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2021年11月17日

【観念機能を正常に作動させるには?】万物との一体化を可能にするトランス状態とは?①音楽による事例

前回、シャーマンが超自然的(霊的)存在と一体化する何らかの「回路」を開く際、一種の変性意識である「トランス状態」に入る事を紹介しましたが、これからいくつかその「トランス状態」の事例を紹介していきます。

今回紹介するのは、「音楽」によるトランス状態です。下の映像は引用文の中にも出てくる「ケチャ」です。

今は観光用にアレンジされているそうですが、それでも、映像から伝わってくる迫力と、あちらの世界に導かれるのではという胸の高まりを強く感じます。
(1分40秒過ぎからケチャが始まります)

音楽によるトランス状態より引用します

(前略)

音楽にはトランス状態になる要素が元々あります。

1番わかりやすい例は、インドネシアのバリ島で行なわれる「kecakケチャ」と呼ばれる男声合唱です。昔は呪術の儀式や神からの助言を受けるために行なわれていましたが、今では観光用に舞踏劇の伴奏として行なわれています。

(中略)

“チャチャチャ…”という独特な掛け声をリズミカルに発声しています。

もともと神様に通じるために行なわれる儀式的なものですから、そのピリピリとした空気感もトランスになりやすい要因の1つと言えるでしょう。(空気に飲まれる感じ)

そして同じ言葉をくり返すため、周りの演奏者と同調すればするほど『相手が言っているのか、自分が言っているのか』わからなくなる聴覚の混乱が起きたり、動きや呼吸を合わせなければいけない「ケチャ」の儀式的な演奏は1時間にも及ぶので、過呼吸に近い状態になり脳に酸素がいかなくなってトランスを引き起こします。

こういった風に解明できる理由があるので、同じように普段演奏している楽器や歌でもトランス状態になる事があるということです。

(中略)

他の記事でも書いていますが、ブーは本当に涙が出るほど暗譜が苦手なので、毎回ガッツリ楽譜を見ながら弾いています。楽譜が無ければ初めの音も出せません。ところが曲に感情が入れば入るほど「楽譜のどの部分を弾いていたか見失う現象」が起こるんです。

覚えられない人間が「楽譜を見ないで演奏している」というありえない状況から、我が家ではこの事を「トランス状態」と呼んでいます。余所見をしていて見失ったワケではなくて、曲にのめり込むあまりいつの間にか目の端にとらえているだけの状態になっているんですよね。

それに加えて、どうやらブーは息をしていない瞬間や、感情が入り過ぎると変な場所で深呼吸するクセがあるようなので、脳に酸素が回っているときと回っていないときの差ができてしまうんです。(呼吸も演奏の一部なので本当は音の流れに乗ってしたいところですが…)それが続くと、周りの風景が視界に入らなくなり、その空間に自分ひとりしか居ないような感覚とフワフワとした心地よさを感じ初め、音は自分の演奏以外まったく聴こえなくなります。

それに、トランス中は自分の奏でる音楽がただの音ではなく、自分自身から発せられる言葉のようになり、声を出さなくても感情が出せますし、音・響き・速さ・間合い・余韻のすべてが理想通りに音楽として流れている状況はまさに「催眠状態・恍惚状態・酩酊状態」がそろった状態です。心酔し過ぎててメチャクチャ気持ち悪い弾き方してるんだろうな…。

ただ、そういうとき急に声をかけられると「ハッ!?」っとなって楽譜に目を戻すとドコだったかわからなくなってしまいます。

多くの皆さんは、特に子供のころ、時間を忘れて何かに「没頭」した記憶ってありますよね。ブーさんの事例は「没頭」よりも深い位相にありますが、それでも、超人的な話ではなく、

普通の僕たちにもトランス状態になりうる機能が備わっている

ように思えてきます。

次回は、運動によるトランス状態、「ランナーズハイ」をご紹介します。

 

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