・そんな機械を創り続けたい」と、熱い思いを持ち続けられている島根県の医療福祉機器を製造・販売している『キシ・エンジニアリング 株式会社( http://www.kishieng.co.jp/ ) 』さんをご紹介したいと思います
(本来3回目は、辻谷工業さんをご紹介するはずだったんですが、こちらの都合で順番を替えさせてもらいました。ごめんなさい 😥 次回ご紹介させていただきますので、楽しみにしておいて下さいね。 😀 )
キシ・エンジニアリング㈱さんは、1985年に岸 征男社長が立上げられた会社です。
今や、キシ・エンジニアリング㈱さんが製造する「呼吸トレーナー」は世界中で認められている医療機器の一つなんです。
その開発の背景には、岸社長の娘さんが、病院側の診断ミスがきっかけで、わずか生後7ヶ月の段階で脳障害になられた事が背景にありました。
日本の病院に対応出来る所がなかった為、すがる思いで渡米され、治療を続けている中、娘さんが楽に呼吸が出来るようになるにはどうしたら良い?と切に願われていました。
思考錯誤の末、岸社長が元々技術師だった事もあり、娘さんの為に自ら作ろうと思われたのがきっかけでした。
実は、この開発を機に『キシ・エンジニアリング㈱』さんの事業展開が、現代において注目される気付きがありました。
今日は、その気付きをご紹介致します 😀
その前クリックをお願いします
●キーワードは、「皆が必要とする商品を作りたい」
既存の呼吸器を使い、娘さんが苦しそうに呼吸をしている姿を見て、「もっと楽に自ら呼吸出来る機械」を作ってあげたい。との想いから、徹底的に娘さんに同化し、どうしたら楽に呼吸が出来るか?と同じ立場で考えながら、商品を開発されました。
その結果出来上がったのが、この「呼吸機トレーナー」です。
その後、キシ・エンジニアリング㈱さんの開発は、この商品開発を機に、2003年以降、医療機器の商品開発が活発になっていきます。
(2000年 社会福祉基礎構造改革によって、介護保険制度等が改正・実施されたのを受け、本人負担の費用が増加し、本当に介護を必要とする人への介護サービスの低下が浮き彫りになってきました。)
1997年 リフト付電動車いす開発・販売開始
2003年 立上り補助椅子らくらく販売開始
2004年 リクライニング昇降座椅子ゆうゆう販売開始
2006年 サドル付歩行器、入浴リフト、温熱昇降座椅子、販売開始
2008年 新型呼吸器RM200、アクティブクッション、対面ハンドル、販売開始
●本当に求められているのは、介護ではなく、自立(活力)なのでは?
巷では、介護を受ける際の自己負担が増加し、介護補助費の増加を求める声が大きくなる一方で、
>高齢者、障害者の方に、機器を使用してでも如何に自力で日常生活を送ることが出来るか( http://www.kishieng.co.jp/about.html )
と、実際に高齢者・障害者の人達の声(「歩いてみたい」、「人の手を煩わせずに行動したい」)を取り入れながら、開発に励まれているのです。
しかも、取り組まれている開発機器は、これまでの市場原理による利益第一主義ではなく、高齢社や障害者の人達向けに自立を助ける目的、使われる方の立場に立って、需要の多さ等は考えず、皆が求める必要なモノだからと、利益は二の次に製造・販売を行っておられます。
(ちなみに、自社の社員を養っていく利益は、キシ・エンジニアリング㈱さんの主な事業である産業機器で稼がれています。)
●需要発⇒供給発へ
この地平で事業を行っておられる点こそが、正に
>そうした欠乏はこれまでは単なる消費主体としてしか見なされてこなかった、高齢者や障害者の欠乏としても見て取れる。今や彼ら「旧来の社会的弱者」は「弱者として消費=需要する権利を主張する」なんて地平を脱却し「同じ社会の当事者として役割を持つこと=供給者になることを求めている」。高齢者は誰しも子供達の面倒を見てあげるという子育て支援の供給者たりえるし、知的障害者であっても(だからこそ)潜在思念あふれる美術表現を通じて人々の共感回路を刺激する作品をかける子はたくさんいる。
(「需要発⇒供給発へ( http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=79426 )」)
現在の意識潮流にあった人々の期待に応えられている素晴らしい企業なのではないかと思います
では、次回の企業紹介もお楽しみ 😉
- posted by shiogai at : 22:30 | コメント (6件) | トラックバック (0)
コメント
働くことの意味について、考えてみると確かに農業中心の時代の労働と、近現代の労働とは全く性質が異なりますね。
近現代になり日本でも労働組合が広く作られる様になりましたが、労働組合の主張の中身は「雇用環境の向上」とは謳っていますが実態としては単なる一方的な賃金要求にしか過ぎないように思います。
これもまさに、
>私権獲得のために、金貸しや資本家の都合の良いように働かされる市場社会へと移行していった
からなのでしょうね。
納得です。
>市場化の動きと職業選択の自由
>明治政府は地租改正により市場の拡大を図った
この流れが、村落共同体の解体⇒賃金労働化の軸にぴったり乗っていて本当に驚きました。
その背後に金貸しの意向があったということも、納得ですね。
この記事を読んで、日本をよくしていこうとした武士たちが、金貸しに取り込まれていった江戸→明治(近代化)の時代状況は、しっかりおさえておく必要があると感じました。
>資本家と労働者、使う人と使われる人にわかれ、労働と生活が切り離されて、主体的に働く人はどんどん減っていきました
これまで労働と生活の場が一体だった村落共同体が解体され、これほどまでに日本人の意識を変革させていった。これが、今の活力の無い企業を生み出した背景にあるのでしょうね・・・
今回の記事で今の企業が出来上がるまでの流れを押さえられ、良い勉強になりました。ありがとうございました!!
名無しさんコメントありがとうございます!!
そのとおりだと思います。労働組合があるということ自体、それまでの体制と変わってしまい、
使う側と使われる側という構図がはっきりしてしまっているような気がしました。
主体的に労働をしているのなら、何も言わずに自分たちで改善していけるはずですもんね!
ごんたさんコメントありがとうございます!
この動きにはぼくもばっち型にはまっていると感じたところでした。
武士たちは自ら動いたのではなく、金貸しによって動かされていたということも
少し悲しい事実だと思います。
日本を良くしようと動いていた人もいるかもしれないのに!!
教科書に載っていない事実を知ることができてとても良かったです。
ジョッポジートさんコメントありがとうございます!
活力の無い企業。これがまた金貸しに利用されているのだと思うと、金貸しの戦略は完璧だったんだなと思います。
日本の縄文から続く受け入れ体質もあり、すごい速度で市場化していったんでしょうね。
こちらこそお役に立つことができて嬉しいです!
ありがとうございました!
コメントする