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2012年07月17日

活力と一体感を生み出す類グループの社内ネット紹介8回~他部門からの投稿が進化のきっかけになる~

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類グループは、農業生産・販売を行う農業事業部の他、複数の事業を経営しています。
現在の市場社会では、生産性の低い農業事業などの一次産業を経営していくためには様々な工夫が必要となりますが、それを自部門だけで考えていると、目先の課題に追われてしまい、蛸壷化してしまうものです。
そして、それは、農業に限らず、どんな業種でも同じです。
今回は、社内ネットでの他部門からの投稿がきっかけになって、自部門では気づかなかった問題が発掘され、自部門の進化のきっかけになった事例を紹介します。
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●他部門からの投稿「何を目標に社内販売をしているの?」が発端に・・・ 
 
奈良と三重にある類グループの農業事業部では、生産した農産物を東京と大阪にあるグループの事業所の社員に販売する「社内販売」を定期的に行っています。
事の発端は、農業事業部が定期的に行っている社内販売に対して、他部門の女子メンバーからの提案でした。

闘争目標を共認することで、もっと充足が広がっていくはず!(東京女子より)
 今回の新茶販売会の実施にあたって、実は東京ではちょっともやもやを感じていました。
事前準備や段取りが行き当たりばったりな感じがして、正直実現イメージがあまり湧いてきませんでした。過去にも同じようなことがあり、投稿したり、対面で期待をかけたこともありましたが、毎回同じなのでもやもやが溜まっていました。
その件について東京女子でおしゃべりする中で、なぜ、段取りが行き当たりばったりになってしまうのか?なぜ、受け入れ側の東京女子がもやもやするのか?の理由がわかりました!!
それは、今回の社内販売における闘争目標が設定されておらず、何のために社内販売をするのか?の課題共認がされていないから!!闘争目標の設定と課題共認なしには、そもそも企画の中身も、事前準備や動きも詰まっていかないんです!!
例えば、農業事業部の経営成績を上げるために、今回の社内販売での闘争目標
・新茶の販売
・お米の定期顧客の獲得
・お中元商品の販売
になるのではないでしょうか?
そして、次に販売の対象となるのはどんな人たちなのか? 東京事務所の所員なのか?家族なのか?外部の人たちなのか? それによって、事前の案内を“いつまでに”“どうやって”お知らせしていくのか?という内容が詰まってきます。
目標・対象が設定されたら、具体的に
・新茶・お中元商品の目標販売数
・定期顧客の獲得数
という指標が設定できます。
そうすれば、対象に販売するために具体的にどんな企画が有効か?事前準備として何が必要か?という中身も詰まってきます。
 
・新茶の試飲&お米の試食&野菜の販売に絞り、お客さんとのやり取りや営業に力を入れた方がいいのでは?おにぎり&お味噌汁の販売はその場では皆に喜んでもらえますが、手間がかかる割りに顧客獲得には繋がっていないので。
・定期購入をしてもらうために、どんなお勧めトークをしていくのか?
という当日の中身はもちろん。
・家族がいる人はどれくらいいるのか?
・独身でも購入してくれそうなメンバーは(お弁当を作っている若手など)?
など、事前調査し、個別に営業をかけて成果を上げていくこともできます。
事前の調査であれば東京女子の方が動きやすいですし、協力していきます。
農園の人と会えて嬉しい、おしゃべりできて楽しいという対面の充足だけじゃもう物足りないんです!
農園⇔東京間で、闘争目標を共認し、準備を進めていくことで、成果もあがり、もっと充足できる社内販売になっていくはず♪と想い投稿させてもらいました。

そして、他部門から「そもそも高い交通費を使って何のために東京まで行くの?」といった指摘も社内ネットに入り、それをきっかけに、農業事業部内でも「社内販売をどうするか?」についての本格的な議論が社内ネットで始まったのです。
 
●「今後の社内販売どうする?」から「経営をどうする?」へと議論が進化。
 
ところが、社内販売は全体の事業の一部でしかなく、根本の課題は、農業事業部としての経営をどうする?という点であり、農業事業部からは、社内販売にとどまらず、「経営をどうする?」という模索投稿が社内ネットに入るようになりました。
農業事業部の中堅メンバーからの投稿です。

今後の社内販売どうする?:既存の市場の中で勝ってこそ世の中で必要と認められたことになる。(農業事業部・Nさん)
 今回の東京での社内販売をめぐる投稿を起点にあらためて考えてみると、根本のところで農業事業部内の認識の共有が、まだ、グラグラしている感じがします。
今、必要な認識は、「経営的に成り立って、初めて、世の中で必要な活動と認められたことになる。」ということです。
これまでの農園は、新しい農の可能性の追求、例えば、教育機能(自然体験教室)、直売、顔の見える信認関係(ex.社内販売、援農)、他業種の企業との連携、研修生受け入れ(担い手育成)などを行って来ましたが、根底には、
「農業は儲からない。だから、採算は悪くても新しい農業の価値を追求する。」
というような意識、はっきり言えば、現実否定発の敗北主義に根強く囚われて来たということです。
言わば、現実に背を向けて、
「俺達は、良いことをしているんだ。」
という思い上がりです。
それでは、ダメだという認識の共有をしっかりする必要があると思います。
社内ネットには、答えorヒントが散りばめられた投稿があるのに、その意識が無ければ、現状のように低調になるのは必然です。
「農は意識生産」という認識は、今まで、何度も言われて来たことですが、現時点で、市場の中で勝って行くにも、認識を使う=意識生産の能力は不可欠です。
また、具体的に、直売NWを広げて行くという課題においても、お客さんとの対面の関係は極一部or一時になりますから、その状況で、如何に、共認を形成して行くかが問われて来ます。正に、意識生産です。
以上の視点で捉えれば、
例えば、
社内販売:社内という枠を取っ払って、会社の近隣に場所を借りて直売会を開催し、一般の方も社員も呼び込んで、売り上げの上がるor定期購入客を新規に掴む活動にする。
自然体験教室:同じグループの教育事業部ではなく、一般の団体に売り込んでも採用されて、採算も成り立つ企画に昇華する。
研修生育成・インターン:新規就農者を育てる事業にする。経営者を育てる。(お金を頂いて育てる。)
援農:援農=農作業手伝いではなく、むしろ、営業や認識NWの面で、協働して行くことで、販売拡大につなげる。
こういう認識転換が無いと、採算向上も、目先の細かい効率化の域を出ません。
「類さんのような面白い農業と、儲かる農業の両立は、どうしたら実現できるのか?その先進事例になってください。」
「類さんのような面白い農業に取り組みたくて仕方ないが、現状は、生産で手一杯。早く、経営を安定させて、面白い取り組みをしたいんです。」
と以前に言われました。これを翻訳すれば、
「既存の市場の中でも勝てる社会的価値を実現する農業に取り組んで行くことが求められている。」ということではないでしょうか?
当面の社内販売の方針を考える上でも、以上のことも摺り合わせていきたいと思っています。

 
 一方、農業事業部の新人女子は、投稿しようかどうか思案していましたが、頼りにしている同僚から「もやもやしているなら、MさんやSさんとか必ず応えてくれる先輩が見てくれるから、社内ネットにそのことを投稿したほうがいい!」という後押しをもらって、次の投稿をしてくれました。

 「農園がどこへ進んでいくのか、わからなくてもやもやします。」(農業事業部・Kさん)

 
社内販売にしても、援農にしても、社内ネットの使い方にしても、奈良農園の意識は全社の方向とズレているのではないかなぁと、もやもやしたので投稿します。
○社内販売について社内板で評価されている投稿は、「安全な野菜はもっと需要があるのではないか」という提案や、農業の認識転換の必要性など、“社内販売”という枠組みを超えるものを農園に期待しています。
“もっといい場になるのに、やりきれていない”というのは大前提で、じゃあ【どうする?】【目的は?】をもっと具体的に考えなくてはいけないのかなぁと思います・・・。
ところが、奈良農園での話し合いでは【社内販売を何のためにするのか?】があいまいで、どの方向へ進めばいいのかわかりません。
 
○援農について社内ネットで評価されている投稿は、「援農=農作業手伝いではなく、むしろ、営業や認識NWの面で、協働して行くことで、販売拡大につなげる。」というもの。
近々、援農の企画がありますが、、、、企画の意図自体、農園メンバーにも本社メンバーにも伝わっておらず、方向性があっているのか、あっていないのか、わかりません
 
○社内ネットの使い方について↑援農の件もそうですが、何か意図があるのなら、発信して、それを全社にゆだねたらいいのになぁと思います。取引先や外部の人たちと接している、農業事業部を引っ張ってくれているMさんやKさんが、もっと発信してくれたら、農園メンバーも外圧がつかみやすくなるんじゃないかなぁとも思います。
今のままじゃ、農園がどこへ進んでいくのか、見えなくて、どうしていいのかわかりません。。。

それに反応してか、若手男子からも次々と社内ネットに投稿が入るようになりました。

社員のみんなが、農園のことをめっちゃ見てくれているのが伝わってきた。そういう期待に応えなきゃ!という思いが強くなってきた。(Sさん)

主体的に発信したり、行動することで、周りも巻き込める、周りも主体的にすることができると実感した。社内ネットだけじゃなくて、農作業をしていても主体的に動くことが、全体を活性化できる。(Kさん)

農園の出す方針が全社方針とずれている!佳作にならないどころか、おかしいとか不十分がよくつく。
でも、それは悪いことじゃなくて、ずれていることに気づけるっていうのがすごく貴重。発信して、全社方針とすり合わせて、農園の方針にしていくということをもっともっとしていきたい。(Oさん)

と農業事業部の若手のメンバーを中心に盛り上がってきたのです・・・・・
それに突き動かされるように中堅メンバーからも投稿がありましたが、まだ「答え」に至らず・・・・・・新たな展開のきっかけになったのは、はやり他部門から投稿でした。
次回は引き続き、他部門からの投稿が、社内ネットをさらなる追求の場に導いていった経過を報告します。

 

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