2013年02月04日
『社会人の知恵袋』シリーズ11~職場を「全てが包摂された場」に~
こんにちは 😀
『社会人の知恵袋』シリーズも第11回目、いよいよ最終回となりました。
今回の記事は、今どの企業にも求められる、仕事・職場での社員の充足⇒闘争活力に焦点を当ててお送りします
【職場の充足⇒闘争活力が勝敗を左右する時代】
’70年頃には豊かさを実現した日本では、年々物的欠乏が衰弱し、人々の私権(自分の地位や財産)への収束力も低下し続けてきました。
その結果、日々の仕事の活力源も、中心は私権の獲得から、共認充足(社内外問わず、相手の期待に応えて得られる充足)に移っている事は、多くの人が実感されているのではないでしょうか。
こうした状況の変化から、現在では職場でいかにして共認充足⇒闘争活力を生むかが、企業が力を発揮する前提として、企業間闘争の勝敗を左右する程の重要な課題になっています。
※もっと詳しく時代状況を認識して頂く為に、是非こちらもお読み下さい。
『実現論:序2.私権時代から共認時代への大転換』
『3/28なんでや劇場レポート(3) 今後10年間は充足⇒活力を上げれば勝てる』
そこで、今や大半の企業が、自覚的にであれ無意識にであれ、
工夫を凝らした朝礼
社員同士で互いのいい評価を伝え合うカード
誕生日会
など、職場での充足⇒闘争活力上昇のための取り組みを工夫しています。
しかし、個々の取り組みはある程度上手く行っても、十分な充足基盤の形成⇒闘争活力の上昇までは、なかなか実現できていないのが現状です。
では、なぜ上手くいかないのでしょうか
【カベは旧い価値観】
それは、誰もが心の奥底では仕事・職場で充足したいと想っているのに、頭は仕事・職場を充足と対極に置いた価値観に囚われたままだからです。
誰もが私権獲得に邁進していた時代の価値観では、仕事=「生活(私権獲得)の為に、上司や同僚に気を使いながら、仕方なく取組むもの」という否定視を多分に含んだものだった為、
労働時間(職場での苦役の時間)は最小限にする事が善、残業=悪。
職場は半ば強制的に闘争(生産)に注力させられる場所で、仕事以外の活動や私語は原則禁止。
というように、職場の規範も、労働基準法も、仕事に対する否定視を前提に作られています。
それが未だに残っている為、意識も私権時代に引きずられ、つい前述のような仕事観が当たり前だと思っているかもしれません。でも、考えてみれば、おかしな事だと思いませんか 。
例えば、小学校時代 を思い出してみると、主な課題は授業や学校行事でしたが、それ以上に休み時間の友達とのやり取りや、授業中のおしゃべりが楽しいから学校が好きだった人も多いと思います。
その中で友達との関係も深まり、いざという時には課題も一緒に頑張れたのではないでしょうか?
仲間との親和の充足も課題に取り組む闘争系の充足も、日常的に一体のものとしてあるから、活動の場も充足に溢れた場になるし、その充足を活力にしてより困難な課題にも仲間と一緒に向かっていけるのです。
しかし、おかしなことに、仕事場面となると大多数の人が、仕事の成果以外の充足の殆どを仕事の後の飲み会での発散、夫々のプライベートの充実など、職場以外の場や人間関係に依存しているのが現状です。
だから、ひとつふたつ取り組みを増やしたくらいでは、職場に十分な充足基盤は形成されていかないのです。
現在、大半の人が本当は仕事・職場で仲間と充足したいと考えています。仕事に対する否定意識や、それに基づいた体制・制度の職場、充足を求めてプライベートの充実に傾倒する現状は、実は本当に求めている事と逆行しているのです。
では、どうすればいいのでしょうか
【職場を「全てが包摂された場に」】
『実現論:序・旧版』より引用
全ての生き物は、闘争も生殖も全てを包摂した集団(=本書ではそれを本源集団と呼ぶ)の中で育まれ、進化してきた。人類も同じであって、人類五〇〇万年の歴史の99.9%は本源集団のもとにあり、過酷な闘争=生産の営為も、心を開き合う仲間との親和も、あるいは喜びを与え合う男女の和合も、それら全てが包摂された集団の中で人類に進化してきた。そこでは互いの性充足や親和充足を母胎として、皆で課題を共認し、規範を共認して(正確には、これらの共認に収束することによって)集団を統合し、他方、人類の命綱とも言うべきこれらの共認充足を破壊する性闘争や自我(エゴ)は、固く封印されてきた。
現代の私たちは、私権獲得に邁進し、市場を拡大してきた過程で、職場と家庭が分断され、更に学校、サークルと、活動毎に細分化した集団を選択して生活するようになりました。
その結果、場面毎に異なる人間関係と課題の中で、限定的な共認充足しか得られなくなっています。
しかし、先に述べたように、最大の活力源は私権獲得から共認充足に移っています。現在では誰もが、上記引用のように、仲間とあらゆる充足を共にし、それを活力源に困難な課題も突破していける、本来の集団のありようを求め始めているのです。
このことを踏まえて、改めて冒頭の事例の他、近年各企業が取組んでいる、
寮制度の復活
社内保育制度
社員食堂の充実
職場にバーを作り、職場での仲間との充足を深める工夫
社内サークルの活発化
といった、職場の充足を深める為の取り組みを見てみると、実はどれも、職場を本来の「全てが包摂された共同体集団」に再生していく軸上にある事が分かります。
まずは、これまでの仕事観に囚われず、職場での充足のやり取り、取り組みをこれまで以上に増やし、根付かせていく事が、職場に充足基盤を形成し、闘争活力を生み出す足がかりになります。
ただし、当然、闘争課題を削る訳にはいきません。そこで、これまで以上に新たな活動を増やそうとすると、「時間の制約」が存外大きなカベになります。
既存の「就業時間」の枠組みを前提に考えると限界がありますが、これも、旧い価値観に縛られた「職場にいる時間=仕事だけをする拘束時間」という思い込みさえ取り払えば解決できます。充足できているのであれば、必要なだけ職場で過ごせば良いのです。
仕事の合間に充足の機会が増えると、職場の仲間とのやり取りが増えます。それが互いの状況や想いを良く知ることにも、何でも言い合える関係にも繋がり、仕事の場面のやりとりも、これまで以上に楽しく、スムーズになって成果も上がっていきます。
また、もう一歩進んで、職場の近くに皆が集まって暮す体制をとれば、更に時間を自在に使えるようになります。
特に都市部では多くの人が往復2時間程度を通勤に費やしていますが、歩いて通勤できる範囲に皆が住んでいれば、その時間を新たな活動に当てられますし、帰宅時間の制約もなくなります。
こうして時間のカベを越えられれば、職場に充足基盤を形成する活動を更に増やす事も、個々の仕事の分担を超え、皆で経営を話し合う事も、これまで社外に求めていた充足や生活の全般を仲間と共にする事も、やろうと思えばいくらでも実現し、闘争活力を高める事ができます。
つまり、これまで述べてきたように、人々の意識が大きく変化した現在は、既存の価値観に囚われず、企業を全てが包摂された共同体に変えていけばいくほど、充足⇒闘争活力上昇を実現し、自在に強い集団を作っていけるという事です
さらに言えば、これからの時代は、企業の共同体化を実現し、充足⇒闘争活力を高めていける企業だけが生き残っていけるのです
シリーズのこれまでの記事はこちら
『社会人の知恵袋』シリーズ1~就活を始める学生へ~
『社会人の知恵袋』シリーズ2~選考を受けてから内定まで~
『社会人の知恵袋』シリーズ3~内定後から入社を決めるまで~
『社会人の知恵袋』シリーズ4~入社を決めてから実際に入社するまで~
『社会人の知恵袋』シリーズ5~入社してから一ヶ月間~
『社会人の知恵袋』シリーズ6~一ヶ月間から年末~
『社会人の知恵袋』シリーズ7~入社1年目の年末~3月~
『社会人の知恵袋』シリーズ8~入社2年目~
『社会人の知恵袋』 シリーズ9~入社3年目~
『社会人の知恵袋』 シリーズ番外編~お局さまにならない方法☆~
『社会人の知恵袋』シリーズ番外編~上司と部下のすれ違い!・・・どうすれば埋まっていくのか?~
『社会人の知恵袋』シリーズ番外編~共同生活のススメ~
紹介記事は、主に「るいネット」から引用しています。
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- posted by willow at : 9:00 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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