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2020年07月17日

今の組織に必要な指揮官の統率とは

2020年7月に理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピュータ「富岳」が計算速度ランキングで世界一となりました。この「富岳」はCPU(普通のパソコンには1個ある演算装置)15万個を高速接続しています。それだけのCPUを接続連動させるのは、ヒトに置き換えるとどれだけ難しいと想像できます。
逆にいえば、個々の力を如何に発揮させ統率するかが、いつの時代も組織の大きな課題です。
今回は、元東部参謀陸軍少佐の大橋武夫氏の「参謀学」(ビジネス社)を参照しながら追求していきます。

企業組織は軍隊に例えられることがあります。その軍隊組織はよくナポレオン以前とそれ以後に大きく分けられます。ナポレオン以前は号令戦法として、大将のかけ声で兵隊同士が戦うやり方でした。(*号令戦法とはやるべき行動のみを伝えること)

それを激変させたのがナポレオン。彼の時代になると兵数は数十万人に増え、戦場も広くなります。ナポレオンは革新的戦法を生み出す天才でしたので、その能力を最大限に生かす命令戦法で兵を動かします。(*命令戦法とは目的とそれを達成するための方法を伝えること。)
具体的には兵隊を師団に分割し、複数の師団を束ねる軍団複数個を将軍が統合する体制に組み替えたのです。そして分化した師団ごとに動く各個撃破戦法を多用したので、兵隊の行動は複雑です。そこで指揮官の統率を助ける機関として、参謀組織を作ったのです。

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参謀というと、三国志で有名な諸葛孔明のような策略家をイメージするかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

例えば、自動車を30台ほど指揮して走る場合を想定してみましょう。少し道を間違えても引き返すことは大混乱を起こし、時間も無駄になる。道端に自動車が1台はみ出していても、大渋滞を引き起こしてしまう。
これを予防するにはオートバイを3台ほど先行させ、道を確かめて誘導したり、障害物を取り除いたり、交通整理をさせたり、必要な注意を各車に伝達させたりすることが必要。このオートバイ群に相応するのが参謀の役割なのです。

ナポレオンは考える細胞としての参謀機関と、実行する細胞の兵隊を明確に分けたのです。
参謀機関が課題を抽出し、それをクリアするナポレオンの方針を持って戦うことで勝利が見えてくるのです。

そのナポレオンを破ったプロセインが取った戦法は、各師団に参謀機関を付け、さらに権限を委譲した訓令戦法です。(*訓令戦法とは目的を伝え方法は一任すること。)
ナポレオンの命令戦法が絶大なのは、その命令が的確に伝わっているとき。刻一刻と変わっている戦況を把握するため、ナポレオンは馬を使い広い戦場を疾駆したそうだが、馬とナポレオンの体力の限界の中でしか、その効力は発揮できなかった。中央集権方式で部下の行動を強く統制したナポレオンの戦法の弱点を突いたものでした。

師団に権限を与えたことで想定した戦況とは変わっても、最前線で状況を掌握している師団自身が自在に戦法を組み立て直し、対応できるのです。
現代の企業における事業部制は、この体制の応用です。

このように組織の規模や指揮官の能力に応じて、体制を組み替えることが不可欠です。
肝は如何にそこからチーム力を上げられるか?そこにはチームの一体感を高め、個々の能力を余すことなく集結することが焦点となります。そこで重要なのは指揮官の統率力
「参謀学」によれば

指揮官の統率とは、「統御」「指揮」すること

統御とは、集団内の各個人に全能力を発揮して指揮されようとする気持ちを起こさせる心理工作であり、指揮とは統御によって沸き立たせ掌握したエネルギーを総合して、集団全体の目標に適時集中し、促進して効果的に活用することです。統御は戦いの動因そのもの。
「参謀学」では統御の法則として、「成功する」「利益を与える」「恐怖を与える」「ヘッドの次にハートを狙う」が挙げられていますが、それを私なりに現代に置き換えると

統御の法則
1.外圧直視。適応すべき外圧を真正面から受け止め言い訳をさせない
2.勝つこと。勝つ可能性を感じさせること
3.信賞必罰。役割を明確にし成果に対して評価を与えること
4.内部意欲喚起。理性は人に方向性を与えるが 推進する上で内部意欲が不可欠

豊かになった現代では「仕事だからやる」というのは前向きなスタンスではない。誰もが持っている、誰かの役に立ちたいという欠乏を喚起→追求意欲に転化→仕事に直結させることでしか仕事の意欲は生まれないのです。

組織体制に違いがあるにせよ、勝てる集団とは、集団全体からそれを構成する小集団に至るまで徹頭徹尾、指揮官の「統率力」の下で「事前の課題発掘と方針出し」、変化する「状況の掌握と対応」できること。そして今は「答えのない時代」で、指揮官自身も答えを持ちえない。したがって「統御」によって「富岳」のように成員全員の追求意欲を高め最速で答えに辿り着くことが最も重要。それは、成員をつなぎ組織の一体感を生み出す指揮官自身の「志」が問われていることと同義なのです。

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