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2017年02月16日

日本でいちばん大切にしたい会社② 島根電工:社員家族も含めたゆるやかな共同体企業

2017年2月14日に、東証2部上場でカメラ用品販売チェーン、カメラの「キタムラ」が、店舗の戦略的再配置の一環として129店舗を閉鎖すると発表しました。2016年の失業率はピークだった2002年5.36%から好転し、3.18%となりましたが、2017年が幕開けて米国のトランプ旋風は、世界経済に大きな混乱を招きそうです。今後の失業率の動向も含めて日本経済の明るい未来は見えてきません。この中でどの会社も生き残りを賭けて可能性を模索していくことになります。
かつて90年のバブル崩壊以降、08年リーマンショックなど、大きな不況下では、経営建直しのために大規模なリストラを断行する会社は多かった。その状況下、地域で生きる路線を取った島根電工はどうだったのでしょうか?
今回も「日本でいちばん大切にしたい会社3」(坂本光司法政大学教授著:あさ出版発行)で取り上げられた島根電工を紹介します。

「 リストラはどんなことがあってもやりません。子供を殺して親が楽する家がどこにあるんだ、ということで、前の経営者にも『 リストラしろ 』と言われましたが、我々二人で『 しません 』と。
『 あんたが今言われていることは、家が苦しくなったから子供を売ったり、女房を売ったりして自分だけご飯を食べようと言うことじゃないですか 』と体を張って上司に抵抗しました。
まあ、若かったせいもありますが、その考えは今も変わりません。」

こう語るのは、島根電工陶山秀樹会長と荒木恭司社長の二人。この二人が現在の島根電工の骨格を作ってきました。

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陶山会長は

「 僕はもう、部下をもったとき、本当に嬉しくてかなわんかったですけん。かわいいというか、嬉しいというか。
僕が20代のときに、高校出たばっかりの女の子の部下とね、毎月月末に本社に出せんといけん財務書類を、昔は手で書いていましたから、ようやく1日に本社に書類を持って行って『 今月もやったなあ 』と二人で喜んで。
『 よし、今日はお前が毎月買ってる漫画を買ってやるぞ 』って『リボン』とか『なかよし』を毎月一緒に買いに行ったもんですよ。本当に可愛かったですから。
やっぱり部下と言うか、仲間と言うか、彼らと一緒に頑張っているから仕事ができるので、それを切るなんてことは、私にはとてもできない。それは荒木社長も同じなんです。」

さらに陶山会長は、社内で行われる管理者研修で、係長や課長に

「 1人部下を持ったら1人の人生を扱っていると思え。そんな幸せがあるかい?
10人持ったら10人の部下と家族の人生を自分が預かっている。男としてそんな幸せなことはないじゃないか 」

と話しています。社員としても労働力の切り売りではなく、1人のヒトとして、さらにそれを支える家族まで含めて受け入れてくれることに大きな安心感を持つでしょう。実際、社員運動会は「家族ぐるみ大運動会」と呼ばれ千人規模で小さい子からお年寄りまで参加するそうです。

そして二人が実現したもう一つの大きな事柄は「社員のための会社」の実現です。
島根電工には元々「この会社は社員の会社である」という考えの下、「社員持株会」がありました。しかし実際は、退職する際に社員は社員持株会社に残していくのですが、役員は辞めていくときに持って行ってしまいます。二人は「言っていることとやっていることが違うじゃないか。会社に株がなくなってしまう。」と危機感を感じます。「これからは社員とその家族を守るための会社作りをしよう」と誓います。それが社員による社員のための持株制度の出発点でした。荒木社長によれば

「 このままいくと我々がまた株を持ったまま引退します。そうすると役職員が株を持てなくなるんです。社長になる者、取締役になる者が株を持たないのはダメだから、私と陶山会長が何とかしないと、ということで株主であるOBに協力してもらって買戻しを行いました。私も会社を辞める時は、株を全部、持株会へ定価の1000円で売ることになります。 」

とのこと。そして役員OBからは定価の3倍の価格で買い戻し、現在、従業員と役員持株会で91.8%、社外が8.2%の比率になっています。名実ともに「島根電工は社員の会社」が実現したのです。会社を通して、社員、その家族とゆるやかな共同体が形成されており、それが島根電工の強さの秘密だと考えます。

 

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