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2014年08月14日

第4回 次世代戦略研究会「近代市場の成立と金貸し支配」レポ2

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先週のレポートの続きです。

◆貨幣の登場~金貸しの誕生

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貨幣の登場は、古くは貝貨と言われるものが紀元前1700年辺りから中国やアフリカなどに見られるが、貝貨と鋳造貨幣とで意味合いは異なると見たほうが良い。約2700年前(BC700年頃)のリディア硬貨が、最初の鋳造貨幣とされている。貝貨も贈与から交換媒体へと移り変わっていった側面はあるが、鋳造貨幣の最大のポイントは貨幣発行権を握っているということ。発行側が最初から利益を握っているという点で、序列支配構造の中に組み込まれた形で成立するもの。例えば、硬貨の金・銀の含有量を調整するだけでも、発行側は儲かる。

DPP_0523次の転換点は、貯めこまれた金を預かる金庫業から金の預り証が発行され、預り証そのものが取引材料に使われるようになったこと。この預り証取引が次第に発展し、金庫内に残り続ける実際の金を担保とした「金貸し業」が登場。預かっている金自体が流通する事は殆ど無い為、いずれ金保有量以上に利子の付いた貸し出し証が出回り始める。これが、「信用創造」という価値の捏造の始まり
つまり、この仕組みこそが紙幣(兌換紙幣)の原点でもあり、金貸し⇒中央銀行制度の原点でもある。

また、金貸し業も返済見込みの無い相手に貸し出せば焦げ付く事は十分承知しており、金を貸す相手を慎重に選ぶようになる。最も不良債権化の可能性が低い相手こそが、国家である。
【金貸しは国家を相手に金を貸す】仕組みが、この段階で作りこまれ、同時に国家を焚き付けては戦争・略奪を繰り返す歴史が現在まで続く事になる。

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11世紀の十字軍遠征は、国家の略奪闘争と軍隊について回った商人を軸とした金貸し勢力の拡大基盤となり、その後のルネッサンス~大航海時代を通じて、金貸しは莫大な財産を築き上げた。

6449cfd6★金の預り証は、いずれ金貸し業者間での調整を経て、共通書式に統一。16世紀頃には、この預り証そのものが流通し始めている。中間には、ベネチアなどで両外商なども発達。そして、1690年頃に世界初の中央銀行としてストックホルム銀行設立、それを足掛かりにイングランド銀行が誕生した。
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★十字軍遠征時にも、交易の塗り重ねと合わせて、金と預り証の流通が広範に渡り普及して行く素地ともなっている。

IMG_8162★中世~近世、戦乱の時代において、実は負け組国家から先に銀行制度を発達させていった経緯が見られる。国家間の覇権闘争における勝ち組は、資金繰り上も優位。一方で弱小国家ほど、戦費不足や国民からの不信などの秩序不安が起こる。これが、金貸しにとっては格好の目の付け所となった。資金を貸し付ける変わりに、国家から紙幣発行権をもぎ取った

国家は戦費調達によって息を吹き返す事になるが、金貸しはその上を行くしたたかさを持つ。戦争をしている双方の国家に金を貸し付ける事は常套手段であり、勝敗がどうなろうと金貸しには被害が及ばない。さらに、実際の流通は単なる紙切れに過ぎない、という点も見過ごせない。

★市場がこのようなダマシの構造によって拡大してきた史実は非常に鮮明になった。一方で、このような仕組みで拡大してきたものが、今後も続くとは思えない。市場拡大の限界が見えると同時に、やはり今後市場縮小は必然なのだと思われる。

IMG_8155★過去、金貸し支配の仕組みに対抗しようと試みた統合者も存在するが、武力と資金力が国力の指標である限り、抗えば敗退する、という枠組みからは逃れられなかった。金貸しの出自は情報を握っている交易集団であり、国家の序列統合体制の枠外(抜け道)に身を置いた存在。国家は常に社会統合課題を担う必要があるが、市場・金貸しには無関係。国家統合の為の軍事力でもあり、統合維持の為には資金に頼らざるをえない。国家も市場も、共依存関係の元で成立しており、後戻り出来ないが故に、現在でも全く同じ構造のままであるとも言える。

◆議論は未来論へ突入
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結局、この時代に形成された国家と金貸し支配の構造は、ほぼそのまま現代まで続いている事が明らかである以上、やはり気になるのはこれからどうなる?という点。
基本構造が鮮明になった分、現在の社会に対する不整合感は益々高まっていく。

DPP_0532例えば、原発事故が発生して甚大な被害を齎しているにも関わらず、原発を止めようとしない姿。市場拡大絶対、という強固な固定観念に基いて国家が形成されてきた歴史から見ても、既に答えが無くとも止まることが出来ないジレンマに陥っていることの証左。

環境問題にしても、抗癌剤が実際は増ガン剤である、という事にしても、国民にダマシの餌をばら撒き続けて延命措置を図ろうと企んでいる事は明らかであり、これらが「ダマシ」に過ぎないと気付き始めた人々が増えていく事によって、益々市場拡大は困難になって行くであろう。

しかし、放射能汚染は人を選ばない。金貸しも大衆も同じ人間である限り、被害は同様に齎される。従って、「金貸しも答えがなくて止まれない」状態であったとしても、やはりその暴走を止めない限りは、人類は滅亡に向かっていくしか無い、ということになる。

ここで、可能性側に目を向けてみたい。

DPP_0527支配階級側の暴走が過激化する程、ダマシの綻び、そして不整合な実態が明らかとなってくる。これが、人類進化の可能性への火付け役となる。不整合であるからこそ、新たな追求が生まれるのだ。原発事故によって、放射能の制御は現代の科学技術では全くお手上げである事が、既に明らかとなった。学校で教わり、正しいとされてきた物理学も、市場経済の仕組みを説明してきた経済学も、現実には何一つ解明出来ていない。この世は、全くの未知世界であるに過ぎない。金が無いと生きていけない、という思いも、実は金貸し側が作り上げた幻想に過ぎないのではないだろうか?

私達が生きて行く上で本当に必要なものは、水であり、食糧であり、仲間であろう。
これらを、地球や宇宙と共に存続させていく為に出来る事は何か?やるべき事は何か?

この追求を止めなければ、必ず道は拓かれる。本当の意味での人類社会が創られるのは、まさにこれからなのだと思う。

以上、今回の研究会はここで終了。次に託された期待は、「更なる追求」そのものにある。

次回開催予定は、10月9日(木)19~22時

詳細決まり次第、社会事業部HP上にて、正式に告知いたします。次回もお楽しみに!

 

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