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2019年07月18日

サウスウエスト航空 ~顧客を大切にする「社員」を大切にする会社~

アメリカの経営大学院で度々研究事例として取り上げられる会社にサウスウエスト航空があります。このサウスウエスト航空は、1971年にダラス・ヒューストン・サンアントニオの3地方都市間の運航を開始。以来40年もの間、黒字経営を継続させています。あのアメリカ同時多発テロ事件による景気低迷の中でも赤字を出さなかった数少ない企業の一つです。
サウスウエスト航空はどのようにしてこのような企業になったのでしょうか。

アメリカは国土が広大なため航空機の利用が多い。国内路線には、地方空港と近隣都市を結ぶ短距離路線と、主要都市間を結ぶ長距離路線があります。 サウスウエスト航空が参入する前は、国内航空は規制下に置かれていて長距離路線がドル箱状態でした。そこで長距離路線のドル箱を狙って大手の航空会社は、短距離路線を使って長距離路線に客を集約するハブ・アンド・スポーク方式で運航する仕組みを作っていました。
※ハブ・アンド・スポーク方式とは、大都市の空港を中心とした就航路線のこと。周辺の地方空港から大都市の空港に乗客を集めることで、大都市間の長距離路線の空席を減らし路線本数を最適化できる仕組み。
結果として、ハブとなる主要都市空港の需要が高まり、空港利用料金は高騰していました。
そんな中で新規参入するサウスウエスト航空がクリアしなければならない課題は3つでした。

1.ハブ空港を避ける直行便開拓  2.コスト削減  3.ターン時間の短縮

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1.ハブ空港を避ける直行便開拓
ハブ・アンド・スポーク方式では、主要空港での高額な空港利用料が必要です。又ハブ空港は他の航空会社の利用も多く、ターン時間(飛行機が着陸してから次に離陸するまでの時間)がかかってしまう。低価格で高い回転率を上げるには、二番目に乗客が多い都市を結ぶ二都市間での直行便を開拓することにしました。

2.コスト削減
①機体の統一:サウスウエスト航空の機体は全てボーイング737に統一されています。これにより保守部品調達を一元化し費用削減。さらに整備作業や各種教育及び各種ルーティング業務も同じなので、学習効果による工数削減含まれます。
②機内サービスの廃止:例えば機内食はありません。(平均飛行時間が1時間程度なので機内で食事する必要性も低い)但し別の意味でのサービスは充実しています。例えば機体は同一ですが、カラーリングで楽しさを演出。又、操縦士が窓の外の景色を解説したり、客室乗務員もラップや替え歌を歌って乗客を楽しませています。
③チケット予約の廃止:サウスウエスト航空のチケットには座席番号はなく、全て自由席。個々の顧客から座席希望を聞いて処理する手続きを簡素化し、コスト削減している。

3.ターン時間の短縮
ターン時間とはサウスウエスト航空の目標ターン時間は15分。これは大手航空会社の1/3。勿論、地方都市間の直行便なので、混雑が少ないことが第一理由ですが、それ以外に準備時間の短縮についても、F1レースのピットインのクルーの動きをベンチマークして、スタッフ一丸となって取り組んでいます。さらに客室乗務員も機内掃除を行い、地上職員はトイレ掃除と飲み物を補給し、定時出発するために空港での荷物の積み込みを操縦士や客室乗務員が手伝うことは珍しくない。一人何役もこなしています。

そしてこれらを支えるのが会社理念です。
最も特徴的な会社のポリシーの一つが、「社員第一、顧客第二」を掲げていること。CEOであるハーバート・ケレハー氏は「従業員を侮辱するようなお客様は自社の飛行機には乗せない」と公言しています。

これは顧客を大切にしない、という訳ではありません。それはサウスウエスト航空の採用試験に表れています。
面接試験は複数の人数で同時に行いますが、受験者が大きな部屋で待っていると、スタッフが現れ、受験者に投げかけます。
「皆さん緊張してそうなので、誰か面白いことを言って緊張をほぐしてもらえませんか?」
すると「私やります」と手を挙げて積極的に動く人がいます。
そういう人を採用する・・・・・と思いきや、違います。そういう緊張の場面では、前に出てくれた人の話は大抵面白くない。それでもそれを見て微笑んでくれる人を採用するのです。「面白くなくても相手の話を一生懸命聞いてあげて、笑ってあげられる人格の持ち主」が「お客様に最高のサービスをしようと心がける人」であり、サウスウエスト航空が求める人という訳です。マニュアルではない本当の接客につながる。そんなスタンスの社員を侮辱する客は客でない、というのがCEOの発言なのです。

つまり相手(≒顧客)を大切に思う社員を、会社として大切にすることで、顧客サービスも充実し、結果として顧客満足度を上げられるという連鎖反応を起こす。これが大きな外圧にも対応できる強い組織の構造なのです。

<参考サイト>
サウスウエスト航空の成功とビジネスモデル
40年の黒字経営を支える『サウスウエスト航空』の企業理念
自分をデザインする生き方

 

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