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2011年10月25日

経営者の視点に学ぶ~南海金属株式会社 時代に適応し続ける企業~

こんにちは 😀 類グループ社会事業部の吉田です
今回ご紹介する企業は、大阪第2の都市、堺市にある『南海金属株式会社』です。

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堺市は、早くから交通網が整備され、歴史的にも重要な海運都市として発達し、日本の産業基盤を支える重要な都市です。なので、堺市にはそういった日本の基幹産業を支える企業がたくさんあります。今回の『南海金属株式会社』もそれらの代表にふさわしい素晴らしい企業です。
南海金属の魅力は、「世界一品質」を目指す企業風土と、会社の中に学校をつくった「南海学園」にあります。そして、これらの発想の原点は全て、代表取締役社長 柳善朗氏の確かな時代認識にあります。今回は、南海金属の会社づくりを担う、時代認識とその適応力に注目して、一緒に学んでいくことにしましょう。

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◆確かな時代認識が、会社づくりの土壌となる
南海金属は、昭和28年に初代社長、柳一歩氏によって「日本の農を支える産業の創出」を目的に、農業機械の板金部品製造所としてスタートしました。まだこの頃は『南海金属製造所』という社名の個人創業でした。時代は、戦後から数年後、日本中がまだまだ貧しい頃のことです
それから朝鮮特需など景気の追い風が吹く中、徐々に日本企業全体が高度経済成長期の大波に乗り、世界でも希有な成長を遂げることとなります。この頃、南海金属は、板金技術を建設機械や一般産業機械へと適用し事業の幅を広げ、工場を拡大し、大量生産需要に応える基盤をつくる拡大戦略を打ち出すことに成功します

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そして、昭和43年、現在の『南海金属株式会社』と改組し、今ある南海金属の基礎を築き上げます。その3年後、息子である柳善朗氏が社長に就任します。社長就任当初は自社の社員の覇気の無さに驚き危機感を抱き、社員の意識改善の必要性を強く感じるようになります。
その上、’70年以降、日本の高度経済成長も下火になり、「安かろう、悪かろう」の方針では駄目になるだけと痛感し、「品質第一こそ命」の体制を考案します。
そこで登場するのが、昭和57年『南海学園』の開校です。「会社に入ることは、即ち学校に入ることと同等である」という認識の下、技術向上の学びの場を実現します。そこでは、社員は常に現実の生産課題を通して成長し、「公」に目を向けることで無限のアイデアが生まれるとし、「企業とは?」「人間とは?」を問い続け研究し続けることに意味があります。そのような形で社内勉強会を定期的に実施し、社員の覇気を高め、技術習得の場をつくり出しています。
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’80年も後半になると、産業のグローバル化が急速に進み、企業間の統合的な物流システムが世界中に張り巡らされ、同等の品質の製品がどこにいても手に入るようになります。これは、資本力や技術力で勝てる時代が終焉したことを意味します
そこで、「コスト優先の考えでは勝てない」「徹底的にお客様の欠乏を掴んでそれに適合させたものづくりの重要性」を認識し、南海金属では「ものづくり世界一」をスローガンに掲げ、品質を進化させながら、世界のフィールドへと挑戦する企業へと変貌する取組みを模索するように動き出しています
そして、その実現のためのキーワードが、
なにげなくでやらない!」「どうせやるなら世界一を目指す」を合言葉にした「社員が主役」の会社づくりにあるとしています。これは、まさに時代を読んだ「私権収束から共認収束」への活力構造の転換を意識した組織再編を目指そうとしているということです。
以上のように、南海金属は常に確かな時代認識の下、それに適応するように企業を進化させてきました。そして今、次代に適応すべく社長や幹部社員で模索している様子がブログ等でも頻繁に読み取れます。南海金属の目指す「社員が主役」の会社づくりが、どういったカタチとなるのか、これからが本番です。
◆「社員が主役」の会社づくりとは何か?
類グループの認識から言えば。。。

「社員が主役」の会社づくりとは
疎外された労働を克服し、より人間的な労働を実現してゆく基盤を、意識生産の必然性の認識において獲得し、実践的に労働の解放をめざす新しい生産体を創ることにある
つまり、私たちは、何よりもまず、自らの生きる場を自らの手で築いてゆきたいと願う。そして新しい歴史時代を、自らの力の及ぶ地点まで実現してみたいと願う。だがそこで何よりも問われるのは、私たちが永い間奪われてきた、総体的な関係能力(組織能力)の獲得である。現実に、生産体の内部から権力体制を廃棄してゆくためには、技術者が自らの手で組織を管理し、経営などの活動を担い続けてゆかなければならない。ところがそこで求められているものこそ、意識生産に要求される関係能力の真髄なのである。技術力だけでなく組織能力をも獲得してゆく事、そのようにして狭い専門領域に閉ざされてきた自分自身を広大な類的対象に向けて開き出す事、そこにこそ意識生産者に委ねられた本来の人間労働の世界がある。今なお多くの技術者は、そのような活動に背を向けている。だが新しい時代は、既に始動している。その実現は、現代に生きる人間に与えられた、わけても意識生産者に委ねられた最大の課題ではないだろうか。
私たちは、以上の認識に基いて自主管理の原則を確立してきた。
すなわち、第一に<誰もが生産の主体となるために、技術活動と共に組織活動をも担い切る事>、
それを通じて第二に<誰もが組織の主体となるために、多様な関係能力を獲得してゆく事>、
それを前提として第三に<会社のあらゆる活動を、誰もが自由に提起し、決定し、担当してゆく事>、
これがその原則である。

以上の認識から、類グループでは「自主管理の原則」=「社員が主役の会社づくり」を実現してきました
つまり、この認識から言えば、南海金属の社内風土である、学び合う場、即ち「南海学園」の取組みこそが最大の社員の活力上昇の根幹になると予感せずにはいられません。
というのも「南海学園」としての学びの場があることで、社員全員の組織的視点を育て、自らの手で組織を管理し、経営などの活動を担う「社員が主人公」を体現化しやすい場であるからです。
実際に類グループでは、専門技術の枠を超えた社会全般について追求する社内勉強会として「なんでや劇場」「ネットサロン」「るいネット」をこれまで実現してきました。この実現が、社員全員に社会認識を培う土壌をつくり、より外圧に肉迫した観点を持たせ、組織的な視点で物事を考える素養を身に付け、現業に置いても確かな成果を出せる人材を輩出することに成功できたと実感しています。
よって、「南海学園」という場で社会的な認識を醸成できさえすれば、時代の変化に適応できる体制が生まれ、さらには「社員が主役」という組織に進化できる確信があります。
◆社会とは何か?
私たちは、いくつもの共認域が重なり交じり合う空間に生きており、私達自身がそれらの共認形成の当事者となっています。そして、そう認識するだけで、共認内容が変わりさえすれば、社会や集団そのものが変わっていくという単純な事実にも気が付きます
例えば、歴史的な事象も、全てその当時の外圧状況を受けて、その時代を生きた人々の意識が作用した結果生じた現象に過ぎません。また、それは次代を読むときも同様で、現在の外圧状況に対して、今を生きる人々の意識がどうなっているかを読むことで、これから起こり得る可能性が予測できることになります。
つまり、社会とは意識の集合物であり、社会に適応するには、現実の外圧と人々の意識構造を読み解くことでしか導き出せないのです。とすれば、「社員が主役」の実現を体現するには、社員が専門技術を超えて、社会的な視点を身に付け、人々の意識を掴む場が必要であると言っても過言ではないのです

 

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