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2011年09月20日

共同体社会の実現に向けて【3】 私権時代から共認時代への大転換(上)

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前々回記事 『共同体社会の実現に向けて【1】『近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機(上)』、前回記事『共同体社会の実現に向けて【2】 近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機(下)』では、近代思想こそが現在の地球危機・経済危機を生み出した根本であり、近代思想にはこの危機に対する答えは決して出せないことが明らかになりました。

そして、近代思想に代わる新理論を生み出すことができるのは、日々現実に向き合っている普通の生産者=素人であり、現在の課題は歴史の事実構造の解明=実現基盤の発掘であることも明らかにされました。

今回は、歴史の事実構造の解明の第一歩として、『現実社会を動かしている力の構造』を学びます。現代社会がどのようにしてつくられてきたのかという力の構造こそ、真に学ぶべき歴史であり、ここを学んでこそ、実現方針が導き出せます。

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【現実世界を動かしている力の構造】
市場社会の崩壊と大転換の時が迫っているが、この危機を乗り越え新しい社会を実現するためには、まず、この現実世界を動かしている力の構造を知らなければならない。
従って、まずはじめに、現実世界の力の構造とその現在の状態を明らかにしておこう。
私有制度に基づく社会では、誰もが、私権(地位や財産)の獲得を目指して争う。教科書に載っているいわゆる文明社会とは、誰もが私権(の獲得)に収束することによって統合された、私権統合の社会に他ならない。
(※収束=統合とは:リンク
当然、そこでは私権の獲得に必要な力がものを言うことになり、力の弱い者は力の強いものに従うしかなくなる。力の原理である。
私権社会は、このような力の原理によって統合されている。
その力とは、武力闘争の社会では武力であり、市場競争の社会では資力である。それらの力は、社会を統合する統合力であると同時に、闘争相手を倒す制覇力でもある。
この力を体現した勢力が、武装勢力や金融勢力であり、これら中核勢力がこれまでの社会を動かしてきた。

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その現実を動かしてきた「力」に着目する必要があります。
例えば古代国家の起源を見てみると、略奪闘争→武力による制圧→序列統合国家の成立とあるように力の原理によって、秩序化され統合されてきました。
参考投稿:超国家・超市場論7 私権闘争を統合した 力の序列共認 

近代の市場社会では、力の中身が武力から資力に変化し金融勢力が社会を支配していきますが、一貫して力の原理で統合されているという構造は変わりません。

では、これら中核勢力はどのようにして社会を動かしてきたのか、その支配構造を古代と近代のそれぞれについて少し具体的に見てみよう。
古代初期、王国が誕生した段階では、武装勢力を率いてきた部族長が王となり、将たちが貴族となって、国を治めていた。
ただし、部族長は、もともと祭祀を司る長でもあったが、王国が誕生する前後に、祭事は神官(後に教団)に委ねられてゆく。次に、国の規模が大きくなると、政治も官僚に委ねられていった。
そして、教団勢力が大衆の共認支配を担い、官僚勢力が大衆の法制支配を担うことによって、現実に社会を動かすと共に、その権力をどんどん拡大していった。
その結果、王は、形の上では最高権力者だが、それは表向きだけで、実権は官僚や教団が握って好きなように社会を動かすようになり、王は彼らが進める彼らに都合のよい施策に、お墨付きを与えるだけの存在にまで形骸化する。要するに、名前だけのお飾りである(日本の天皇がその典型)。

古代における「力の構造」は3段階あり、武装勢力から王国がかたちづくられる成立段階、規模が拡大する段階、国家体制が確立し安定する段階で、力の関係と様相は異なってきます。

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古代国家(帝国)といえば、絶対的な力を持つ王が全てを支配していた印象があるかもしれませんが、実際には、共認支配を担う「教団勢力」と法制支配を担う「官僚勢力」の力が現実社会を動かしていたこと、その権力がどんどん拡大していったことがわかります。

参考投稿:社会統合組織の史的総括 国家と教団%E4%B8%AD%E4%B8%96.jpg
古代国家が形成される段階では、剥きだしの武力支配による絶対的な強制共認であったが、次第に、より能動的な共認に依存するようになる。教団勢力が広める宗教は、戦争と支配によって失われた本源的な心→救い欠乏に応えてくれるものとして登場し、大衆に共認されていく。国家は、その秩序の維持を共認支配(心の支配)に依存していく。観念支配のはじまりでもある。

画像はこちらからお借りしましたリンク


参考投稿:軍と官僚制の罠 ~古代国家の官僚制~%E7%A7%91%E6%8C%99.jpg
古代インド、中国、ローマをはじめあらゆる国家は、戦乱の後、武力支配国家として登場する。武力(軍事力)による支配を維持するためには、徴税が必要不可欠となり、徴税のための徴税官が官僚の始まりだった。巨大な軍隊と官僚機構を維持し続けるためには、経済統制すら必要となる。この経済政策を担う官僚も必要となり、これら官僚勢力が、実質の政治を主導するようになった。

画像はこちらからお借りしましたリンク

それに対して、市場社会では、金貸しが、官僚を支配し、教団に変わって登場した学者とマスコミを支配し、そして官僚機構が大衆を法制支配し、教宣機関(大学・マスコミ)が大衆を共認支配している。
こうして見ると、古代と近代では、社会統合と大衆支配の仕組みは、基本的にはまったく同じであり、ただ統合力=制覇力が、武力から資力に変わっただけである。
なお、武装勢力は、国家が成立するまでの戦争状態では序列の頂点にいるが、国家が確立すると官僚に実権が移る。その後も戦争状態よりも平和な期間の方が長いので、官僚が実権を握り続ける。そうなれば、再度、戦争状態になっても官僚支配は変わらず、武装勢力は官僚の下orよくて横並びの位置に止まる。
それに対して、金融勢力が君臨する市場では、市場競争が(戦争状態が非日常であった古代と違って)日常的に存在している。従って、市場社会では、金融勢力が常に頂点に君臨し続ける。しかし、金貸しは決して社会の表には出てこない。その意味では、古代より近代の方が、支配勢力の力の蓄積はより巨大なものとなり、かつ、表からは見え難くなっている。

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金貸しが武装勢力に代わって頂点に立った出発点は、まさに国家に金を貸すことでした。王や貴族に贅沢を覚えこませ、贅沢な生活を維持する方法として他国との戦争をそそのかし、戦争の費用を貸し付けたのです。そして、戦争の費用を貸す代償として紙幣の発行権を国家に認めさせます。武装勢力は戦争をするにも金貸しにお金を借りるしかなくなり、頂点の座を金貸しに譲り渡すことになるのです。
参考投稿:
なんで屋劇場『金貸し支配とその弱点』2~金貸しの存在構造、不換紙幣の成立
西欧近代:宮廷ユダヤが王族への借金をカタに近代国家システムを形成
イングランド銀行設立(1694年)の背景:戦費調達⇒官職や特権の売却⇒最大の特権:通貨発行権

ロスチャイルドやロックフェラーに代表される金融勢力=金貸しは、近世以来、配下に諜報・工作機関を持ち、目星をつけた政治家や官僚や学者を、一般的には利益誘導によって、勝負所では買収と脅迫を使い分けながら、支配し続けてきた。その力は、王室さえも操れるほどである。
マスコミにいたっては、利益誘導や脅迫による支配だけではなく、金貸しが直接的に経営支配しているケースが多い。要するに、力の頂点に君臨する金貸しが、政治家や官僚や学者やマスコミ等の統合階級を支配し、その統合階級が大衆を法制支配+共認支配しているというのが、現代社会の基本構造である。

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現在も、ロスチャイルドやロックフェラーは世界中の名立たる大企業を配下に従え、時には金融市場に混乱をもたらし、時には戦争を起こすなど、思いのままに社会を動かしているのです。日本においても、政治家や官僚、マスコミは郵政民営化、各種の規制緩和、米国債購入、TPP等々、驚くほどに従順に彼らに従っています。
参考投稿:
「アメリカに食い尽くされる日本」を読んで②
【図解】金貸しによる特権階級支配の仕組み

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以上のように、支配勢力や支配構造は時代によって移り変わってきましたが、文明社会以降、常に社会は徹底的な力の原理によって統合され、支配され続けてきました。つまり、「現実社会を動かしている力」は常に一部の武装・金融勢力が握り、大衆は支配体制の下で支配され続けてきたのです。更に、その支配構造は時が経るにつれて見え難くなり、普通に暮らしていても支配されているという感覚すら抱かないほど巧妙になっています。

現在の危機を乗り越え、次の新しい社会を実現していくには、この力の構造を根底から突き破っていくような実現基盤の発掘が不可欠です。次回はいよいよその実現基盤を発掘します。

 

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