2019年01月17日
日本人が失いつつある力
社会全体が学歴よりも、本当に必要な能力を求めて人材募集をするようになってきましたが、
一部大手企業ではまだまだ学歴偏重が続いているといいます。
豊かさが実現されても尚私権を追い求めた末に、日本人は本来もっていいた力を失いつつあります。
それは、『人の力を引き出す力』。
こんな話があります。リンクより
>40万人以上が受験する全国模試で10本の指に入るような成績を誇った旧帝大生が、ある避難所でボランティアを始めた。毎日大量に届く救援物資を仕分けし、種類と数量を完全に把握し、被災者に配る量を即座に計算し、不足が予想される物資を他のボランティアに告げ、補給を指示した。その正確無比な活躍を見て、いつしか「歩くコンピューター」とあだ名されるようになった。しかし激務がたたって、10日ほどでぶっ倒れてしまった。
次に物資担当を引き受けたのは、同じ年齢だけれども、若くして建設業を継いだという、高卒の若者。「とても前任者のマネはできません。僕なりのやり方に変えさせてもらっていいですか?」。もちろん、「歩くコンピューター」のマネができる人間なんかいないので、誰も異を唱えなかった。
その若者は物資を種類ごとの「島」に分けた。インスタントラーメンの島、ミネラルウォーターの島、使い捨てカイロの島。その島が低ければ「あ、調達しなきゃ」というのが一目瞭然。物資の仕分けも簡単で、それぞれの「島」に積めばよいだけ。物資の種類も量も、ザックリとだが誰の目にも分かりやすくなった。
「歩くコンピューター」が健康を回復し、再び救援物資の管理をしようとしたら、その必要もなくなっていた。皆が誰の指示も仰ぐことなく、自主的に仕分けし、不足する物資を調達してくるようになっていたからだ。
>学力という意味では「歩くコンピューター」の方がはるかに上だったろう。記憶力、論理能力、計算能力、そうした「お勉強」の力は、誰よりも卓抜していた。しかし、特別な能力がなくても皆が自立的に判断することができ、自主的に活動し、集団がトータルとして活性化したのは、建設業の若者の提案したシステムの方だった。
個人の能力が優れているよりも、システムとして優れていることの方が大事なのかも。ひとりの能力が輝く一方で他の人たちが指示待ちになってしまう仕組みより、誰もが自主的自立的に能力を発揮する仕組みの方が優れているのかも。そう痛感させられた経験だった。
>2001年、私は中国に渡った。中国が現在のように発達し巨大な経済力を示すようになるとは、大半の日本人はまだ信じていなかった。中国の人も、当時、日本人に敬意を抱いていた。その旅先で、興味深いことを聞いた。
「中国人は会社に勤めると、自分の功績を大きく見せるため、『自分がいないと仕事が回らなくなる』ようにしてしまう。そのせいで、その人がいなくなると、どうしたらよいのかさっぱり分からず、大混乱する。その点、日本人は、自分が異動しても問題なく仕事が回るように引き継ぐ。自分にしかできない仕事にするのではなく、誰が取り組んでもそれなりの結果が出る仕組みに変えていく。これを中国人も見習うべきだ」
私はへええ、と驚いた。そして、記憶に刻み込まれた。というのも、それからしばらくして小泉政権がスタートし、「トップダウン」という言葉が流行すると、優秀な人間が「既得権益」を守ろうとする暗愚な凡人たちを怒鳴り散らし、「俺がいなけりゃ回らない」というリーダーシップ(?)を振るう人が日本に増えていったからだ。もしかしたら、今世紀に入って以降は、中国人が日本人化(自分でなくてもシステムが回るようにする)し、日本人が中国人化(自分がいないとシステムが回らないようにする)していった歴史だったのかもしれない。
=引用ここまで=
私権を追い求めるあまり、日本がここまで成長を遂げてきた源でもある、『集団での追求力』を失っているのではないでしょうか
中国がここ十数年で宇宙開発をはじめ、科学技術の発展が著しいのも、日本人のもっていた『人の力を引き出す力』を高め、
集団での追求力が上昇しているからかもしれません。
しかしここ数年で日本でも、学歴主義社会の崩壊、本物の追求力への欠乏が顕在化してきています
※躍進を続けるUNIQLOでは、とにかく「チームで仕事をすること」=「チームで考え実行する」ということが徹底されています。
一つの成果を出すために全部署が連動し、互いに巻き込み合いながらまさに集団で追求している。
激動の時代、『集団での追求力』を高めることができるかが鍵となります。
とくに次代を担う子どもたちの追求心に蓋をせずに、自らも『仲間との追求』の中に身を置いて、追求する姿を見せていくことが、
現代の大人に託された重要な役割です。
- posted by 岩井G at : 20:47 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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