2021年10月07日
【観念機能を正常に作動させるには?】本能⇒共認⇒観念の進化過程から観念原回路を探る①
では、追求テーマを整理しましたが、今回はその第一弾、
本能⇒共認⇒観念の進化過程から観念原回路を探る① です。
①では特に本能の進化過程を整理していきたいと思います。それでは見ていきましょう。
〇生きとし生けるものすべて外圧に適応するために存在している。
まず大前提として、あらゆる生物には外圧に適応しようとする「適応本能(生存本能)」が備わっています
〇生物にかかる外圧は?
生物にかかる外圧は
①自然圧力
②種間闘争圧力(違う種との闘い)
③同類圧力(同じ種の中での闘い)
に大別できます。生物の歴史はこの3つの外圧への適応の歴史と言っても過言ではありません。本能も共認機能も観念機能もすべてこの3つの外圧に適応するために形成されてきました
〇本能機能の成立構造
原始生物にかかる外圧は自然圧力。この自然圧力に適応するために獲得したのが、餌を確保する闘争本能、そして子孫を残す生殖(分裂)本能です。この闘争と生殖は、わたしたち人類に至るまで生物の基本構造として脈々と受け継がれています。
また、単細胞生物も群れをつくる事から「集団(追従)本能」も早い段階で形成されていたと思われます。生物は「個」ではなく「集団」が原点なのです。外圧に適応するためには、集団の方が有利だったのでしょう。
生物が一定繁殖してくると、自然外圧に加えて種間闘争圧力も高まってきます。弱肉強食をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。生物は自然外圧と種間闘争圧力に適応するために闘争機能、生殖機能を高度化させて行くことになります。
雌雄分化も早い段階で行われていますが、雌雄分化した種は、同一種間の淘汰適応圧力を形成していきます=強者が生き残る事で種として強くなる(同類闘争圧力)。すなわち闘争本能を基盤として、オスがメスを奪いあい、メスはオスを奪いあう(挑発しあう)性闘争本能が形成されます
こうして自然外圧と種間闘争圧力に加えて同類闘争圧力が新たな圧力として加わっていきます。
このように生物はこの3つの外圧に適応するために進化してきました。
次の転機は哺乳類です。
弱者であった原始的な哺乳類は生き残り戦略の一つとしてお腹の中で子供を育てる胎生を獲得しました。私たちにとっては当たり前ですが、生物にとってお腹の中で子供を育てるというのは大変な事です。血が繋がっているとはいえ自分の身体の中に異物を取り込む為、通常であれば拒絶反応を示してしまいますそこで哺乳類は、拒絶反応が起こらないように母子間の親和本能を強化していきます。(親和物質=オキシトシンを分泌するようになる。
なお、この親和本能ですが、脊椎動物、昆虫類もオキシトシン類似物質を分泌することから、親和本能もまた古くから形成されてきた機能なのだと考えられます。
https://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=351551
https://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=137782
一度に大量の卵を産み、その大部分が成体になるまでに外敵に喰われることによって適応を実現していく卵産動物に比べて、胎内保育と産後保護の哺乳類は卵産動物の様な淘汰圧力が働きにくくなります。
その結果、淘汰過程が成体まで引き伸ばされることになり、成体になってからの淘汰圧力を激化する必要が出て来ます。それが性闘争本能の著しい強化です。
この強すぎる性闘争本能は、生物が持つ集団本能を封鎖し、集団を解体してしまいます。事実、哺乳類の3/4は集団を形成せず、単体行動をしている事が分かっています。
http://www.seibutsushi.net/blog/2021/09/7301.html
一度集団を解体した哺乳類の一部はその後母系集団を形成していきますが、この強すぎる性闘争を抑止したのはメスの親和本能である、という事が分かってきました。
母子間の親和本能をメス間に機能拡張し、性闘争本能を上回る親和物質を大量に分泌することで集団化に成功したのでしょう。集団化したのがメスでオスは繁殖期以外には別世界で暮らしていることからもそれが伺えます。
http://www.seibutsushi.net/blog/2021/09/7312.html
http://www.seibutsushi.net/blog/2021/09/7326.html
足早でしたが、本能の進化過程を見て来ました。
下図にその過程をまとめましたが、闘争、生殖、集団本能を基盤に3つの外圧に適応するために、機能を進化させてきたことがよく分かります。
次回は共認機能と観念機能の形成過程について整理していきたいと思います。
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