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2015年10月22日

JALの意識改革の手法はどの集団でも役立つ

2010年1月の経営破綻から、わずか2年7ヵ月で再上場を果たしたJAL(日本航空)。「奇跡のV字回復」を果たしたのは、稲盛和夫名誉顧問による「意識改革」と「部門別採算性」の二本柱の改革によると言われています。特に「意識改革」に大きく貢献したのは、破綻後の社員教育でした。
JAL
ダイヤモンドオンライン「あなたの会社もこれで蘇る!?JALが続ける究極の意識改革メソッド」で日本航空「人財本部 意識改革・人づくり推進部」野村直史部長が語る人財教育の概要に、組織づくりに有効な内容がありましたので引用及び要約して紹介します。

「以前のJALの特長として、組織が縦割りで、はっきりと分業体制になっていたことが挙げられます。整備は整備、運航は運航、客室は客室と。すると当然、自分の仕事と直接関わる部門以外との接点がなく、相互理解が進まないといった悩みがありました。それが破綻の反省をするなかで、部門間の横連携をとる方針に変わってきたのです」(「あなたの会社もこれで蘇る!?JALが続ける究極の意識改革メソッド」より)

航空会社社員として担当する仕事の専門的な知識・スキル・能力を磨き続けていることは、破綻前から変わらない。しかしそれ以前に、社会人として、JALの社員として、“身に着けておかなければならないこと”を人財教育に組み込んだのです。それがJALフィロソフィの浸透です。フィロソフィとは哲学のこと。JALフィロソフィは「企業にかかわらず、集団をまとめて同じ方向に向かって進むには、一致団結ができる共通の考え方がなくてはならない」という、稲盛名誉会長の経営哲学にから生まれたもの。野村部長はまず京セラフィロソフィを学んだそうです。

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「私はまず、京セラフィロソフィを勉強させていただいたのですが、正直に申し上げて、最初の印象は、あれほどの立派な企業の社員の方々が、フィロソフィにあるような基本的なことを学んでいるのかと驚きました。難しい内容でもないし、当たり前じゃないかと思ったのですが、『あっ……自分だって、その基本もできていないじゃないか』ということに気づいた瞬間がありました。基本的なことを実践するのがいかに難しいか、ということを気づかされたのです」(「あなたの会社もこれで蘇る!?JALが続ける究極の意識改革メソッド」より)

土台は京セラフィロソフィなのだが、あくまでJALのフィロソフィなのでJAL社員自身で約半年かけて作り上げたらしい。そしてフィロソフィ浸透させていくために、グループ社員全員を対象とした「JALフィロソフィ研修」を始めます。ノルマは1人あたり年4回、1回2時間。テーマ決めから教材づくり、研修の進行役などは、担当部署スタッフ8名が中心になっています。
テーマは、40のフィロソフィの中から1つ選ばれる。最近取り上げられたフィロソフィは「有意注意で仕事にあたる」だったらしい。何事に対しても意識を向けて、集中してやろうということ。「『無意注意』の状態だったことによって、何か失敗したことはないか」「それを防ぐにはどうすべきか」「各々の普段の仕事のなかで、有意注意でやっていることは何か」といったことを参加者同士で共有したり、その根底にある想いなどを5~6人のグループごとにディスカッションしている。

「たとえば感謝の気持ちを持つ”というフィロソフィは、ある意味、地味で当たり前の内容です。でも、よくよく考えてみると、意識しなければ実践するのは難しいフィロソフィの1つです。『経営破綻から今に至るまで、色々な方にお世話になったからこそ今がある』という事実は、JALの社員にとっては今後も忘れてはいけないことです。感謝の気持ちを持ち、謙虚に素直な心で仕事にあたる、といったフィロソフィは、繰り返しやっていきたいですね(「あなたの会社もこれで蘇る!?JALが続ける究極の意識改革メソッド」より)

この部門横断の研修によって、今まで話したこともなかった職種・部門の人と同じテーブルを囲んで話をするようになり、社員1人1人にとって、JALグループとしての親近感・一体感が生まれてきたらしい。

従来であれば、自分の担当の仕事に責任を持ち、ミスなく遂行することがベストであった。その業務の次の過程の担当者が、何を想いながら仕事をしているのかなど、考える必要がないのが当たり前だった。しかし、別部門の担当者と対面、会話をし、仕事の内容も知っていくなかで、「次の担当者のために今までの流れを変えてみよう」「プラスアルファでやってみよう」「隣の人が困っていたら助けよう」といった意識が芽生えてきた。最終的には、自分自身の仕事に対する責任感が強くなっていく効果もあったという。(「あなたの会社もこれで蘇る!?JALが続ける究極の意識改革メソッド」より)

日本でも農業共同体が崩壊し、集団生活や共同作業で培ってきた道徳や規範も錆び付いてしまっている。ここで紹介したフィロソフィは経営哲学と呼ばれるが、むしろ現代の道徳観や社会規範形成とも言える。それは学校で教えるどんな学問や道徳より、集団の結束力がその雌雄を決する企業間闘争にこそ、規範や道徳が醸成される環境にあるということでもある。

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