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2017年09月27日

消費者と生産者をつなぐことで新しいコミュニティを形成 ~福島屋

「本日、○○特売日!大特価セール!」 この文字に心躍る奥様方も多いのでは?

日本には食品スーパーマーケットが約2万店あると言われています。そこでは毎日安売り競争が繰り広げられているのが普通です。客層の中心である主婦たちの中には広告チラシを見比べて購入店を選ぶのを楽しみにしている人も多いはず。
しかし東京都羽村市にあるスーパー福島屋では、他店との安売り競争は致しません広告チラシ配布も致しません、というユニークな戦略を取っています。それで一体なぜ上手くいっているのでしょうか。今回も「日本のいい会社」(ミネルヴァ書房:坂本光司著)から要約しながら、「福島屋」の活躍を紹介します。

福島屋は、1971(昭和46)年に創業。現会長の福島徹氏の両親が、生活必需品全般を販売するために立ち上げた「まちのよろず屋」が始まりです。

その後福島氏が大学卒業し、本格的に経営を担うようになり、大型2号店を出店するまでになりました。しかしその頃から思うように商品が売れなくなります。当時は「よい商品」を理解してくれないお客さんに対して苛立ちを持つようになり、完全に壁にぶち当たりました。

そのとき「 最近、痩せたんじゃない? 」 「 よく働くわね、体に気をつけて 」
と逆にお客さんの方から福島氏に声をかけてくれるようになったのです。

そして毎晩寝るたびにお客さんの笑顔が浮かび、感謝の声が聞こえるようになったのです。そのことが福島氏の大きな活力となり、お客さんの期待に応えることを誓ったのです。このとき「よい商品」とは売り手の都合を優先させて選んだ商品ということに気付き、お客さん側に立った商品選びに切り替え。ここから今日の躍進へとつながります。

これは福島屋の経営理念「私たちは食の提案者」につながります。

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写真はコチラからお借りしました

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福島屋は、単なる商品、食品を提供するのではなく、おいしさや健康など「食」を通じての充足できる環境を提供しています。実際、お客さんを対象にした料理教室や、専門家を招いての講座、意見交換会を毎月開催し、そこから商品開発やサービスに反映させています。
ちなみに料理教室の講師は、福島屋社員や店の商品を生産している人たち。素材の特長を活かした調理法を紹介することで、バラエティに富んだ食事を楽しめるのと、商品への信用度が増してきます。
主婦20人で構成された「Mrs Pro’z Smiles」というプロジェクトでは、主婦の視点から安全で安心できる美味しい商品を提案したり、見易くて買い易い商品陳列のアドバイスする役割を担っています。

一方で、生産者育成にも福島屋は大いに力を入れています。例えば大手スーパーから受け入れ拒否された規格外の野菜を受け入れ、新しく加工することで商品として販売しています。

さらに「津々浦々物語」という販売コーナー。ここで取り上げる商品は福島屋自身が品質最重視で全国を駆け回って探し求めた未だ知名度のない特産品です。ブランド化されていないので売れにくい商品ですが、福島屋が責任を持って販売し、お客さんに判断してもらい、高い評価を得たならば、より大きな市場に売り込むという企画です。ともすれば生産者が苦手な営業の側面をサポートするというわけです。

例えば「きあげ」という醤油。福島会長が、福島県伊達郡にある安齋醸造を訪問した際に偶然見つけた非売品です。「きあげ」というのが殺菌工程で火入れする前段階にあり、酵母が生きている発酵途中の醤油です。これまでは賞味期限が短いため商品として出荷せず、農家が自宅で使っていたのですが、味見をすると、荒削りながら深い味わいに大きな特徴がある一品でした。
当然のことながら安齋醸造社長は、販売を断ります。醤油は火入れを行って味の劣化を避け、賞味期限を長くする方が買われ易いからです。

しかし福島会長は、たとえ賞味期限が短くてもお客さんは美味しいものを食卓に並べたい、はず。そのために短い旬のうちに食する努力をお客さんにしてもらえばいい、と考えたのです。作り手と売り手の熱意がぶつかり合い、4つの約束を守ることを条件に商品化となりました。①低温での流通、②消費者への説明、③予約受付から商品発送まで2~4週間、④期限内の使い切り。これこそ、生産者と消費者が相互に物語を理解しないと成り立たない商品なのです。

他店との安売り競争という閉塞状況を突破するには、市場における取引関係を越えて消費者と生産者を結びつける新しいコミュニティの形成が不可欠なのです。それがモノが豊かにある時代に消費者が求めるスーパーマーケットの姿なのです。

 

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