2013年10月22日
「大転換期を生き抜く」シリーズ第二章 『技術革新・新エネルギー需要』 2-3.資源戦争 その3『食糧』-前編-
br
こんにちは☆
「大転換期を生き抜く」シリーズ第二章では、これまで『石油』,『水』と扱ってきましたが、今回は『食糧』について扱いたいと思います 😮
日常私たちが口にする多くの食品は、世界からの輸入に依存している状況です
みなさんもよく耳にしていると思いますが、日本の食料自給率はカロリーベースで40%前後とその低さが問題視されていますね
>太古より生存上一番重要な食糧を他集団に依存する集団はなく、自集団内での自給自足が大前提だった(GRAND THEORY VOL.9 農から始まる日本の再生より)
とあるように、自分たちの食糧を自分たちで生産できないということは、とても危険なことですし、他の国や集団に依存している状態には違和感を抱きます
本来、国や集団にとって「食」とはどういうものなのでしょうか
集団内で自給することが当たり前のものなのではないでしょうか
はたして、現在から未来にかけてその自給体制は可能なのでしょうか
それらを考えていきたいと思います:o
■まずは、日本の食の現状を見ていきたいと思います
日本の食料自給率はカロリーベースで約39%(農林水産省)ですが、同時に食物の廃棄量も40%近くあるそうです(農林水産省食品流通局消費生活課):cry:
これらを計算し、さらに現代のカロリー過多分を差し引くと、少なくとも70~80%は自給でもやっていける計算になるようです 🙄 (参考:バイオマスで生きた江戸時代)
だけど、食糧自給率80%ですら自国だけじゃ生きていけないってことですよね。
昔は“自分たちの食べるものは自分たちで作ってきた”のに今はできてないのはどうしてなのでしょうか
まずは日本の食歴の変化を見ていきたいと思います
◆文明開化による食料危機(“肉食”の開放)
日本の食文化はその島国という特質から、どの時代も船によってもたらされ、それを吸収し独自の食文化にしてきた歴史を持っています
しかし、その吸収発達という循環は明治以降の“肉食”の開放によって、根底から覆されることになります もちろん、獣肉が食べられなかった時代はありません(仏教伝来以降は、獣肉全般が敬遠されるようになっていった)が、それまでの主軸はあくあまでも海山の自然食と自農による米生産であり、「すき焼き」に代表される明治時代の“肉食”開放は、日本の食意識、食生産を変えるきっかけとなったのです。
画像の確認
画像はこちらからお借りしました。
◆戦争を契機とした食料危機(洋食化)
日本の食意識を激変させたのは第二次世界大戦でした
1940年頃、食料生産力が戦争労働力に転換されていき、日本は終戦後一気に食料不足に陥ります そこに食料支援という形で洋食が輸入されていき、日本人の食に対する意識が激変していくことになりました
つまり、戦争によって過剰に作り出された“飢え”が輸入意識を正当化させていったのです
その後、食生活は高級化・多様化路線を歩んでいき、米生産は衰退の一途を辿り、1970年代には“米余り”を発生させるに至ります。そこで実施されたのが減反政策 皮肉なものですが、戦争に負け、他国の食が輸入され、自国の生産力は低下する一途という状況を引き起こしたのは、他ならぬ日本国民の食意識の変化なのです 😥
現在では、例えば、肉や卵の消費する量は戦前と比べて10倍となり、えさとしての穀物の量も急増(えさ用のトウモロコシや大豆の98%は輸入)
さらに、こうした穀物の消費の増加だけでなく、砂糖や植物油(ヤシ油)などのプランテーション作物を大量に輸入することで、途上国との格差を作り出していることにもなっていったのです
画像の確認
日本の食の変化についての参考記事です☆
食の変化に見る家庭の実態
食の崩壊の背景にある問題とは?
『<現代家族>の誕生-幻想系家族論の死』岩村暢子著「こんな家庭に誰がした」
◆3.11の原発事故による食料危機(放射能汚染)
3.11の原発事故での自然環境への影響は甚大で、日本の食意識も大きな契機を迎えました。
世界が輸入を禁止している日本の食品はたくさんあります。リンク
原発破壊による海洋汚染は、日本人の伝統的な食習慣も破壊する。リンク
魚も野菜も汚染され 輸入を加速させ 自国の生産力はさらに衰退しています。
さらに追いかけるようにTPPがのし掛かり、ここで踏ん張らなければ自国の生産力は崩壊してしまいます
現在は各国が相互につながって食の流通を担っている時代。
当然ながら、日本だけで食を見ていても食問題の本質は見えてきません。
次回は、世界の食の現状を把握し、自国・自集団内での自給体制は果たして可能なのか?について追求していきたいと思います
お楽しみに 😛
- posted by kazue.m at : 20:12 | コメント (0件) | トラックバック (0)
コメントする