2013年06月28日
『類グループ岡田社長に学ぶ』シリーズ1.競合他社分析の事例
類グループ岡田社長は、日々、小さなものから大きな課題まで、現実の問題に対して新理論を駆使して答えをだし、社員に発信しています。そして、その方法は、すべて共同体の経営には不可欠な共認原理に則り実践されています。
この、岡田社長が日々の仕事のなかで
新理論を駆使して現実課題の答えを出すこと
それらがすべて共認原理に則り実践されていること
こそ、『学び』に最良の題材ではないでしょうか?
さて、共同体経営を学ぶには、共同体を経営している岡田社長に学ぶのが一番 ということで始まったこのシリーズ
少しでもリアルにお伝えできるように頑張りますので、よろしくお願いします
それではさっそく、第一回は、弊社の教育事業部(類塾)で、競合塾に関するある情報が報告されてから、その現象の背後にある競合塾の戦略が明らかになるまでの、社内板での流れをご紹介したいと思います
『類グループ岡田社長に学ぶ』シリーズ1.競合他社分析の事例です
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◆各部門から続々と上がってくる情報
最初は、競合塾Kと競合塾S、一見関係のない2つの塾の情報が上がったことから始まります。
競合塾K△△教室に移転?
>競合塾K○○教室 閉鎖間近?
を確認するために、競合塾K○○教室に電話調査してみました。
塾を考えていると話すと、
「おそらく△△校に通っていただくことになると思いますが・・」
という言葉が出てきました。「HPには載ってませんよね?」「今の教室とは違うのですか?」と聞くと、詳しい話は担当から電話をさせていただくとのことでした。
とりあえず、まだ○○教室は閉鎖しておらず、△△教室へ移転することを考えているのではないかと思われます。
競合塾S分裂か
競合塾Sのホームページから、1月には存在した10教室が消えています。
消えているのは、小中学部の6教室、および高校部の4教室です。ホームページでは、1月当初から“「競合塾S」は、平成21年2月1日より「Sゼミ」と塾名変更いたします。”と書かれていました。
※ちなみに、競合塾Kの情報は営業管理担当から、競合塾Sの情報は広報担当から発信があり、このように色んな部門からの色んな視点での発信が積み重なるところが、社内ネットの強みでもあります
この発信を受け、みんなの情報キャッチのアンテナが高まります。
競合塾S△△教室は現在も営業中。ただし、個人経営に変わった!?
競合塾Sは、最近チラシも入っていません。でも普通に営業しているようです。講師「競合塾S△△教室ってまだ普通に開いてる?」
生徒「やってるよ~。でもどんどん辞めてってるわ~。ちなみに競合塾Sは先生が一家でやってるで~」ということで、夫婦で講師をやっているようです。
元の会社から離れて個人経営に変更している可能性有り!?
競合塾S△△教室に行ってみました。
全体的に雰囲気は悪くないのですが、資料がワードで簡単に作った資料のみ。
受付の女性は忙しそうでしたが、説明をしてくれた男性は落ち着いた対応でした。資料には全て、「株式会社G」と入っています。
そして、転塾してきた生徒がポロッともらした一言に、気になる情報が!
競合塾K“経営が変わる?競合塾Sと合併の可能性?”
本日の入塾テストを受けた中3♂から面談で気になる発言がありました。
講師 「今、塾に行っている人はいますか?」
中3♂「行ってるけど、あと1週間で辞める。」
講師 「それはなんで?」
中3♂「経営が変わるとかなんとかで。」受験者調査票には、転塾のきっかけとして「いろいろとあぶなくなったから」と書かれていました。
競合塾Kが移転すると言っている住所と、競合塾Sの所在地は重なります。
また、競合塾Kの移転先は春から開講しているそうですが、競合塾Sも今春に開講です。まだまだ情報が少ないですが、競合塾K○○校だけか、あるいは競合塾K自体が競合塾Sに合併吸収されるのでは???と思いました。
競合塾Kと競合塾Sが合併?!
競合塾Kは、手段を選ばないことで有名な塾。競合塾Sは、かつて地域最大在数を誇った進学塾。
危機感が高まります
◆『そのとき、社長は何を発信したのか』
競合塾Sの現状
社内板での報告を受けてさらに調査したところ、以下のことが判明しました。
①競合塾Sは、すでに身売りが行われています。身売り先は、「株式会社G」という会社で、○月○日にすでに変更登記が行われています。
②「Gグループ」は、保育所から始まって、英会話、陶芸教室等のフランチャイズ経営という形で業容を拡大してきた会社です。Gグループ全体では資本金1億3000万、従業員数250人を数えます。
③パンフレットは白黒印刷(社内プリンター)で、2年間、新聞折込チラシを出している気配がありません。つまり、いかにも個人塾的な体裁です。かつ、名称が「競合塾S○○塾」へと変っており、これも個人経営の可能性を伺わせます。
④最も新しいと思われる資料からは、△△教室の名前が消えています。従って、この地域の反応が好調なことも考え合わせると、今春から教室を閉鎖する可能性があります。
以上より、新会社の意向として二つの可能性が考えられます。
親会社(Gグループ)の性格も考え合わせれば、各教室はフランチャイズ制の個人経営に転換した可能性があります。
チラシを発行していないことからみて、買収は戦略的なものであるが、本部からは積極的な宣伝活動や営業活動はしない。一般のフランチャイズ制の経営は、通常時は本部はチラシなどは撒かず、フランチャイジーが資金を出し合ってチラシ等を発行する方式である。つまりあくまでフランチャイジーの自助努力という方式である。
もう一つは、新オーナーが旧オーナーの知り合いなどのケースで、経営には行き詰まったが、現状生徒を抱えているのですぐに閉鎖するわけにも行かず、つなぎとして一時的に経営を預かっている(ただし講師たちには流出を防ぐ目的などから閉鎖の予定は伝えていない)。
いずれにせよ、当面の間は、もはや大手塾としての活動を行える状態ではないことは確かなようです。(ただし、今後本部が機を見て本格的なテコ入れを行う可能性もあるので、今後もなお注視は必要です。)
各教室はさらに積極的に情報を収集し、追加の情報があれば報告してください。
社内ネットの流れは以上です。(この後、みんながそれを踏まえて営業方針を立てていくのですが、それは省略します)
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◆学びポイント①「外圧キャッチは、所員全員の役割」
さて、それでは、今回の「競合他社分析の事例」での学びポイントはどこでしょうか。
今回の一連の流れは、各所員のあちこちから競合塾情報が上がってきたことから始まっています。
実はそれは、類グループでは、競合調査は、特定の部門が担うのではなく、末端の各営業所や各スタッフが担うことになっているからなんです
しかし、一般的に、専門領域以外の課題には腰が重くなったり、目の前の課題に追われて捨象されてしまったりする中、岡田社長は、どうやってそのような組織(所員の意識)を作っていったのか
岡田社長は、単に「ヤレ!」と言うだけでなく、それを義務化するのでもなく、全社員に、以下のような認識を発信しています。
「勝とうと思えば、無数の危機→無限の課題が出てくる(見えてくる)。
その無限大の課題を限られた時間の中で何としてでも処理しようと、段取りを組む。
従って、段取りが組めない(段取りを組まない)のは、勝つ気がないということだ。」「だからまず、段取りを組む(組めるようになる)ためには、毎日最低でも1つは危機を掴み、発信すること。
そして、たまってゆく危機→課題をどう処理するかに頭を使う。
その中で、危機キャッチ力→段取り能力が身についてゆく。」
置かれた環境を貫く闘争圧力が、(個体を構成する各機能であれ、あるいは集団を構成する各個体であれ)最末端まで貫通した圧力として働いているからこそ、その圧力に適応する最先端機能へと(各機能や各個体が)収束し、全体が統合されるのであって、この圧力がなければ、最先端機能も統合機能として働かない。また、最末端まで貫通した圧力の存在を捨象して、統合機能の真の姿が見える訳もない。
つまり岡田社長は、能力上昇のためには、外圧(危機や変化)を自らキャッチし、それに対して「どうする?」と頭を使い続けることが重要であり、同時に、外圧が末端まで貫通してはじめて、集団を統合することが出来るということを、事実認識を使って、社員に伝えているのです。
だから類グループでは、「外圧キャッチは、所員全員の役割」というのがプラス規範として浸透しています
◆学びポイント②「膨大な情報を整理する、概念装置の必要性」
しかし、断片情報だけがいくつ集まっても、現実を正確に捉えることは出来ません。
ましてや、その現象の背後にある、相手の意図や戦略を読み取るのは、容易ではありません。
そして怖いのは、情報量が膨大になると、統合機能がマヒし思考停止していくということ。
それは、闘争集団にとって致命的です
膨大な量の観念情報の収集で、統合機能がマヒしてしまう状態を避けるためには、観念情報を瞬時に整理して納められるような整理箱≒観念の系統樹=概念装置を脳内に構築する以外にない。
そのような概念装置となり得るのは、徹底した事実の体系である。おそらく、歴史的に塗り重ねられてきた人類の意識の実現構造や社会の実現構造を体系化した史的実現論が、最もそれに近いと考えられる。この概念装置さえ脳内にセットできれば、大半の情報は整理箱に納められ(あるいは捨象され)、納まらない情報のみが系統樹に統合し直すための追求の対象となる。そして、追求の結果、系統樹が修正される=組み立て直される。
そしてそんな時、状況をより的確に捉え、より深く相手の戦略に同化し、それらを構造化して、皆が向かうべき方向性・考えるべき課題を指し示してくれるのが、先ほどのような社長の投稿です。
つまり岡田社長は、「この概念装置さえ脳内にセットできれば、大半の情報は整理箱に納められ(あるいは捨象され)、納まらない情報のみが系統樹に統合し直すための追求の対象となる」ことの実証例(お手本)を、常に社員に見せているのです。
だから類グループの社員は、「概念装置がいかに現実の役に立つか」「認識力の差が勝敗を分ける」ということを、可能性と危機感を持って受け止めているのです
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今回の件を通じて岡田社長が伝えてくれたのは、
①「外圧キャッチは、所員全員の役割」
②「膨大な情報を整理する、概念装置の必要性」
でした。
この規範が浸透すれば、もっともっと強い会社 になれそうですよね
いつもいつも、こうやってみんなを導いてくれる岡田社長に感謝です
- posted by staff at : 18:25 | コメント (コメントは受け付けていません) | トラックバック (0)