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2015年09月03日

稼ぐまちが地方を変える② ~特産品が失敗する理由~

まちおこし、地域活性化の事例として、よく紹介されるのがそのまちの「特産品」。地元では何でもない“普通のもの”が有名となり、全国からお取り寄せ等で人気となっているとか、地元の“特産品”を使ったスウィーツで大人気とか・・・。

本文と写真は関係ありません

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しかし、成功してマスコミで取り上げられているごく一部のモノを除いた遥かに多く「特産品」と言われるものが失敗しています。
今回も木下斉氏の著書「稼ぐまちが地方を変える」や東洋経済オンライン「特産品で地方創生ができるという幻想」から一部を紹介して、地方創生を考えて行きたいと思います。
木下氏は、この特産物開発の失敗原因を

  「商品」  「材料」  「加工技術」

の3つ挙げています。

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1.商品について
商品自体が成功商品のコピー、もしくは「流行」に左右されているパターン。例えばジャム、ジュース、カレーのように、過去に他の地域で成功してコピーしやすいものだったり、「お酢」のように流行モノにすると、必然的に既に強豪揃いの市場に参入することになってしまう。新参者の勝ち目は薄いということです。

2.材料について
根拠なく「自分の地域のものが日本一旨い」の勘違いなど、「地域資源」だからというレベルで地元にある原材料から商品を考えてしまっていること。実は「生産過剰で、捨てられるはずの材料」場合すらあります。作り手発の考え方なのです。

3.加工技術について
新技術を導入で、“売れる”という勘違い。例えば、新たな冷凍技術を導入する!と意気込み、高額製造機器購入するまではイイのですが、結局、小売店側から「冷凍は、所詮冷凍だから、一段落ちるね~」などと言われて、二束三文で買い叩かれ、設備投資が回収できないパターン。

そして最も大きな構造的問題は、この商品開発の背後にある「協議会組織」の存在です。補助金を活用するため行政主導で行われるこの事業のメンバーは、地方の生産者、加工業者、行政(公務員)からなります。つまりまず「作ってから売りに行く」という流れの為、初期の段階では販売者・消費者は加わらず、その声は反映されません。いうなれば作り手側の勝手な都合で、材料や加工、価格も決めてしまうのです。これでは売れる商品は作れません。 じゃあ、どうすればイイのか?

実は、この「特産品」を開発する際に、参考になるケースがあります。

「東京八百屋の会」という組織があります。東京都内の小さな「3軒の八百屋さん」が集まったものですが、実は、補助金ゼロで、「自分たちの販売力」をもとに、生産者と連携した独自の「特産品開発」が行われているのです。
具体的に、どんなことをやっているのでしょうか。2014年に行われたのは、それぞれの八百屋さんの店舗で30人×3=90人の「お客様モニター」を募集して、試作品を試食してもらうことです。それを通じて商品を決定。その後は各店舗が「販売数を約束」(これが大事です!)して、生産地に発注、売れ行きに応じて、追加で発注をしていくという方法です。
第一弾で高知の生産者と連携して作った「ミョウガの茎・ピクルス」は販売も絶好調。需要に対応しきれないほどになっていました。(「特産品が地方創生するという幻想」より)

つまり特産物開発に必要なのは、実は出口となる「顧客」確保なのです。この事例のように小さな店舗グループでも「 生産-販売-顧客 」というネットワークを形成する中で開発すれば「売れる」特産品が開発できるというわけです。

 

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