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2018年02月21日

老舗企業大国日本③ ~木ロウ技術をコピー機に取り入れたセラリカNODA

株式会社セラリカNODAは、会社としての創立は昭和31年だが、創業でいえば天保3(1832)年で、既に185年もの歴史を持つ老舗企業です。福岡で木ロウ(木蝋・もくろう)の製造と販売を営んできた、この老舗企業について「世界が賞賛する日本の経営」(伊勢雅臣著:育鵬社)を一部引用して、老舗企業から学ぶべきポイントを抽出したいと思います。

木ロウはウルシ科のハゼの木などの実に含まれる脂肪分を抽出して作られ、ロウソクや石鹸、鬢付け油に用いられました。近代に入ってからは男性整髪料ポマードの原料としても使われてきましたが、昭和40年代半ばにヘアトニックなどの新しい整髪料が登場すると家業は危機に瀕したのです。

丁度その頃、先代社長が急逝し、広島大学で情報行動学を学んだ息子の野田泰三氏が、急遽会社を担うことになりました。

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野田社長が、木ロウの新しい用途はないか?と考えていたときにヒラめいたのが、自分が学んだ情報分野の知識から、コピー機のトナーに使えないか、というアイデア。木ロウは熱に溶け易く、しかもその後直ぐに固まる。この特長を生かせば印字し易くかつ擦れにくいトナーができるはずだ、と考えたそうです。

当時、日本のコピー機業界は、アメリカのゼロックス社の独壇場を崩すべく、国産の全く新しいトナーを作り出そうという機運が高まっていました。野田社長は、飛び込みでキャノンやリコーに売り込みをかけ、その主張が実験で裏付けられるや、トナーの添加剤として次々に採用されていきました。
こうして日本古来の木ロウ技術が、情報産業の最先端に取り入れられたのです。

ロウは昆虫からも採れます。カイガラムシは樹液を吸ってしまう害虫ですが、真っ白な「雪ロウ」を分泌します。この雪ロウは光沢があり、化学的にも安定しているため、潤滑剤や防湿剤、カラーインクの原料としての可能性を秘めていました。

野田社長は中国側と共同して、カイガラムシが好むモチの木を、内陸部の雲南省と四川省の山間部に50万本植え付けました。これをカイガラムシに食べさせて雪ロウを分泌してもらう。それを現地の農民が採取→日本で製品化・販売する、というシステムです。

これなら中国での環境保全と農民の貧困救済を同時に追求できる。野田社長は語ります。

「人間は地球の王様みたいになりましたが、昆虫の方は凡そ180万種もの多様な生物種として存在している。それなのに人間が“益虫”とみなして利用してきたのは、ミツバチとカイコくらいで、あとのほとんどは“害虫”と邪魔者扱いしてきました。農薬とか殺虫剤でどんどん殺してきたわけですね。こういった人間からの価値付けだけで、邪魔者を排除する発想が、開発の為に自然を破壊する行為にもつながっているんですね」

今までの「殺す発想」から生かす発想」に転換する必要がある、と野田社長は言います。異種なモノが互いの特長を連携することで新しい価値を生み出す。新しい可能性を開発することと「自然との共生」は実は一連のものなのです。セラリカNODAは、そのことを体現している会社でした。

 

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