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2013年11月07日

地方からの挑戦!実現の時代~Wall Art Festival in SAKURA 2013 ~その1

皆さん、栃木県さくら市って御存知ですか?
県庁所在地、そして今や餃子で有名な宇都宮市のお隣に位置し、2005年に塩谷郡氏家町・喜連川町が新設合併して誕生したのが、さくら市です。名前の通り、桜の名所が多く点在した町で、環境の良さから毎年人口がちょっとづつ増え続けているエリア(現在約4万5千人)です。しかし、栃木と言えば日光、というくらいであまり知られていないのが実情。今回は、そんなさくら市で日本初の試みとなった、完全な民間主導のイベントレポートをお届けします。
 
その名も、
 
Wall Art Festival in SAKURA 2013!

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日程:2013年10月26日(土)、27日(日)
開催場所:喜連川丘陵の里 杉インテリア木工館(旧穂積小学校)

※会場となった旧穂積小学校は、120年の歴史を持つ小学校でしたが、現在は少子化の煽りを受けて廃校となっています。そして、地域の活性化を目的とした市民参加型の木工所として活用されています。なので、普段でも気軽に立ち寄る事ができ、かつ木の香りにホッとできるお勧めスポット。お近くに立ち寄られた際は、ぜひお立ち寄りください。喜連川丘陵の里 杉インテリア木工館

 
何やら楽しそうな雰囲気のイベントですが、名前を聞いただけでは一体何が日本初で、どんなフェスティバルなのか?解らないですよね。そこで、まずはこのイベントが動き出した経緯から、ご紹介して行きます。
 
greeting%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC.jpgきっかけを作ったのは、さくら市でシロアリを駆除しない(駆除では無く防除を行う)為に起ち上げられた会社、「はやき風」の代表取締役 岩崎崇さん。
 
 
岩崎さんは、会社も共同体にすべく、色々と構想を練り続けている一方で、地域の役に立ちたいと日々奔走しています。地元商工会等でも役職を担う一方で、自ら桜縁会(おうえんかい)という有志の集まりを作り、若者たちが一体となって地域の活性化を実現したいと動き続けてきました。
  
常に思いが先走り、思い立ったらじっとしてられない性分の持ち主で、具体的な構想も無い中、「なんとかしたい!」という気持ちをあちこちに種蒔きしていたのです。そんな思いに触れて、相談を受けた一人があきゅらいず美養品の代表、南沢さん。その南沢さんの元に、たまたま同時期に入ってきた情報が、インドで行われているウォールアートの取り組みでした。
 
 
 
日本人の寄付によりインドに建てられた学校はいくつもあります。しかし、単に箱を作るだけでは、教育は根付かない。そんな現実に直面し、せっかく作った学校を人の集まる場に出来ないか?こんな想いから始まったのが、ウォールアート・フェスなのだそうです。
 
 
詳細はこちら リンク
 
 
そこで、さくら市とインドのWall Art Festival(WAF)を繋げちゃえ!と動き出したのが、今回のキッカケだったそう。実は、当の本人もそこまで大きな話になるとは思いもしなかったのだとか。しかし、やると決めたら動くしかない!こうして、プロジェクト実現に向けての活動が始まったのです。
  
いざ、プロジェクトを動かし始めてからは、当然の如く苦労の連続。初めて耳にした人にとっては、「なんでインドなの?」とか「ウォールアートって何?」という疑問が沸き、それに一つ一つ丁寧に答えていかなければ協働はして貰えません。しかし、熱意を持って巻き込んでいく中で、徐々に活路が開かれていきました。実は、さくら市にはインドとも濃厚な接点があったのです。
 
 
明治時代に氏家町で生まれた日本画家、荒井寛方が、かつてインドの思想家ラビンドラナート・タゴール氏の招きにより、ビチットラ美術学校の絵画教授としてインドに渡り、アジャンター石窟群の壁画などの模写を行い、以降も「仏画の寛方」と呼ばれ、大正期院展の傾向であるインド的趣向の代表者として認められた経歴を持ちます。さくら市には今でも荒井寛方記念館が建てられ、その歴史が今に伝えられているのです。
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そして今回は、インドからワルリ画家としてラジェーシュ・チャイティ・バンガードさんがさくら市を訪れ、町の文化に触れて、学校の壁面にワルリ画を制作する事になったのです。
 
 
ワルリ画とは、インドの先住民族ワルリーによって描かれる壁画。ワルリー族は主に農耕で生計をたてており、ラジェーシュさんの家族も日本同様に稲作をされているそう。
そして、ワルリ族は森羅万象に精霊が宿ると考え、万物を育む女神を拝み、壁画には部族の結婚式やお祭、そして日常生活の様子などが描き出されて行きます。
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実際にラジェーシュさんの描かれたワルリ画をじーっと眺めていると、全てに物語がある事が解ってきます。お米のペーストのみによって描かれた、繊細な線と点の組み合わせだけのシンプルな描写ですが、万物と一体となり、自然に対する畏敬の念が込められている事がジワジワと伝わってきます。
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ラジェーシュさんは、今回のイベントに向けて3週間前にさくら市に入り、地元の文化や町民の生活にどっぷりと浸かり、片面にはワルリの伝統を描き、その反対側にはさくら市の様子を描き出し、そして間の壁には両者の融合を描き出しました。同じ地球に住むもの同士の繋がりを表してくれたのです。
 
 
ワルリ画の描き出す世界観は、見ているだけでどこまでも引き込まれていきます。この親近感は、日本にも残り続けてきた精霊信仰と通じるものがあるからでしょう。
 
 
さて、実際にプロジェクトが動き出してみると、様々な接点が見出され、周辺地域の方々や他のアーティスト、ボランティアの方々などが次々に学校に集まりだし、いつの間にか廃校を拠点とした共同生活が始まっていきました。
 
 
フェスティバル開催に向けて、2週間前にはキックオフミーティングが開かれ、関係者一同が会しての宴が催されました。そしてここから、地域共同体の本領が発揮されていったのです。
IMG_20131012_183859.jpg
  
今回は、ここまで。地域共同体の強み、そしてフェスティバル当日の熱気に包まれた雰囲気を、次回ご紹介しますので、乞うご期待!

 

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