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2015年10月14日

稼ぐまちが地方を変える④~まちづくりはそのまちの歴史作り

今回も「稼ぐまちが地方を変える」(木下斉著:NHK出版新書)から、地域活性化の成功ポイントを探っていきます。
前回までの記事はこちらです。是非どうぞ
①行政主導の地域活性化は失敗する
②特産品が失敗する理由
③まちに根を生やしている人が立ち上がる
まずは従来の「地域活性化」の問題点から

従来、各所で「地域活性化」として行われてきた事業は、「よりよいまちに」などと曖昧なスローガンを掲げるばかりで、事業としての収支に厳しく向き合っていませんでした。
(「稼ぐまちが地方を変える」より)

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これでは「地域活性化」はいつまで経っても、行政からの補助金か、もしくは誰かの善意と自己犠牲で成立していることになり、持続性や世代を超えた継承について不安定なままです。しかも状況によっては、奇特な「個人の趣味」という評価に止まり、地域にさえ認知されない場合もあります。これでは取り組む甲斐がありません。

地域の売上をつくり、事業のコストを出来るだけ絞り、利益率を注視し、地域への再投資につなげていく。ここまで考えられて初めて、「まちづくり」「地域活性化」は地域経済に変化をもたらし、利益を生み、その取組み自体もしっかりビジネスとして成立し、実効性を持ちます。
(中略)
一般的な商売と同じです。主要な顧客のターゲットは誰かと考えたとき、「子どもからおじいさんまで」などとする商売は上手くいきません。顧客を絞れないということは、自分たちが何をしようとしているのかが理解できていないということと同じで、そのような商品やサービスは、結果的に誰からも必要とされていないものになります。
(中略)
まち会社にとって、不動産オーナーが第一次顧客であるとすれば、第二次顧客はテナントであり、第三次顧客は一般の消費者ということになります。第三次顧客まで恩恵を受けられるということは、結果的にまち自体が盛り上がることを意味します。「まちのみんなに」なんて全ての顧客を一緒くたに捉えて、曖昧なことを言っていてはダメなのです。
(「稼ぐまちが地方を変える」より)

「本当に価値のあるものには金を出す」という表現をすると「まちづくりを金儲けと同じにするのか!」とお叱りを受けるかもしれません。しかし税金を投入することでしか成立しない「まちづくり」よりも、地域のニーズを捉えた事業の方がよっぽどまちづくりに寄与していると思います。
それにつながる項目と思われるものが「稼ぐまちが地方を変える」の本にある『まちづくりを成功させる10の鉄則』の中にあります。それは「小さく始めよ」です。地域活性化で成果を上げるのは、大上段に構えた大集団ではなく、覚悟を決めた少人数グループだそうです。たとえ一軒の店からでも、その地域に変化を起こすことは出来るのです。
事例として、2000年に、兵庫県柏原町の山間の地域で、古民家を再生してイタリアンレストランを出すプロジェクトが紹介されていました。

腕のいいシェフが生ハムを自ら作るような、かなり本格的なイタリア料理を出す店をつくろうというプロジェクトです。
出店前、地元の方を集めて説明会を開いたところ、かなり厳しい意見が相次いだそうです。いわく「このまちで、スパゲティなんか食う奴はいない。」「地域にハイカラな店がないのはそもそもニーズがないからだ」などなど・・・。
それでもプロジェクトを敢行しました。結果は・・・・。店は「オルモ」という名前で、今でも営業は続いています。
(「稼ぐまちが地方を変える」より)

お客さんは、地元の食品を使った料理を楽しみに、地元だけでなく遠く三宮からもわざわざ来る方もいるそうです。
店は明治時代から続く民家を活用しているので、周囲との景観とマッチしているが、料理がイタリアンという大きなミスマッチ。でも素材は地元で取れたものであり、シェフは地元丹波の歴史に魅力を感じていて、お客さんと歴史の話をするのが大好き。刺激的だが決して奇をてらったものではなく、地元に愛される事業であることが良く分かる。
そしてそのお店が賑わっていることで、周辺に幾つかの飲食店が進出しました。この一軒のレストランは、外部から進出しようとする事業者側の可能性であり、かつ受け入れた地元側の可能性でもあるのです。そしてこの可能性がまちの「変化の核」となっているのです。
大きな事業で一気に町を塗り替えるより、一つの種から芽が出て花が咲き、実を作り増えていくイメージ。まちづくりはそのまちの歴史を作っていく事業として、長い目で見ていく必要があるのです。

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