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2014年06月17日

企業の追求力を高めるには?-3-教育・医療・介護・農業・環境業に求められる追求力~

1. 前回までの要約

前回記事、企業の追求力を高めるには?-2-ものづくりに求められる追求とは? では、ものづくり業で勝っている企業に共通する追求の形を紹介しました。

>科学は、過剰な万能感から、ついにまったくコントロールできない領域にまで手を出してしまったのです。これを安全「神話」をつくり出してまで推し進めてきたのですが、それも崩壊しました。もはやごまかしきれない段階にきています。そうなれば、今後の追求の方向性は、自然を支配する技術ではなく、自然の摂理に則り、自然と共生する技術。人より優位に立つ製品ではなく、充足を分かち合い、広げる製品となるでしょう。>また、徹底した連携を取るために、製造の現場を密な連携をとること。そのために製造は自社もしくは、グループ企業で行う事が必然となってくる。組織体制も、社員の追求力をより引き上げるために最適な、意識生産的な体制へ転換し、組織風土もより追求を楽しめるための風土となっている。

個人として追求力が高くても不十分で、組織として追求力を高めていかなければならない時代になりましたm027.gif

また、現在は脱物化の意識潮流から共認と自然収束へと移行しています。そこで今回の記事では、ものづくり以外の業界(教育、医療、介護、農業、環境)といった業界における追求力について、事例を基にご紹介していきますm051.gif

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2. 追及力のある企業事例

2-1.教育
「類塾」(社会への同化)

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類塾は、自ら考える力を養うという理念を基に経営を行っています。
>これからの子供たちに求められるのは、“自らが問題を提起し考え、自分たちで次代を築いていく”という前向きな姿勢と力です。
私たち類塾は、次代を生き抜いていく子供たちが、さまざまな困難や課題を、自ら突破し、解決していくことのできる“強くたくましい力”を身につけられるよう、全力を尽くします。
>さらに仲間関係をはじめ、大人や先生との人間関係を通じて、子供たちは考える力や表現力、対話力を身につけていきます。
そこで、このような人間性の基礎を育む場として、平常授業だけでなく、みんなが一緒に勉強できる『自習室』、みんなで答えを探る『類塾ネット』、さらには大自然の中でのびのびと協働作業を体験する『自然体験学習教室』などの創発的な場を用意しています。仲間たちと信頼感や充足感を共有しながら、互いに頑張っていく中で、子供たちの“自立心”や“精神力”は自ずと磨かれ、鍛えられていきます。(類塾HPより)

注目すべきは、教えられるのではなく、「自ら」答えを出す力を養うための授業をしている点、そして、一人ではなく「仲間」と共に頑張ることで、自立心や精神力を磨くという点。
ではなぜ、このような教育の形をとっているのでしょう?

>本源回帰の大潮流を基盤として、さらにお上の暴走(2011年原発の騙し・隠蔽、2012年不正選挙etc)が加わることによって顕在化したのが、「脱お上の自給志向⇒自考期待」の潮流である。今後どんな暗黒の未来が待ち受けているかわからない。自分の身は自分で守るしかない、自分の頭で考えるしかない、塾などに行っている場合ではない(それどころではない)etc という意識である。
>こうした「自給志向・自考期待」の急上昇を受けて、2013年類塾では「自考型授業」が登場し、大学では「反転授業」がはじまった。旧態依然とした教育、旧観念には何に意味もないことが今後ますます明らかになり、塾離れに続いて数年後には大学離れが進行してゆくだろう。( 新卒者向けセミナーより)

という時代認識があります。こうした新たな潮流に逸早く応えるために、講師が一方的に教え、生徒が受身になる指導スタイルを止め、ゼロから自考型授業を作り上げたようです。

→旧来型の試験エリートをめざすのではなく、自ら考え決断する力を養いたいという社会の欠乏に応える、自考力を養う教育を行っています。そして、社会状況に同化し、生徒・保護者に同化することで、新たな時代潮流に応える教育のあり方を追求しています。まだまだ思考錯誤の段階だが、この「自考型授業」が、これからの社会に必要な力を養っていくでしょう。

 

3-2.医療

「川越胃腸病院」(患者への同化)

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「エクセレント・ホスピタル」として名高い川越胃腸病院は、埼玉県南部の人口34万人の川越市にある。
川越胃腸病院は、消化器科専門で病床数40という小規模な病院ながら、その姿勢と実績は、日本医療機構の専門的評価だけでなく、過去に「消費者志向優良企業」として、資生堂と同時に経済産業省大臣賞を受賞したりするなど各界で注目されてきた。
20年以上前に義兄から経営を引き継いだ望月院長は、「医療は究極のサービス業」として、「ホスピタリティあふれる病院」を築き上げてきた。
経営理念として、
1.患者様の満足と幸せの追求
2.集う人(スタッフ)の幸せの追求
3.病院の発展性と安定性の追及
を掲げ、人事理念として、「よき医療活動はよき人が根幹である」を基に人間尊重の職場づくりを目指している。(価値創造研究所より)

→現在、日本の医療に疑問を持つ人も多くいるだろう。それは、医者が本当に患者のためを想っているのか、本当に必要な薬なのか、という疑問からきているのではないでしょうか。しかし、この川越胃腸病院は、違います。患者はもちろん、病院で働くスタッフにまで同化し、どうしたら患者によろこんでもらえるか、そのために職員の活力向上のための追求しているのです。

 

3-3.介護
「大起エンゼルヘルプ」(利用者、その家族への同化)

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>私ども大起エンゼルヘルプは、現在の豊かな社会の発展に対し、様々な形でご尽力頂いた人生の先輩方への「尊敬」と「感謝」の気持ちを、介護サービスを通じて表現し、「豊かな長寿社会」の実現に向けた基盤整備に貢献していきます。
当社のサービスをご利用頂く、お客様一人一人の満足度の最大化を追及し、当社スタッフ全員が皆様にとって、幸せのお手伝いをする「天使」となれる様、皆様一人一人とのふれあいの中で、より多くの社会貢献が果たせる様、持ちうる全てのサービスと経営資源を駆使し、皆様と当社スタッフとそして社会と共に成長し続ける企業を目指してこれからも弛まぬ努力を続けてまいります。(大起エンゼルヘルプHPより)
この社長の言葉にある理念の基、グループホームの経営やショートステイ、デイサービスなどの様々な介護事業に取り組んでいます。
>市場ではペイしないが、社会的に絶対必要な仕事に対して、福祉と称して非生産者にバラ撒くだけの政策、あるいは市場優位の中で効率化を最優先させた結果としての管理型施設の横行という、過去の大きな失敗事例が横たわっています。(実現論:序4.統合階級の暴走で失われた40年(上)リンク 参照)
しかし、本来の介護とは、お年寄りの活力を奪うことでは無い!という考えのもと、それまでの常識であった管理型施設を完全に捨て去り、見守り型、響き合いといった新しい介護の道を切り開いて来たのが「大起エンゼルヘルプ」さんなのです。(リンクより)

→いかに利用者を管理し、採算をあげるかという旧来の形から脱却し、お年寄りが本来あるべき行きかたができるように、追求を続けています。また、介護に従事するスタッフにも同化し、働き易い、働きがいのある環境を作っています。このような、流れが介護業界全体に広がれば、本来あるべき介護の形になっていくでしょう。

 

3-4.農業
「福岡自然農園」(自然への同化)

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>福岡自然農園は、自然農法の提唱者である福岡正信の孫が経営しています。福岡正信が提唱した自然農法には、不耕起、無肥料、無農薬、無除草という四大原則があります。不耕起とは耕さないことで、農家の常識では理解しがたい事のようだが、「耕した土は乾燥しやすい」とも言われる。また、有機肥料を含め堆肥をやると、作物を過保護にしてしまいます。無肥料にすることで、強靭な作物ができ、味も濃くなるそうです。無除草に関しては、雑草を根から抜くのではなく花の咲く頃を見計らって刈るそうです。そして刈った雑草はそのままその場所に倒しておくと、夏は保湿、冬は保温の役割をしてくれ、腐って肥料にもなります。
また、水も極力やりません。水をやらないと、根が水をもとめ、地中深く根を張っていきます。ところが水をやると植物は簡単に水を手に入れることができ、根は浅くしか張らない、弱い作物になってしまうそうです。
種まきの際には、さまざまな種をまぜて、バラバラに蒔きます。そうすると、その場所と相性のよい作物が出芽します。そのため、どこに何が生えてくるか、まったくわかりません。福岡式自然農法は、傍から見れば、植物が乱雑に植わって、ほったらかしの状態に見えます。見方によっては荒れ放題の畑のように見えるので、隣接する農家や近所の人は嫌がるそうです。野菜が整然と並んだ畑が常識の日本では、なかなか周囲に理解されにくい農法なのかもしれません。(JFSより)

→今までの農業とは、農薬を使っていかに大量に効率よく作物を育てるかに注視して、安全性は二の次でした。しかし、現在はどんな食物でも安心・安全が求められる時代です。福岡自然農園では、作物を本来あるべき姿で育てます。そんな農法を何十年も前から行っていたのです。思考錯誤を繰り返して追求してきたこの農法が、今皆が最も求めているものではないでしょうか。

 

3-5.環境
「株式会社ユーグレナ」(自然への同化)

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>ベンチャー企業の株式会社ユーグレナ(東京都文京区)は、ミドリムシを活用した健康食品や化粧品材料の製造・販売のほか、バイオ燃料開発などを手掛ける注目企業だ。企業名はミドリムシの学名「ユーグレナ」から採った。ミドリムシの乾燥粉末を使ったサプリメントや飲料、クッキーなどは、豊富な栄養素を簡単に摂取できると大きな話題となった。同社代表取締役社長の出雲充氏は、「ミドリムシで人と地球を健康にする」と意欲満々だ。出雲氏とミドリムシとの出会いのきっかけは、1998年にバングラデシュで見た栄養失調の子供たちを救いたいという思いだった。栄養価の高い食べ物を探しているうちにミドリムシにたどりつき、「世界の食料問題を解決したい」と事業化を決意した。
しかし、ミドリムシ研究者を訪ね、事業化を相談したが、「育てるのはむずかしい」という答えしか返ってこなかった。これまでミドリムシの大量培養に成功した例はなかった。成功のカギは発想の転換だった。ミドリムシ培養は難しく、培養しても、他の微生物にすぐに食べつくされてしまう。このため、これまではミドリムシを天敵の微生物から守る環境をつくろうとしてきたが、発想を変えてミドリムシ以外は生きられない環境をつくることにした。それが功を奏し、屋外の培養槽をミドリムシでいっぱいにすることができた。
大量培養の成功について、出雲氏は「日本中の研究者がミドリムシで世の中を良くしようと一丸となった結果で、まさにオールジャパンの取り組みです」と強調する。
今では、世界中からミドリムシの利用、活用についての問い合わせが来ているという。そのためには、より安定的に高い品質のミドリムシを生産することが必要だ。沖縄県の石垣島を生産拠点に培養技術の改良を行うとともに、食品向け、バイオ燃料向けなどさまざまな特性を持つミドリムシを生産し、研究機関などに出荷している。(nippon.comより)

→近年注目を集めている、「微生物」の活用を追求しているユーグレナ。しかし、この成功の裏には目まぐるしい努力と、決してあきらめない強い信念がありました。物事を追求するということは、簡単な事ではなく、失敗しても次の切り口を考えるといったあきらめない心も必要なのがわかります。

3. 本来の追求力とは
『実現論』「前史ニ.サル時代の同類闘争と共認機能」にその答がある。
①まず、相手を注視する⇒②相手に深く同化する⇒③相手の期待を深く看取する(応合する)。この3つを総称して「同化」と呼ぶ。
この対象の注視⇒同化⇒応合が、共認充足度だけではなく、仕事成果度も規定する。
仲間に限らず、顧客であれ社会であれ自然であれ、対象を注視し、どれだけ深く同化できるか。そして、何を掴み取れるか。それが追求力の源泉であることは、極限時代と変わりがない。
つまり、同類闘争に勝つために必要なのは、まず充足を母胎とした対象への同化⇒それを母胎とした追求なのである。(類グループ共同体理念研修会3より)

4. まとめ
どの企業も社会的な課題に対して、近代の追求の常識に捉われず、ゼロから対象に向き合って追求しています。これは、自給思考、本源回帰の潮流にも合致しています。
m034.gif同化力≒追求力m034.gif
対象にどれだけ同化して考えられるかが、追求の鍵を握ります。これからの時代で勝っていくためには、追求力が必要なのは言うまでもないが、考えるべきはその追求力を高めるために何をするべきかです。今回挙げた企業からそのヒントが見えてくるでしょう。

 

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