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2011年06月16日

シリーズ 大震災復興~日本企業の底力!~1-3). 節電・節約で贅沢品の消費が激減する一方、充足を求める需要が増加

大震災復興~日本企業の底力! !「Ⅰ.大震災から見えてきた日本企業が抱える問題点と課題」 について、シリーズで紹介しています
【今回の震災による倒産企業の特徴】
①倒産は被災地以外の全国の関連企業にも及ぶ
②震災前からの業績悪化企業が倒産
③節約・節電による消費激減により不要不急の業種が倒産
前回は、②震災前からの業績悪化企業が倒産として、~1-2)震災後、加速する日本の産業の地殻変動~を紹介しました
ここでは、①快美欠乏を求めた物的生産ではいまや、新興国に対する日本の優位性はない、②市場を極端に外需に依存している限り、日本の産業は勝てないことを示しました。
 
今回は、、 ③節約・節電による消費激減により不要不急の業種が倒産した状況について調べてみたいと思います
 
 
これからも「共同体・類グループの挑戦」をよろしくお願いします!

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まず、震災により各業種でどのように売り上げが変化したのか、紹介します。
【需要が激減】
 
◆ホテル利用率日本の産業の地殻変動より引用>

*************************************


東京都内のホテルの客室利用率(稼働率)が激減したと発表になっています。



<4月>

20.4%(一年前:58.9%) ホテルニューオータニ

27.9%(一年前:60.6%) ホテルオークラ

33.8%(一年前:83.7%) 帝国ホテル

34.4%(一年前:86.0%) 京王プラザホテル



19ホテル平均40.5%(一年前:81.4%)



~中略~



ニューオータニ、帝国ホテル、ホテルオークラは、御三家とも言われていましたが、上記の数字を見ますとどれも存続が出来るかできないかという位の数字になっており、これに主要儲け先である宴会・婚礼が減れば致命的になりますが、震災・原発の問題で、宴会が自粛になっており、この面でも厳しい状況になっています。


日本の御三家が消える日も近いかも知れません

*************************************

◆百貨店売上高
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図は、日本百貨店協会のデータを元に作成しました
 
百貨店の売り上げは、月ごとに明確な傾向が見られます。
入学シーズン前の3月は、本来ならば百貨店のかきいれ時ですが、震災被害を受けた3月は前年に比較して大きく売り上げを落としました そして、4月になっても以前、前年を下回る水準であり大きな回復は見られません。

◆外食産業売上高

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図は、社団法人日本フードサービス協会のデータを元に作成しました
震災被害を受けた3月は、外食産業全体で対前年比89.7%となり大きく売り上げを落としました その中でも、パブレストラン/居酒屋が約20%ダウンと、低下が顕著です。
4月になっても外食産業全体では未だ前年を下回る水準ですが、3月よりは大きく状況が改善しました
ファーストフードやファミリーレストランなど、比較的安価な業種は同様に持ち直しましたが、パブレストラン/居酒屋は依然、前年比約10%ダウンと低い水準のままに留まっています。
⇒つまり、売り上げが激減したのは「ホテル」「百貨店」「外食産業」に代表される不要不急の業種であり、いわゆる贅沢品の消費を避ける傾向の現れであると考えられます
【売り上げが変わらない業種】
 
◆スーパーマーケット
詳細データは社団法人新日本スーパーマーケット協会を参照してください
スーパーマーケットは、震災後もほとんど売り上げに変化がないことが分かります。
 
日用品などの生活必需品を扱う業種は、震災があっても売り上げは変わらないようです
【需要が増えた商品・業種】※資料は「日経ビジネス2011.05.09」より
 
<不安解消・危機回避>
・家庭教師:「子供を外に出したくない」という親心から。トライでは生徒数が全同期比14%増。
・電動補助自転車:交通機関のマヒ、燃油不足懸念で。3月は1月の数倍の売り上げ。
・結婚相談所:危機が愛を育んだか。大手のオーネットで相談が2桁増。指輪も売れている。
・カセットボンベ式発電機:計画停電への対応で。ホンダの「エネボ」は10倍の売れ行きで品不足に。
・うがい薬:甲状腺を防ぐ安定ヨウ素剤の代替になるという噂で。製造元の明治は困惑
・豆乳:牛乳不足の代替として。豆乳大手のマルサンアイは増産して需要沸騰に対応
・LED電球:節電対応のため。コンビニ各社も導入。東芝ライテックでは、売り上げが2倍に。
・放射線測定器:原子力発電所の事故の影響で。日本のみならず、日本への輸出対応で各国で品薄に。
 
<充足欠乏発>
・映画・ボーリング:安・近・早のレジャーとして。大手シネコンは4月から来客増
【まとめ】
今回の震災を契機に、各業種の売り上げには変化が見られました
 
・【需要が激減】贅沢品を避ける傾向
・【売り上げが変わらない業種】:日用品などの生活必需品を扱う業種
・【需要が増えた商品・業種】:不安解消のための消費が増加

 
改めて、人々の意識の変化から、今回の震災による影響をまとめます。
震災前のリーマンショック以降、JAL・トヨタなど大企業の失速に伴い、既に潜在的な先行き不安の意識が高まっていました。
そこに今回の震災が勃発し、その不安が顕在化してきたのです
人々の不安感が高まると、その不安を解消(危機回避)したいという思いや、より充足したいという意識(=充足欠乏)が生起します。
その結果、贅沢品の消費が激減する一方で、結婚相談所への相談が増えているという事例に代表されるように、安心・安定や充足を求める消費が増加します。
そして、これは女性に顕著な傾向です。
一見、目先的な判断とも見えますが、一方で、女性を中心に安心できる相手、集団を求める期待の現れであるともいえるのではないでしょうか。

これまで3回に亘り、震災による企業の被害状況を紹介してきました
今後の可能性探索に向けて、次回は、これらの被災状況を構造的に整理していきます。
ご期待ください

 

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