2012年01月03日
2011年は私権社会の全ての歪みが噴出、2012年:大転換の時代へ向けて
2012年も3日目ですね みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
昨年を振り返ると、、、本当に本当に本当に大激動の1年でした。
世界中の国々で政治、経済、環境、産業等、大きな事件や変化が次々と起こりました。
同時にそれらを受けて、人々の意識も大きく動き出したように思えます。
これから何が起こるか見えない、何が起こってもおかしくないような状況の中で、大転換の予感を感じ取りつつ、新しい可能性を模索しはじめたのではないでしょうか。
今回は、昨年の動きを振り返りながら、2012年の方向性を考えていきたいと思います。
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■世界経済・国際社会
昨年は世界経済・国際社会も大激動の1年でした。
ヨーロッパではギリシャのデフォルト危機がEU全体に飛び火してユーロが暴落、イタリアやスペインの国債利回りもデフォルトの危険水準に達しました。リーマンショックに端を発する世界経済危機が国債問題として火を噴き、いよいよ、国債+通貨暴落→経済破局の最終局面を迎えています。
秩序の混乱も顕著です。ギリシャの暴動、北欧のテロ、イギリスやフランスでも経済格差や民族問題に端を発すると言われる暴動がこれまでになく頻発、社会秩序崩壊の兆候すら感じさせる現象でした。
アメリカ経済ではFRBが大量の国債を購入して資金投入するQE2が実施されたものの、国債発行が上限額に達しデフォルト危機に追い詰められました。ぎりぎりでデフォルトは回避しましたが、今後の世界経済は米国債≒ドル暴落(デフォルト)があるのか、あるとすれば、いつどのようなかたちになるのかが最大の焦点になるでしょう。
米国経済は後退したまま深刻度を深めており(産業不振、貧困、特に雇用の問題etc)、生き残りを賭けたTPPのゴリ押しにもつながっており、日米関係からも目が離せません。
中東では、アラブの春と呼ばれる大規模な反政府デモが勃発、チュニジア、エジプト、リビア、イエメンで政権が倒され、アルジェリア、サウジアラビア、ヨルダン、モロッコ、クウェートなどでも政権から大きな譲歩を引き出しました。他にも多くの中東諸国でデモやストライキが発生しています。
ロシアでも、下院選で与党統一ロシアが過半数を維持したものの得票率は過半数を割り大幅に議席を減らし、高い支持率を誇っていたプーチン政権に対して反政府デモが発生しました。
ところで、中東やロシアの動きは「民主化運動」といった枠組みで語られることが多いですが、それでは事の本質を完全に見誤ります。
これらの世界的な混乱の出発点は市場拡大の限界でしょう。無理やり市場を拡大するために、世界各国が国債を発行し市場に資金を投入してバブルを引き起こし、世界経済はバクチで何とか成長を維持する「投機経済(借金経済)」に移行しました。しかし投機経済も完全に行き詰まり、いつ破綻してもおかしくない、市場経済は末期症状にあえいでいます。
この末期症状の中で、金融勢力(金貸し)のアメリカ(ロックフェラー)とヨーロッパ(ロスチャイルド、欧州貴族)が生き残りをかけて熾烈な覇権闘争を始めた、そうした軋轢がアラブやロシアにおける反政府デモとして現れています。アラブの春はチュニジア、エジプトなどの親米独裁国家に対するヨーロッパ勢の攻勢から始まり、それに対抗してリビアやロシアなどの反米国家にアメリカ勢が反撃を加えている構図だろうと思われます。
今年は、この市場経済の破綻への流れが加速され、ますます混迷が深まり、二大金融勢力のどちらかが優位な状況を確保した時点で、破局=ドル米債暴落の幕が切って落とされる年になるかもしれません。
■東日本大震災
東日本大震災と福島原発事故は、日本人にとって忘れられない、そして世界にも大きな影響を及ぼす出来事でした。
予想だにしていなかったこれらの大災害は、人々の意識にも大きな、そして根底的な変化をもたらしました。
ひとつには、特権階級=学者や官僚やマスコミの無能さが露呈したこと。現実に大災害が起きているにも関わらず、自らの保身から情報を隠蔽、ことなかれ、責任逃れの発信を繰り返し、全く答えを出せないどころか、人災を拡大させてしまいました。
政治家も官僚も学者もマスコミも全く信用できない! 彼らの無能ぶりに呆れ果てた人々は、自分たちでがんばっていくしかない!自らが学び知恵を出し合い、これからどうしていくべきか、考えるようになったのです。
この震災・放射能汚染という本能を直撃するような外圧と特権階級への不信から、強い事実収束の潮流と当事者意識=社会統合期待が生起したのは間違いないでしょう。震災後、ツイッターの利用者が増えネットに事実を求める人が増加したこともその証拠です。
そして、原発の安全神話の崩壊からはじまり、近代科学への懐疑、そして近代的な精神性そのものへの懐疑が起こりつつあります。
近代科学がもたらした豊かな生活、あくなき消費欲求、利便性や快適性をどこまでも求め続けてきたことに疑問を持つようになりました。節約志向(もったいない、節電、断捨離、食抑)は、これまで肯定されてきた自我の抑制、本能の抑制の流れでしょう。また、人との繋がりの重要性=共認収束(共同体収束)、地球環境破壊への反省から自然の摂理への回帰など本源収束の潮流も顕れ出したのです。
この人々の意識の変化は、2012年には大きな共認収束の潮流となり、私権社会に代わる新たな社会=共認社会を作っていく基盤となっていくでしょう。
※参考
地震・原発を契機に人々の意識はどう変わるか?
【1】:原発問題の本質は特権階級の無能と暴走
【2】次々と明るみに出る特権階級の無能・暴走ぶり
【3】試験エリートの無能とえげつなさ
【4】特権階級の暴走は今後も続くか否か?(マスコミ支配との綱引き?)
【5】充足基調から実現思考へ
共認運動を後押しする震災後の意識変化
■産業・企業
産業・企業の分野においては、旧い体制の行き詰まりがますます深刻化すると同時に、今後の転換を予感させる新しい事例もいくつか見られました。
オリンパスや大王製紙の問題が世間を賑わせましたが、今年最も顕著に表れたのは「大企業の機能不全」ではないかと感じます。優良安定企業と言われた電力会社の醜態、自分たちの利益のみを主張して恥じない経団連、震災復興に存在感のない大手金融機関等々。
本来、企業は社会の器、こうした国難の時こそ、力ある企業が手を組んで立ち上がるべきだと思われますが、大企業はほとんどそろって自社利益のみを向いて守りに入っているように思われます。これも、市場経済、私権社会の末期症状と言えるかも知れません。
一方で今後の可能性を感じさせるような現象も見られてきています。
中小企業もより激しい淘汰圧力に晒されているわけですが、危機を予感しながらも、充足思考・実現思考で日々の仕事に取り組む、地に足をつけた経営者・企業も多く出始めているのです。その多くは、市場主義とは一線を画した生産基盤を有していること、そして社員の活力と共同体的つながりが強みになっています。
そうした逆境でも可能性を模索し続けている企業の経営者の言葉を一部紹介します。
わらび座 小島社長
80年代以来、わらび座は多様な人間像を描くことによって、人間のあり方に焦点を当てた。90年半ばから、わらび座は、特に人間同士のつながりと共生のテーマを打ち出した。共生とは、開かれたシステムにおいて、様々な異質的なものの積極的な共存を意味することである。また、この共生の考えは、価値観の強要や社会の同質化を方向づけるのではなく、異質的存在を認め合う上で新しい結合関係を目指すことを意味する。共生の主題は今後のわらび座の活動に多様な可能性を生み出す。
わらび座は興行収入の増加を芸能活動の最大の目的とせず、常に社会問題の解決に目を向けている。社会情勢の変化に応じながら、彼らは社会問題に対する自らの捉え方を模索してきた。
暴動とか、クーデターとか、テロとか、戦争とか、政変とかで、世の中を変えて行く「改革」はもう終わり、日本人は、「人心改革」で世の中を変えようとしているのだと思います。
仕事でもそうです。どのような商売にせよ、お客様の立場に立って、長く信用をいただける仕事をし続けることしかありません。私たちは、このような心のあり様が、何かを変えると信じています。そして、今の日本にこそ、この「心」が大切だと思います。
今後10年はかつて無い変動期に入る、と予測している。よって、柳月としては07年に店舗拡大を一旦停止し、それ以降はあらゆる事態を想定してリスク封鎖の手段を講じている。材料確保のルートから、人材配置、経営管理等のリスク管理には相当な力を入れている。様々な方向から情報が入るようにしており、かつ必要と有らば自ら足を運んで情報を取りに行くようにもしている。
また、社員には極力具体的な答えを提示するよう務めている。経営管理のシステムは社内LANを構築し、工場・店舗共に明確な数値目標を掲げながら、仕事における競争活力を生み出せるようにしている。その上で、自身の元に集まる情報の分析から、社員には具体的に危機対応を伝えている。日本人は全般的に危機意識が弱いため、経営者としてはより力を入れて取り組まなければならない仕事だと考えている。
尚、今後訪れる混乱期はかつて無い規模のものになるが、その中でも着実に生き残れる為の戦略を立てていく事こそが自身の仕事であると考えている。
これらの企業群は、明らかに旧来の市場における私権追求という目的意識とは異なる、新しい目的意識・活力源を模索しています。
今後、市場の崩壊が予想される中、こうした現在の社会状況・意識潮流を捉えて共認収束のベクトルで適応し続けている企業群には、次代の社会の中心となっていく期待を感じさせます。大企業がますます閉塞していく中、2012年はこのような企業群に更に注目です。
2011年は、近代社会=私権社会のゆがみが全てが噴出した年であったといえます。
近代思想の問題(自我を暴走させる民主主義、騙しの市場主義)、近代科学の問題、それらの価値観が崩れ去り、大きな転換が起ころうとしています。
2012年以降は、世界経済破綻や社会秩序の危機が訪れる可能性も高いですが、一方で世界の混迷は、私権時代の全ての価値観からの脱却と共認時代への可能性収束先を形成しつつあるようにも思えます。
私権原理から共認原理への転換が大きな潮流となり、私権に代わる新たな共認充足=活力を高めた集団が危機を乗り越えて登場してくる時代を期待しています。
またこうした新時代を導くためにも、民主主義や市場主義に代わる新理論の構築へと歩みを進めることも必要です。共認時代の新理論を生み出せるのは、現実の圧力を真正面から受け、生産活動を担う企業、集団、大衆しかないと思います。
今年もよろしくお願いします
- posted by iwaiy at : 13:31 | コメント (1件) | トラックバック (0)
コメント
「皆で成長できる強い組織作り」
素晴らしいですね!
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