2011年01月08日
元気な企業の講演会レポート~先着順採用の『樹研工業』~
(樹研工業の経営者:松浦元男さん)
こんにちは、みっちーです
寒い日 が続きますが、リクルートスーツに身を包んだ学生さんの熱心な姿 を見ると「よし、頑張ろう!」とたくさんの元気 😀 をもらえます。
さて今回は、元気な企業の経営者の講演会に参加させて頂きましたので、その内容のレポートをお送りします。元気な企業の名前は、TVや雑誌で取り上げられたこともある『樹研工業(経営者:松浦元男さん)』です。
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先着順採用(=受け入れ環境)
豊橋の近くには、多くの大企業(トヨタ、ヤマハetc)があり、来てくれるのは正直言うと売れ残りと言われる勉強の出来ない奴ばっかり。面接に金髪や改造バイクでくる奴も多く、とても選べたもんじゃない。
でもそんな奴でも親御さんの大切なお子さんだし、どこか必ず光るものがある。改造バイクが作れる奴なら設計で大活躍、ヤンキー女子でも興味さえ持てば今や英語はペラペラ等、役割やその場さえ与えられれば力を伸ばすことができる。だから採用は人を選ぶことなく、先着順で採用している。それでここ十数年の定着率は100%を達成している。
⇒どんな人材も受け入れて、伸ばしていける環境(集団)
生涯現役で定年なし
定年はなし。現在でも60歳以上の方が、10名働いている。それも20、30代はまだまだくちばしが黄色いひよっこ、40歳で一人前、60歳で名人になる。なのになぜ名人を辞めさせないといけないのか?とむしろ定年制に疑問を持っている。
60歳はもちろん給料も高いが、それ以上に生産性が高く合理的に動いてその何倍もの働きをしてくれる。例えば機械のほんのわずかな異音や動作不良を見逃さずに、すぐに修理してしまう。これが後になっていたら、その機械自体がダウンして作業工程の大幅な遅れや不良品の確認などで多大な被害となる。
そして働いている社員も、60過ぎても子供や家族のために働いてお金を稼ぐことが必要、そしてなによりずっと働くことが生きがいの人がたくさんいる。
⇒安心してずっと働き続けられるから、仕事にとことん打ち込むことが出来る。
経営者も社員もみんな会社が大好き
社員が勉強のための留学や資格を取りたい(=長期休暇)と言えば、心良く送り出す。もしもお金が足りなければポンとお金を添えてあげる。すると社員は感激して、成長して必ず戻ってくる。
他にも出産や子育てで一時離れた女性社員も、子供が保育園や学校へ行き出すとまた戻ってきて働ていてくれる。ある時女性社員の小学生の子供が会社に遊びに来て、「おいちゃん、僕この会社で働くことにしたから。」と話してくれた。それを聞いて「そうか、お前もそう決めちゃったか(笑)そりゃおいちゃんもそれまで会社頑張らんとな」とたくさんの元気をもらった。
⇒自分達が大好きな会社を守っていきたい、その思いが基盤となって集団を強くする。
自己資本での会社経営
会社は社員を幸せにしてお客さんに喜んでもらうため、だから株主のためにお金を稼ぐなんてことは出来ないし、まして銀行の言いなりになるつもりもない。だから自己資本でみんなのための経営にお金を使っていっていくことを貫いている。
リーマンショックの時は、売上が40%ダウンとなり、その翌月からは80%ダウンが6ヶ月間も続いたが、自己資本だからこそなんとか切り抜けられた。(工場の引越し時期だったこともあり、社員から「社長、ちょうど暇になって作業がはかどります!」とのんきな社員もいた。)
もちろん会社の経費もみんなのお金だから、みんなのために節約する。
⇒自己資本なら不況も耐えられるので、働いている社員への安心・安定に繋がる。
最新設備の導入
戦後、アメリカに替わって日本が工業のトップに立てたのも、日本人の技術力だけでなく、アメリカの設備投資が脆弱(戦前のままのため旧いまま)で、日本が設備投資をどんどん行なったことが大きい。
だから設備は常に最新で最高のものを導入し、先端技術の見本市などは必ず社員を行かせるようにしている。技術も設備があって初めて活かされるもので、設備と技術が相まって高品質の製品が作り出せる。
⇒常に時代の最先端に挑戦していく
状況把握のための追求(勉強)
休日に役員からヒラまで自由に参加できる勉強会を開催している。最近の経済の状況から、最新技術のことなど議題は多岐に及ぶ。みんなから活発に意見が出て、あっという間に時間が過ぎる。普段でも就業時間が終わった後に、仲間で話し合っていたり、社長のところにきて色んな話を聞かせてくれる。そんなんでみんな勉強や研究熱心な奴が多い。
前に大型ビデオが小型化されて8mmビデオになったときも、うちでも独自に研究して8mmビデオになると答えが出ていた。だからビデオメーカーから部品の依頼を受けたその場で、「欲しいのはコレでしょ」とその部品の現物を見せることさえ出来た。
⇒社員が率先して時代状況を把握し、答えなる(時代が求める)と商品を創りだしていく。
いかがでしたでしょうか?
経営者の松浦さんのお話は楽しくて、あっという間の講演会でした。
最後にまとめると、樹研工業の強さの秘訣は大きく2つあります。
それは『会社での安心・安定基盤作り』(先着順採用(=受け入れ環境)、生涯現役で定年なし、経営者も社員もみんな会社が大好き、自己資本での会社経営)と『時代変化への適応=外圧適応)』(最新設備の導入、状況把握のための追求(勉強))です。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
- posted by mitty at : 12:21 | コメント (2件) | トラックバック (0)
コメント
“農”はとても大切だけど、仕事の中身以前に、みんなが充足しながら働ける場やシステムを作ってくれていることが、とても有難いです☆
なかなか経営者や現場の方のそういった想いに触れる機会がないので、こういう記事って嬉しいです。
素敵な記事、ありがとうございました(*^^*)
店頭で売られている農作物について、消費者が生産者の顔を見たいと思うように、生産者だって消費者の喜んでいる顔を見たいはず。
ナチュラルアートさんのやられているイチゴ市場の第一シェアの獲得は、流通業者というフィルターを無くし、消費者と生産者とを近づける取り組みであるようにも感じました。
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