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2013年10月13日

「大転換期を生き抜く」2-2 資源戦争その2~『水』を守る~

前回は、現代社会を支える最重要資源としての石油に纏わる事実認識をご紹介しましたが、実は石油以上に高額な取引材料となっている商品があります。
 
そう、今回のテーマである『水』です。
 
今やコンビニで当り前のように売られているペットボトルの水は、一本辺り100~150円/500mlです。ガソリンはリッター辺り140~160円くらいですから、およそ2倍の値段で売られているのです 。ガソリンもペットボトルも元は石油から作られているので、容器に入っている分水が高くてもしょうが無いか。といったレベルでは無く、実は今世界的に水を求めて水面下での闘いが既に火蓋を切っています。
 
いやいや、日本は水が豊富な国だから心配ない、と思いたい所ですが、どうやらそれも甘い認識に過ぎない、というくらいの危機感を持って事実探索にあたる必要があります。

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まずは水に纏わる基本的な構造から抑えていきます。
 
■水は生命体の骨格を成す
鉱物によって構造化された水(構造水)こそが、生命誕生に不可欠な環境条件だった!
 

地球上に水が存在したことが、生物誕生の基礎条件であり、かつ多様性を育む環境をもたらした。上陸後の生命も、体内に水を保持する事で生命活動を維持しており、水無しには生きられない。つまり、水は全ての生命の母胎である。
 
・地球上の水は固体(氷)、液体(水)、気体(水蒸気)の3つに姿を変えながら絶えず循環し続けており、総量はほぼ変わらない。人類はその水循環の一部を生活用水、工業用水、農業用水として活用させて貰っている。

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■地球上の水資源量

・海水+淡水の合計:約14億km3(海水13.5億km3 97.5%:淡水0.35 km3 2.5%)
 
・淡水中の1.7%は氷河や氷山、利用可能な水はわずか0.11 億km3 0.8%
 
・0.8%の殆どが地下水、河川、湖沼などの水量はわずか0.001 億km3 0.01%
 
・さらに0.01%の水の内、安全な飲料水は0.001%

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■日本の水道水を巡る悪循環

・日本の水道は、43%が河川水、30%がダム、18%が大きな井戸、8%が伏流水、1%が湖水を水源としている。
 
・年々悪化する雨の酸性化。世界各地、そして日本全土で酸性雨が降っている。酸性雨の原因は、石油炭素系の燃焼による排ガス。化学燃料の消費増大、さらにモータリゼーションの普及。さらに国境を超えて、急速な工業化の進む中国大陸から偏西風に乗って運ばれてくる大気中の硫黄酸化物が、雨に解けて降る。汚染のグローバル化。
  
・家庭排水の中でも、石油由来の合成洗剤が水質汚染をより悪化させる。現在、合成洗剤は90%の家庭で使われているといわれている。問題はその泡で、自然界で分解されにくいため下水処理に難題あり。
 
・都市部への人口集中により水質汚濁が進行し、塩素注入量が増加。そして水中の塩素と有機物が反応してできる有機ハロゲン化合物の発がん物質トリハロメタンが生成されてしまう。このトリハロメタンを取り除く為に、さらに活性炭やオゾン処理などの高度処理を付加して、前駆物質となる有機物除去技術や、塩素処理の代わりにオゾン、二酸化塩素、クロラミンなどの代替消毒剤を開発、検討している。結果として水道水は不味くなり、ボトルウォーターが広く普及。添加物と工業化製品の加速により、益々水を汚すという悪循環。「酸素のない死んだ水」いわゆる人工水が巷に氾濫し、水道水を飲んでいるのは国民の約1割以下とも。

 
■水を巡る争い

・ヨルダン川:イスラエル、ヨルダン、レバノンの争い(紛争が収まった試しがない)
 
・ナイル川:エジプト、スーダン、エチオピア、ソマリアの武力衝突
 
・チグリス・ユーフラテス川はトルコ、シリア、イラクの争い
 
・インダス川:インドとパキスタンのカシミール領有権+水源を巡る紛争
 
・メコン川:中国とメコン川委員会の争い
 
※20世紀の武力紛争で水を巡る対立が7例、うち4例が実際に戦闘に突入。ライバル「rival」の語源はリバー「river」。人類の最初の争いは水の争奪から始まったとも言われている。

 
■世界的な水不足

・上水道、井戸などの安全な飲料水を利用できない人口が11億人
 
・その9割以上がアジアとアフリカの人々
 
・アメリカの一大穀倉地帯コーン・ベルト(灌漑農業)の水源である世界最大級の地下水脈、オガララ水脈は1993年からほぼ毎年水位が下がり、トータルで3.5mも低下。
 
・中国の黄河は河口まで水が流れない。少ない降雨量の中で、人口密集のために水資源を過剰利用し続けた結果。事態解消のため、「南水北調」という、総予算7兆円とも推定される巨大プロジェクトが進行中。海河、黄河、准河、長江の4大河川を連結し、長江の豊富な水をその他の河川に流し込み、北部地域の家庭用飲料水を確保する計画。水量だけでなく汚染も深刻で、今の速度で都市化が進めば、既に国家危機レベルと認識すべき状況。

 
■日本は水の輸入国

・日本の降雨量は世界平均の約2倍、過去30年間の平均1,718㎜。ただし人口も多いので、1人当たりにすると約3,200トンで、世界平均約8,600トンの半分以下。さらに人口過多の中国は2,000トン程度。
 
・日本は国土が狭い為、降った雨もすぐに海へ流れでてしまう。ダムを設けることで貯水量の調整を行っているが、一人当たりの貯水量は73m3しかない。ロシア5455m3、アメリカ3384m3、ブラジル3336m3、中国392m3、インド189m3、フランス186m3、イタリア116m3よりも少ない。地形的にダムを増やすだけではさほど効果は無い。
 
・日本の食料自給率を支えている灌漑用水は年間約570億トン、そして、海外から食料に付随して入ってくる水の量(バーチャルウォーター)が約640億トン。生活を支えている国内水は実は58%で、海外からの42%のサポートによって成り立っている。
 
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・単純計算で食料自給率を10%上げる為には、140億トンの水が必要。保有水量が約2億トンの日本最大の黒四ダム(黒部ダム)があと70基 必要。あるいは保有水量約1億トンの富士山が140個 必要になる。

 
■食品別の水使用料(FAO(国際連合食糧農業機関)算出)

・ハンバーガー一個2,400リットル、牛丼2,000リットル(風呂の水10杯分)
 
・ざるそば700リットル、味噌汁20リットル!
 
日本食は水効率が高い!

 
■ウォータービジネスも金貸し支配化にある

ロスチャ系欧州企業:世界のビッグ3を独占。ボトルウォーターに始まり、生活の根幹を成す上下水道利権をも貪る。最大利権はスエズにあり。ヴィヴェンディ、スエズ(ともに本社フランス)などは、それぞれ売り上げ1兆数千億円規模。ヴィヴェンディはこれまで上海(上水道)、成都(浄水場)、仁川(下水処理)、ベルリン(上下水道)、プラハ(上下水道)など世界中で事業を展開している。もう一社がスイスに本部を置くネスレ。ヴィッテル、コントレックスなどで知られるブランドで、世界80か国以上に水源を持っており、地域住民との争いが絶えない。急激な地下水の組み上げによる地盤沈下なども発生している。
 
・スエズは、世界中の水資源を支配下に置く戦略を取っている「水独占企業」。この企業の正体は、かつて、世界中を植民地支配し、有色人種を奴隷として酷使し、数億の有色人種を大量虐殺した東インド会社であり、現在、「犯罪の前科を隠すため改名」している。
 
・かつては、人間を「直接、奴隷とする」事で、植民地として世界帝国を建設しようとしたスエズ=東インド会社が、「人間を直接、奴隷支配する事は人権侵害である」と非難を受ける現代において、人間に必要不可欠な水、食糧、エネルギーを支配する事で、「奴隷のように黙って働かない人間には水、食糧、エネルギーを与えない、という形での人間の奴隷支配」を実現しようとしている。これは現代的な「新しい形での奴隷支配」であり、新しい「植民地支配」である。
 
ヨーロッパのロスチャ支配に対し、インド・アジア、そして日本にまで触手を伸ばしているのが、ロック系モンサント×ベクテルのコングロマリットによる水、食糧の独占支配。モンサントの狙いは、種子からエネルギー産業、さらに水ビジネスへと進化し、人類の命運を握ろうとしている。
 
・同社のウォーター・ビジネスは1996年から。世界中のバイオテクノロジー企業を次々と買収。1999年からは世界の水支配に本格着手。モンサントが掲げたスローガンは「我が社は世界の人々に食糧と健康、そして希望を届ける」というもの(水や食料は自然によって与えられるものであって、誰もモンサントになど頼んでいない)。インドの地元企業とジョイント・ベンチャーを組み、安全な水を供給するビジネスに参入し、瞬く間にインド国内のウォーター・ビジネスを独占コントロール。
 
・他のアジア諸国にも触手を伸ばし、周辺国における漁業や養殖業にも参入。
 
・世界銀行を通じて、上下水道民営化と水利権の売買資金の提供ルートを構築。世銀傘下の国債金融公社8(IFC)を通じて発展途上国における農漁業、水ビジネスへの積極的な融資を引き出し、受け皿を次々に独占して行くビジネスモデルを確立。
 
・さらにベクテル社との協働による水利権支配も進む。国連におけるボリビアの水源地等の保護を目的とした援助事業でNGOなどを通じて日本などに巨額の資金援助を行わせた後に、ベクテルは、そのインフラ整備を利用しつつ、民営化に際してすべての利権を奪い取って行く。
 
・金貸しの資源買い占めは日本にまで及ぶ。北海道や八ヶ岳周辺や四国剣山周辺などが買い占められているとの情報が寄せられている。西日本の山岳地帯は、すでに、かなり広範囲に買い占めが進んでいるとの話がある。林業が衰退し使い道の見えない土地を言葉巧みに騙しとっていくのだ。

 
今日本では、福島原発事故による地下水・海水汚染の状況ですら不透明な状況に置かれている。いくら科学文明が発達しようとも、自然の循環によって浄化される水量を超えて生きる事は出来無い。効率や利権で片付く問題では無いことは、誰の目にも明らかであろう。
 
地球全体の水の総量が一定であったとしても、生命を支える媒体として巡ってくる水はほんの一瞬にすぎない。それをビジネスのネタとし独占支配を推し進める発想がいかに狂ったものであるか。
 
水をめぐる問題の深刻さを押さえた上で、改めてこの水問題に対する解決策、持続的な循環系を維持する仕組みを学び、水に纏わる認識を改めていく必要があります。
 
■ここまでの参考投稿インデックス
水問題の概要と、サイト内インデックス(1)
水問題の概要と、サイト内インデックス(2)
水資源資料
世界と日本の水問題
水の浄化を考える
世界最大の「水輸入大国」日本が巻き込まれる「水戦争の世紀」
ヨーロッパのエネルギーを支配するロスチャイルド
モンサントとベクテル社。
 
さて、水に纏わる問題点を列挙してきましたが、改めて水の持続的な循環を取り戻すために必要な事は何か?具体事例の調査を行いました。
 
■水の浄化を考える

まずは最も身近なとろこから。基本は微生物の力を借りた水質浄化。
石井式浄化槽
ヤクルトの容器が大活躍
誰もがご存知のヤクルトの空容器を活用して、多様な微生物の生息域を作ってあげることで抜群の水質浄化の効果が得られる事がわかっています。
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空容器の複雑な形によって汚水の流れや空気の流れが多様に変化し、容器の内外で水中酸素の濃度に濃い部分と薄い部分ができ、好気性細菌、嫌気性細菌の両方が生息可能になる。また、容器の材質がきわめて安定的なポリスチレンでできている為、汚水の中でも劣化することなく、半永久的に使用できるのです。発明者の石井氏のご自宅では、この浄化槽が20年間メンテナンスフリーで維持されているとの事。
 
驚く事にこの合併浄化槽は、水の汚れの99%も除去することができ、建設省による浄化槽の処理後の水質基準値BOD 20 ppm以下をはるかに下回る、BOD 2 ppm以下に浄化することができます。2 ppmとは、鮎などの魚がすめる数値です。
 
・複合発酵バイオエナジー水 あうんユニット
こちらも同様に微生物の複合発光の仕組みを利用した、家庭向けの汚水浄化システム。浄化した水を家庭菜園に活用する事によって、水の浄化だけでなく食物連鎖の循環も作り出そうという発想。微生物活性が安定すれば、こちらもほぼメンテフリーで、かつ無農薬で元気な野菜も育つ仕組み。今後、導入事例が増えていく事が楽しみです。
 
その他参考:微生物循環型農法など

 
■水を守るネットワーク【水守】制度

「くまもと水守」制度とは?
熊本には水や水文化を守ったり、水の魅力をPRする方々がたくさんいらっしゃいます。こうした人材を “くまもと水守”の愛称で市が登録し、人材育成や情報提供を行う新たな制度がスタートします。
この制度では、「水を守る」「水を生かす」人材や活動を掘り起こし、情報を収集・提供し、また異業種・異分野の水守同士の交流を促し、活動の輪を広げていきます。
 
この水守になるには、市への登録申請が必要なだけで、会費等も無し。水に対する啓蒙と、同じ意識の人々を繋げるネットワーク作りを主眼とした取り組み。自治体の枠を超えて、全国ネットの展開を意図されている辺りが素晴らしい事例です。自主参加で、参加者自身が自ら考え、行動していく事を促す仕組みとして注目です。

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■水の浄化とフリーエネルギー

水の浄化技術を探索している中で、思わぬ新技術に行き当たりました。
【日本の技術】水から生まれた新燃料:動画リンク
日本テクノ株式会社:水素・酸素混合ガス発生装置
 
大田区の中小企業で開発された、水の特殊な電気分解技術によってガスを取り出す技術。安定保存可能で安全性も高く、何よりも燃焼後はまた水に戻るという、環境を汚さない画期的な技術です。まだ未解明な部分も残されているようですが、元素転換の可能性をも秘めた、循環型エネルギーとして期待の持てる技術だと思われます。このような本当に優れた技術ほど、資本が投下されず水面下で地味な研究が行われていたりします。しかし、次世代の新エネルギーは資本主義とは切り離された本質追求の中にこそ、見出せる物であろうと思います。
 
その他にも、水そのものの性質を高める技術などもあるようです。
 
テネモス国際環境研究会
自然から学び、自然のメカニズムを理解し、現在の学問や常識では説明できない事象を具現化、実践されている法人です。水、土壌、大気の浄化、フリーエネルギーの開発、無農薬農法の実践と指導などに取り組まれています。
実際に開発されたシステムの動画を見ると、驚きの連続!小さな自主活動の取り組みですが、現在の近代科学技術では再現できないような事も、自然の摂理に学び、自然の力を借りる事で可能となる事が、まだまだ沢山ある事に気付かせて貰えます。現代人の固定観念は、全て捨ててしまったほうが良さそうです。

 
■水を巡る水面下の闘い(法整備)

水資源保護 議連、近く法案提出へ
外資(特に中国)による日本国内の森林及び水源地買収が相次いでおり、平成17年以前に5件20ヘクタールの森林、18年から24年までも含めると68件、計801ヘクタール(東京ドーム約170個分)の買収が判明(林野庁調べ)。自治体の訴えにより、ようやく超党派の議連が動き出し、「水循環基本法案」を近く国会に提出する方針。WTOの圧力、そして今後はTPPなどによる開放策が取られるだけに、命の源を確保する為の法整備は必須課題。目先の景気浮揚政策などよりも、よっぽど深刻で重要な課題だ。

 
■まとめ
水に纏わる「大転換期」を追求してきましたが、「蛇口をひねれば水が出る」という生活に慣れ親しんでいる状況により、完全に危機感が欠落している、という感覚が今回一番の気付きとなりました。今のまま市場原理に乗って快美性ばかりを追求していたら、地球上の全生命の寿命を縮めるだけ、という結果が待ち受けています。むしろ、この認識が決して大袈裟なものでは無い、という事が良く解りました。そして光明として見えてきた水の浄化に向けての取り組みは、殆どが自発的・自主的な取り組みによって実践されている、という辺りもポイントです。
危機感を感じ取った人々が、自給期待に応えて活動を起こしているのです。素人の創造こそが、現実を支える鑑となる。
これらの実践事例に学び、また真似する事によって、自分たちの生きる星(地球)を取り巻く循環系に親しんでいきたいですね。
石油にしても、水・食糧にしても、一番必要なのは私達自身の認識転換にかかっていると言えそうです。

 

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