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2016年07月25日

外国から見た江戸時代以前の日本の姿-5

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外国人から見た江戸時代以前の日本の姿を紹介。そこには、取り戻したい日本人の姿がある。 ~「逝きし世の面影」 渡辺京二著より~

外国から見た江戸時代以前の日本の姿ー1
外国から見た江戸時代以前の日本の姿ー2
外国から見た江戸時代以前の日本の姿ー3
外国から見た江戸時代以前の日本の姿ー4

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第十一章 風景とコスモス

●ポンペ(「日本滞在見聞記」) 長崎港の風景を見て
乗組員一同は眼前に展開する景観に、こんなにも美しい自然があるものかと見とれてうっとりしたほどであった。

●ベルク
長崎は郊外も素晴らしかった。郊外の美しさはたとえようがない。どこに足を向けようと豊饒で素晴らしい景観だった。

●フォーチュン
英国にはこれと較べられるようなものはないと認めないわけにはいかなかった。拾い並木道や、松やとくに杉の木立としばしば出会ったが、その木立は道を縁取ってすばらしい日陰を作り出していた。風景はたえず変化し、しかもつねに美しい—丘や谷、広い道路や木陰道、家と花園、そこには勤勉で、労苦におしひしがれておらず、明らかに幸せで満ち足りた人々が住んでいる。

●ギメ
日本人はなんと自然を熱愛しているのだろう。・・・大それた欲望を持たず、競争もせず、穏やかな間隔と慎ましやかな物質的満足感に満ちた生活をなんと上手に組み立てることを知っているのだろう。

●モース
この国の人々が、美しい景色をいかに楽しむかを見ることは興味がある。誇張すること無しに、我が国の百倍もの人々が、美しい雲の効果や、蓮の花や、公園や庭園を楽しむのが見られる。

■第十二章 生類とコスモス

●モース
私は車夫がいかに注意深く道路にいる猫や犬やニワトリを避けるかに気付いた。今までの所、動物に対してかんしゃくを起こしたり、虐待したりするのを見たことがない。馬は今で言うような調教はされていなかったようだ。乗る方も馬丁に口綱を曳いて貰ってただ乗っかっているだけだった。ただ、乗馬姿は美しかったという。

●バード
馬は打たれたり蹴られたりしないし、なだめるような声で話しかけられている。概して馬の方が主人よりよい暮らしをしている。おそらくこれが馬の悪癖の秘密なのだ。馬に荷物を乗せすぎたり、虐待するのを見たことがない・・・馬が死ぬと立派に葬られ、その墓の上に墓石が置かれる。

●カッテンディーケ
日本人が死を恐れないことは格別である。・・・近親の死に対して悲しまないというようなことはないが、現世からあの世に移ることは、ごく平気に考えているようだ。

■第十三章 信仰と祭

●ヴィシェスラフツォフ
日本人はまるで気晴らしか何かするように祭日を大規模に祝うのであるが、宗教そのものにはいたって無関心で、宗教は民衆の精神的欲求を満足させる者としては少しも作用していない。それに反して迷信は非常に広く普及していて、・・・

●リンダウ
宗教に関しては、日本人は私の出会った中で最も無関心な民族である。

●スエンソン
諸宗派の間にも驚くべき寛容が成立している。

■第十四章 心の垣根

●ヴェルナー
長崎でたこ揚げに興じる大勢の人々。行く先々で手を引かれ草の上に座らされた。日本人達は酒、茶、煙草などでもてなし、何とか彼らに楽しんでもらおうとやっきになっていた。ここには詩がある。ここでは叙情詩も牧歌もロマンも、人が望むありとあらゆるものが渾然一体となって調和していた。平和、底抜けの歓喜、さわやかな安らぎの光景が展開されていた。

●フォーチュン
茶屋で狂女がフォーチュン一行の寝ている一人の枕元にやってきてうちわで扇いだり、祈りの言葉を呟いたりしていた。一行がみんな目をさまして彼女の動作を見つめているのに気付くと、彼女は静かに立ち上がって、われわれを一顧だにせず部屋を出て行った。彼女は茶屋に出入り自由で、彼女のすることを咎める者は誰もいなかったのだ。

 

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