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2013年11月18日

『類グループ岡田社長に学ぶ』シリーズ.5認識共認の事例

これから紹介する内容は、実際に自塾で起こった出来事。
生徒が、他塾の模試を講師たちに内緒で受験。
なぜ受けたのか、なぜ本人たちの接触の中で気づけなかったのか。と疑問を抱きつつも、確信をつく方針の出せぬまま、議論は繰り返されていた。
事の発端
ある教室の講師から、社内板に投稿が入る・・・
『生徒が他塾の模試を受験していた!』
・・・生徒が他塾の模試を受けるということは、他塾への興味と同時に、自塾への不安があるから。生徒を引き抜かれる危険性大。では、なぜそんなことが起きたのか?

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教室方針

○生徒懇談を早急に実施する。
学習指導をベースに「志望校へ何としても合格させてあげるよ!」というこちらの面倒見スタンスを全面に出しながら最終の入試まで学習指導・進路指導が敷かれていることで安心感を与える。
さらに、他塾の模試を受けたことに対して、責めるようなスタンスではなく、何か精神的または学力的に不安があるのなら、遠慮なく話して欲しいというカウセリング方式で慎重に動機を探っていく。

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生徒も黙って他塾の模試を受けたことには罪悪感を抱いている。
でも実際受けたということは、自塾に何らかの不安がある。
だからこそ、責めるのは、逆効果。安心を提供することが必要と考えた。
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=この段階での教室方針は他塾の模試を受けたからどうする?というもの。
 なぜ受けたのかという視点でこの問題を捉えていない。

生徒Mと講師の会話

講師「最近不安なことないか?なんでそんなこと聞くかというと、A塾の模試を受けてるからやねん」
Mは「なんで知ってるんやろ?」と驚いた様子で緊張した顔。
M「友達に誘われたから受けました」
「むこうは難しい私立(灘・東大寺)を受ける子がいるからむこうの模試ってどんなんかと、自分は何番か知りたくなった」
講師「なるほど、まあ、気になるというか、興味があってんなあ…。それで、どうやった?受けてみた感想は??」
M「全体的に物足りない感じがしました…」
講師「そうかぁ…やっぱりな。 うちのテストがしっかり取れていけば、どこのテストでも大丈夫やろ?」
M「はい…」
講師「しっかりついてきて欲しいと思ってるんや。だから先生たちは君が合格できるように、これからも全力を尽くすから、先生たちを信じて頑張っていこうな!」
M「はい、頑張ります」
Mくんの表情がどんどん明るくなったので、頑張っていくことを約束して終了しました。
この生徒面談で本人の自発的転塾の可能性は、まずないと判断しました。

=「不安はないか?」と聞きながら、生徒の不安は何一つ聞きだしていない。
そんな会話の中で、生徒本人が転塾しないと考えられる要因があっただろうか?

生徒にヒアリングして、問題は解決したと考えていた講師に対し、社長の指摘が入る・・・
指摘投稿①

他塾の模試をこっそり、受験しにいったことが事前に講師の耳に入っていないのは、本人はもちろん、そのことを知っているはずの周りの生徒たちとの信頼関係が構築できていないことを示している。

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ここでの問題は、本人たちがなぜ無断で他塾の模試を受けるという現象がおきたかということ。そこに気付かない限り、生徒の他塾への関心と自塾への不安は拭えない。
ということを、社長は指摘しているのだが。
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教室長の返信投稿

○生徒との信頼関係について
全体に対しても教室では、アピールトークを通して、自塾>他塾 についてもかなり強く発信していた。その中で不審な(マイナスな)様子の生徒もおらず、優秀生の退塾もないままきているので、教室に対する信頼は十分、構築できていると判断していた。
○なぜ教室メンバーに、他塾の模試を受けたことを報告しなかったのか?について
最近こそアピールトークに変わったが、開校以来、長年にわたり教室長が中心に強烈なライバル塾の対敵トークを実施してきたため、子どもたちへ「先生の前ではライバル塾の話は怖くてできない」という印象を植え付けさせてしまっている可能性がある。

=社長の指摘を言い換えると、「信頼関係が構築されていたら、こんな事態は起こらなかった。」ということ。
その指摘に対して、「信頼は十分構築できていると思っていた。」と応える教室長の投稿からは、何一つ現実を直視できていないように思える・・・。
教室長の返信投稿に対して社長の指摘が再び入る・・・・
指摘投稿②

信頼面の敗北事実を直視すること。
規範観念による囲い込み、つまり上辺だけの「信頼関係」になっていないか?(その場合、親に囲い込まれた子供同様、生徒は本当の所は講師を信頼していない)
裸で(本音で)生徒に向き合っているのか?本音でぶつかれば、逆に文句やクレームのひとつも出てきて当然だが、講師自身がいい子になっていないか?

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自塾>他塾 の発信が信頼関係につながっているのか?
 「先生の前では他塾の話はできない」=規範観念 そう思わせていないか?まずは、そこと向き合うことが必要。
他塾の模試を本人や友人たちが、講師に隠れて受けたという根本原因が講師自身の規範観念にある。本当の充足を与えられていなかったことが「信頼面での敗北」を意味していることは明らか。
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再三にわたる社長の指摘により、現実を直視するとともに、信頼面での敗北の原因が明らかになった・・・・
そのとき社長は何を発信したか!

まずは充足、次に同化、その上で事実の追求・・・・観念信仰から脱却するために問題の本質は、価値観念や規範観念に収束してそれでお終い(思考停止)という観念信仰型の思考回路にあります。
観念信仰は元をただせば自我統合なので、その観念発の主張や言説の奥には常に自己正当化と他者否定の感情が潜んでおり、それが表出してしまいます。そこで、まずは時代の変化をしっかり掴んでください。あるいは、最近の全塾の空気を感じ取ってください。 それは、一言でいえば『充足基調』です。まずは充足すること、充足させて あげること、それが第一であり根本です。充足なしでは、なにごとも上手くいきません。『充足第一』を状況認識として明確に固定してください。 次に、充足を生み出すには、相手に同化する必要があります。いかなる問題であれ、その状況や相手に徹底的に同化することなしには、思考は一歩も前に進みません。(観念信仰は、他者否定・自己正当化に引き続いて、つねに関係捨象=同化捨象を伴いますが、それでは相手の気持ちを掴める訳がありません。) 最後に、同化することによって初めて状況が掴め、事実を追求すること(原因を追求すること)が可能になります。

今回の問題は、塾全体のほんの一部で起こり、退塾者を出したわけでもない。しかも、早期に発見し、手を打っている。これだけを聞いたら、この教室の講師と同様に、問題は解決したと捉える人は多いのでは?
 
 しかし、岡田社長は違った。
社内板上での、講師たちの解決したという報告に対して、岡田社長は事の本質を見抜き、全塾的に共有すべき、重大な問題だと捉え、全く解決していないと指摘を繰り返した。
それはなぜか・・・
学びポイント
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1  ~充足第一の認識~

潮流3:’70年、豊かさの実現と充足志向
豊かさが実現され、生存圧力が弛緩すると、闘争の実現可能性よりも充足の実現可能性の方が大きいので、人々がそちらに向う結果、闘争よりも充足の価値が高くなる。つまり、闘争よりも充足の方が大切になる。従って、闘争(仕事)志向よりも、充足志向の方が強くなる。
 また、生存圧力が衰弱し、物的充足が飽和状態に達した状況での新たな(=より大きな)充足可能性は、物的価値ではなく類的価値(人と人との間に生じる欠乏)の充足の中にしかない。そして、類的価値の充足とは、共認充足に他ならない。従って、生存圧力を脱した人々が志向する充足志向は、必然的に共認収束の大潮流を形成してゆく。

現代ではどれだけ深く相手の期待に応え、充足しあえるかが、最大の活力源であり、充足源である。例えば塾の先生と生徒の関係においても、一方的に授業をするだけの関係に留まらず、一歩踏み込み、相手に同化して成果を出す必要がある。これは他のあらゆる事業に共通の認識と言える。この認識があったからこそ、今回のような問題を見逃さず、充足第一の認識のもと、敗北を直視できるまで導くことができた。
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2 ~社内板の効果が発揮された~
この問題を重大な問題と判断した社長は、講師が原因を直視できるまで、何度も指摘している。
それは、講師自身が原因を直視できるように導くのと同時に、リアルタイムで状況を把握できる社内板を通して、全社員にも課題を共有するためだ。全社員の認識のズレをなくし、全塾の空気感をつかみ、同じ方向を向いて、取り組める環境をつくるには、類グループの社内板は必要不可決な場となっている。

 

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