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2014年02月06日

就活生は、今すぐ自己分析を止めた方が良い

今年も就職活動の活況期となってきました。すでにいくつかの会社説明会に参加し、早速企業選びに迷い始める学生も増えてきているようです。毎年の事ながら、大学と社会の間には大きな断層が有り、今まで学校で学んできた知識を活かそうと考えても、それが全く通用しない現実に漸く気付き始める時期でもあります。
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つい先日も、たまたま就活生の相談を受ける機会がありました。今回はタイムリーな話題として、そのエピソードを元に就活の在り方について書きたいと思います。

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先日、某国立大学に打合せでお邪魔した際に、ついでに就活生の相談に乗って欲しいと頼まれ、学生と話をしてきました。
 
彼は希望職種等を一定絞り込んでは居るものの、最終的に何を決め手にして行けばよいのかが定まらないという。では、希望先はどのように絞り込んだのか?と聞いてみると、彼なりに自己分析を行った上で、「自分は周りに評価されたい人間である。」と導き出し、そこから自身の欠乏に見合った仕事は◯◯である、という決め方をしている事が解った。
 
なるほど、とあるアンケートでも就活といえばまず「自己分析」から取り組むのは、定石のようです。
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Q:就職活動を始めるに当たり、まずやるべき事は何でしたか(何だと思いますか)?
リンクより
「周りに評価されたい」のは、人として当然の欠乏であり、誰もが抱く期待であるが、彼はそれを自身の特徴として添えた上で、周りからの注目が集まりそうな仕事は何か?と探索をしているのだ。では、何故そのように思ったのか?さらに経緯を掘り下げて行くと、根拠となる彼の充足体験を伝えてくれた。
 
彼はアカペラサークルに所属しており、歌を通じて息がピッタリと合った時や仲間達との会話が、とにかく楽しかったと話してくれた。さらに加えて、就職活動がスタートし、いくつかの企業説明会に参加。そこでグループワークに取り組む事が多く、初対面の方々と会話を重ねていく事が楽しくて、どの会社にも興味が持てて絞り込めなくなった、とも。
 
そこで改めて、彼自身が分析した「評価されたい自分」を仕事場面に置き換えたらどうなる?と質問。仮に自身が仕事を依頼する立場になったとして、「自分の評価」ばかりを気にしている人に仕事を頼む気になるか?と問いかけてみた。当然、答えはNOである。そうか!と気付くと同時に、戸惑いを見せた。あれ?確かにそうだ。でも、どうしたら良いのかますます解らなくなってしまう?といった感じに。
 
そこで、ここまでの議論を元に、彼自身の意識を整理していった。
 
まず、過去の充足体験を思い返すと、それは常に周りとの関係の中で築かれたものであり、かつ自分がどう思われたいか?などと意識していない時ほど、高い充足を得ているはず。
 
周りに合わせたり、役割分担を意識したり、一体感を高める工夫をしたり。彼自身、実に周りのことを良く見て分析できている。その背後にあるのは、「みんなの期待に応えたい」気持ち。
そして、評価とは実際に期待をしてくれた相手、つまり周りが形成するものであり、「自分がどのように評価されたいか」とは無関係に築かれるもの。その“現実の評価”をしっかりと受け止められる人が、社会に出てからも成長していける人の条件。
 
企業選びも、同じ視点で見ていけば自然と絞りこまれていく。
どれだけ社会やお客様の期待に応えようとしているか?
社員に期待しているか?
そして、自分の期待に応えてくれそうか?
と言った軸で面接や職場訪問等を通じて、対面する先輩方の姿勢を見ていけば、より期待圧力の高い場へと引き込まれていく。日々、期待圧力を高め合えている集団ほど、活力が高いのは一目瞭然だからだ。
 
そもそも、就活において「自分にあった仕事は何か?」と考える事が間違い。何の経験も無い状態での思い込みに過ぎず、適職である根拠など何もない。つまり、就活においてまず「自己分析」から始めたことが、そもそもの間違い。むしろ、「自分はこんな人間だ。」と自己暗示をかけるくらいの効果しかなく、未知の可能性を自主的に封印するような結果にしかならない。
 
近年は就活予備校のようなものまで登場し、履歴書の書き方から面接の仕方までレクチャーし、場合によっては親子揃って分析シートを活用した適職診断をするような商品まで見掛けるようになった。しかし、単なる統計学に過ぎない心理学などを根拠に進路を定めるような判断は誤りである。就活の為だけに背伸びして表面だけを取り繕ったところで、人事担当にはすぐに見抜かれてしまうだろう。仮に試験官の目を上手く騙せたとしても、会社に入り現実の圧力を受ければ、試験の為だけに見繕ったキャラクターが崩れ去るのは時間の問題でしかない。
 
 
では、どのような意識で就活に望めば良いのか? 🙁
 
 
答えは簡単です。
 
 
「自己分析」を止めて、「状況分析」にだけアンテナを張り巡らせて下さい。
 

・現状の社会情勢はどうか?この先はどうなっていきそうか?
 
・周りの人々が期待していることは何か?
 
・日々、あちこちで問題ばかり起こっているのは何故か?どうすれば解決できるのか?
 
・イキイキと働く人は普段どんな事を考えているのか? etc.

 
周りを見渡せば、「なんで?」「どうする?」と思考すべきネタはゴロゴロと転がっています。そうしてアンテナを張り巡らせる中で、あなた自身の中に沸き起こってくる問題意識こそが、一つの現実であり、解決すべき課題でもあるのです。そして同時に、本気で解決しようと考えれば必ず行き着く先があります。解決する為には「仲間が必要である」、という事です。その仲間が待ち受けているのが、企業だと考えてみてください。
 
企業側も、共に問題解決に取り組んでくれる人材(=仲間)を待ち受けています。それは、規模や業態に関わらず共通する事だと思います。特に近年は、規模ではなくやりがいを求めて長く所属できる企業を求める傾向も高まってきています。企業にとっても、社会にとっても、良い傾向ですね♪
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まず、自分は社会や企業にどんな事を期待しているか?
そして、相手企業は学生たちにどんな事を期待し、社会の期待にどう応えようとしているか?
お互いの【期待】を軸に、しっかりと語り合いながら、接点を探っていきましょう。
 
そして、互いに相手の課題=期待を自己の課題=期待と同一視して理解し合えた時は、安心してその会社に飛び込んでください。
 
仕事って、実はこんなに楽しかったんだ! 😀 と思えるはずです。
 
無限の可能性を秘めた学生たちが、希望を胸に社会に出てきてくれることを、楽しみにしています☆

 

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