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2017年05月02日

飲食店の常識を覆す未来食堂 ②共認充足がカタチとなり人をつなげる

前回に引き続き「未来食堂」について紹介していきます。「未来食堂」は、東京都千代田区一ツ橋のオフィス街で、小林せかいさんという女性が一人で切り盛りしている食堂です。小林さんは、東京工業大学卒業後に日本IBM、クックパッドでエンジニアとして働いたバリバリの理系女子なのです。
その「未来食堂」を ①独特のメニュー ②「まかない」というお手伝いシステム ③情報公開  の3つのポイントで紹介しますが、今回は②「まかない」というお手伝いシステム を紹介します。

■ 小林さんの開発した「まかない」とはどんなシステムなのでしょうか?

「まかない」とは店でお手伝いを50分すると、無料で一食が提供されるシステム。お手伝いの時間と内容は決まっていて、ランチタイムの客の注文取りや、閉店後のお掃除など。ユニークなのは、この「まかない」でもらった食事券は自分で使ってもいいし、店に来た不特定の誰かが使用することも出来るシステムなのです。

この写真はコチラからお借りしました

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このシステムについて

「普通に考えれば、『お店に来てもらう=お金を払ってもらうこと』。確かに来てもらえるだけでうれしいですが、ビジネスでもありますので、お金はいただかねばなりません。だから『来て下さい』とは、どこか言いづらい。相手にお金を要求しているのと同じだと、自分は感じてしまうのです。
じゃあどうすればいいんだろう。どうすれば手放しに『来て下さい』と言える仕組みを作れるだろうと考えました。そこで出てきた答えは、お客さんとの間にお金以外の何かを介在させれば良いということ。お金ではなく労力を払う『まかない』という選択肢を作ることで、気兼ねなく人を巻き込むことが出来るようになりました。「お店に来てよ」よりも「まかないしにきてよ」の方が自分にとってずっと言いやすい。相手をお金として見るのではなくて、仲間として見ているのですから。
例えば、1人暮らしの学生さんには価値を感じていただけると思います。また将来、お店を持ちたい人にとっては、勉強になるかもしれない。そしてもう一つ。例えば今、休職中であったりとか、さまざまな事情で自分の居場所がない人にとっての、大切な場所になるかもしれない。例えば『ここだと誰かと一緒にいられる。頑張れる』というような場所ですね。
今、まかないをやってくれている方にもそう考えているケースがある気がしますし、そのような方は今後きっと増える。まかないが、彼らにとってのセーフティネットであってほしい。私の中には、そんな思いがあります」(小林せかい氏)

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小林さんはなぜ「居場所」にこだわるのか?そのきっかけとなった幾つかの経験がある。

「子供のころから本が好きで、15歳のころ、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』を読むため、生まれて初めて一人で喫茶店に入ったことがあるんです。その時に覚えた感覚は、何とも新鮮なものでした。
当時は中学3年生ですから、居場所は自宅と学校だけ。そう思っていました。でも、そのどちらでもない場所、今で言うサードプレイスにいる、何者でもない自分。その存在がとにかく新鮮で。そして『こういう場所を作りたい。いつか作るんだろう』という思いが、自分の中でストンと落ちた。読んでいる本の話ができる、学校とは違う自分の場所がほしい。そう思いました」(小林せかい氏)

そして、進学校で過ごした高校時代に彼女は進路に悩み、2カ月間、家出をしたことがある。その時の経験が土台になった。

「普通なら受験勉強で忙しくなる、高3の9月のことでした。ふと『勉強って何なんだろう? 大学に進学することの意味は何なんだろう?』という疑問にかられ、家出をしてしまったんです。高校の時は『この世に”救い”あるのだろうか』という問いに答えを見つけたくて、文系で宗教哲学を学ぶべく進路を決めていた。でもそれは大学に行かないと学べないことなのか、進学して先延ばしにするのではなく、今その答えを見つけることも出来るかもしれない。そう悩み、受験に追い立てられる環境から全てをリセットして答えを探しに行ったのです。
なけなしのお金を握り締め、ボストンバッグ一つで東京に行きました。街角、池袋のサンシャインシティに向かう大通りなんかで座り込んでいると不安で仕方なくて『誰でもいいから話しかけてほしい』と思いました。でも、当然だけれど、誰も話しかけてくれなかった。この世に自分が一人ぼっち。それは、身を切られるほどつらかった」(小林せかい氏)

その後、どうにか仕事を見つけ一人暮らしを始めたある時、職場の人達とご飯を食べる機会があったそうです。

「チェーン店のから揚げ弁当でした。何も気力も食欲もなくて、仕事先の人達が注文するのに適当に合わせただけ。弁当が届き、みんなで『いただきます』と言った瞬間、思ったんです。『ああ、これなんだ』って。 気持ちが爆発して、何かが吹っ切れた。真っ暗だった気持ちが瓦解し、隠していたけれど涙が止まらなかった。『ああ、この世の中には救いがあるんだ』と、只々その衝撃のような気づきがありました。
この時、実感したこと。言語化出来る今からするとそれは、人と人の間には触媒がある、ということでした。触媒とは、変化を加速させる物質です。その時、私は絶望の淵にいました。そして『いただきます』と言った人も、別に、私を励まそうとなんて思っていない。もしかすると『ああ、だるい』と思いながら、何となく言葉を発しているのかもしれない。
その温度差を起こしうるものこそが触媒であり、私にとっての救いだったんです。何気ない一言で良いんです。受け手の人間はそれを爆発的なエネルギーに変えられる可能性を持っている。そのことが奇跡のように尊いことなんです。
人と人との間には、ものすごく尊いものがある、救いは、ある。それがわかったその瞬間、私は家に電話をして、親に『帰ります』と伝えました。家を出てからちょうど2ヶ月が経った夜でした。

独りぼっちはつらいものです。だから私もそういう人がいたら、どうにかしてあげたい。なんとかしたい。もし誰かがあの時の自分と同じ思いをしていたら、同じ気持ちに決してさせたくない。そんな人間はこの世の中に一人もいちゃいけない。そんな悲しいことはだめなんです。その気持ちが、『まかない』という考えにつながっています。もちろん、『まかない』には経済的なメリットもあります。でも、それが目的では決してありません」(小林せかい氏)

小林さんが感じた、人と人との間にある “尊いもの” とはるいネットによれば共認充足ということ。
例えば災害直後のどうしていいか分からない状況の時に、同じひどい境遇の人の存在を見ただけで感じる安心感も、この共認充足なのです。
そして小林氏はその共認充足を「労働」→「食券」という、目に見えるもの、さらに流通できるものに転換するシステムを作り出したのです。この「労働」でも小林さんやお客さんとの共認充足を得られ、さらにその食券を利用した人も皆との食事で共認充足を得るわけです。
この共認充足は人類における根本充足であり、活力の根源でもあり、これがもしお金に代わる交換機能の一部を担うまで広がれば、社会は共認充足を軸にした構造に生まれ変わることができるのです

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