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2021年04月07日

森の力で本能を解放する

「株式会社森へ」という会社が横浜にあります。ここは、人々を森へ連れていく「森のリトリート」というプログラムを、山中湖や那須の森をはじめ全国で展開している会社です。
代表取締役は山田博さん。病弱でいじめられっ子だった彼の幼少時代の唯一の居場所が那須の森でした。その体験を礎にネイティブ・アメリカンの教え等も加味したプログラムです。

どうして山田さんはこの会社を設立したのでしょうか?
山田さんは、大学卒業後、リクルートに就職。その後39歳の時にコーチングのプロとして独立→休みなく働くその2年後に電車の中で意識不明になり救急病院に搬送されました。幸い意識は戻りましたが、精密検査でも異常はなく医学的には原因不明。そのとき山田さんが感じたのは、コーチングでクライアントのネガティブな感情を引き受け続け、それが体内に蓄積されてしまったのではないか、ということ。そのため心身ともに限界を迎えてしまったのです。

この臨死体験が彼の根源的な生存本能が生起したのでしょう。そこから生き延びた意味を探るべく、自分の「役割」や「目的」「やりたいこと」を掘り下げて「自然と触れ合う事業」に行き着き、それが東日本大震災以降益々強くなり「森へ」設立に繋がっていったのです。人が人に相対する限界を知り。それを自然に委ねるという取り組みです。

「森のリトリート」は基本2泊3日で、いずれも6人以内のグループで手つかずの森に入ります。森に入ると、各々何かを感じる自分の場所を見つけ、そこに数時間くらい留まり、1人で過ごします。時間が来たら集合して焚火を囲んで皆で対話します。これを3日間繰り返す、という日程です。

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私たちは普段、自分と他人、自分とモノ、モノとモノを区別して世界を認識しています。 山田さんによれば、森に入るときには普段のように何かに焦点を当てるのではなく、視野を広げ全体を見渡す「ワイドアングルビジョン」で見るのがいいとのこと。ネイティブ・アメリカンが用いる見方で、彼らはこれにより森の中で獲物が来ることを感じ、薬草になりそうな植物を見つけ、雨が降りそうなことを察知しています。山田さんによれば、このワイドアングルビジョンでいれば、ハンティングのようにこちらから探すのではなく、自分にとって意味のあるものが向こうから現れてくる、とのこと。

参加者の言葉として

「森なんて、遠足で行ったことがある」くらいに思われるかもしれませんが、手つかずの森に自分だけがいて、長時間、じっと森と対話するという経験は、都会人の想像を遥かに超えた斬新な体験です。
1人で静かにじっとしていると、いろいろなものが見えてきます。日頃は都会で細かいことは観察せずに急いで暮らしている私たちが、いつもと違った開いた心と体、静かな呼吸で森を歩き、五感を鋭敏にして風や鳥や虫の音を聞き、木々や苔や土のにおいを嗅ぎ、何か自分に響く自分だけの場所で、1人になって静かに森と対話し、手で古木の苔に触れたり、裸足になって落ち葉の上を歩いたりしていると、森の豊かさがよくわかります。日本は美しい。

じっと見つめていると、色々なことが見えてくるのみならず、ヒントに満ちています。手つかずの森は、若い芽から古木・倒木までが共存し、いろいろな木の葉が多層になって天に伸び、倒れた木に苔やキノコがはえ、虫が舞い、這い、風や雨が音を立てる、まさに多様性共生の世界。自分は協創システムの一部であるとしか考えようがない、圧倒的な調和の世界。

世界的な社会活動家であるリン・ツイストさんは、私たちの社会を「トランス状態(本来あるべき意識にない状態)」と評しています。ありもしない恐怖を創り出して、それを払拭しようとみんな必死になって働いてモノを集めて。それでも結局恐怖を払拭することはできない。人間が至福を感じたり喜びを感じたりするのは、自分は生命の一部なんだと思えること、命につながっているという体感だ、と語っています。

私たちは、既に私権獲得の欠乏は薄れて、仲間を求める共認欠乏へと移行していますが、社会は未だに私権闘争を前提とした制度で運営されています。その意識と実態との大きなズレが大きなストレスとなり、統合不全に陥っています。しかし所詮、社会制度は人が作ったもの。その小さな人間社会から外に出ると、そこには自然の摂理に基づく大きな世界があります。
人々の期待に応える社会へと転換していくためにも、自然の摂理に基づいた集団規範及び社会制度を作り出していくことが不可欠です。そこで鍵になるのが生存本能も含めた本能の解放で、そのためにも「森へ」の取組みのように自然に身を委ねることは重要な視点だと考えています。

※参考:ティール組織の代表例、株式会社森へによる「森のリトリート」
現代人がかかえる「そこはかとない不安」を癒す「森の力」に惹かれて事業を起こす
プロフェッショナルのターニングポイント

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