2022年01月13日
金(ゴールド)相場の変動要因と今後の見通し
金(ゴールド)取引市場は、世界の市場動向を見るうえでのモノサシになます。
◆金価格の変動要素
・国の金融緩和・財政投入△(→インフレ) ⇒ 金△
・エネルギー(原油)△(→インフレ) ⇒ 金△
・株式△ ⇒ 金▼
・長期金利△ ⇒ 金▼
・ドル高(円安) ⇒ 金▼
◆過去の金価格の動き(※参照:リンク)
◎長期
・明治~昭和~戦後~高度成長~1980年まで一貫して金価格は上昇。
・1980年に急高値を付けた後、そこを境に2000年頃まで緩やかに下がり続ける。
・2000年代に入ると(2008年リーマンで一時下げるも)2011年まで急上昇。
・2011年を境に海外は急降下(国内は横ばい)。
・2015年に反転し、(国内外とも)2015年から急上昇。
◎近5年(※/グラム)
・2016年4396円→2017年4576円→2018年4543円→2019年4918円→2020年6122円
・2020年は前年比1.24倍に急上昇。
※2020年が急上昇したのは「コロナショック」がもたらす経済対策の各国の大規模な財政投入や金融緩和に対する「インフレ」懸念。それに加えてエネルギー価格の急騰による高インフレが続くとの見通しが反映。
◆金価格の変動要素の経験則
◎ドル建て金価格は「米ドルと金は一般的に逆相関」(ドルが強いと金が弱くなる)
Q.しかし、日本の金価格は経験則に従ってない「ドル高・金高」になるのは?
‘49~‘71年まで 360円固定レートの後、‘73年変動相場制を経て、‘85年プラザ合意によるドル安誘導→急激に円高。その後‘00年まで円高(ドル安)基調にもかかわらず金は緩やかに下がり続けた。
ドル安は金を押し上げる要因だが、米ドル建て取引の金は、日本へ輸入するためにドル円為替が影響→他の輸入品と同様に、ドル安・円高→金価格▼の要因。
◆今後の見通し
・現在、世界的な量的緩和政策により「低金利」の継続→インフレ懸念→金上昇圧力。
・一方、アメリカの長期「金利」を上げる動き(日本の金利も追随)→金下降圧力。
★「インフレ懸念」の上昇圧力と「金利上昇」の下降圧力の綱引き。
➡とりわけ下げ要因はアメリカの『金利の動向(ドル高誘導)』は重要です。
Q.インフレ抑制⇒FF金利の大幅引き上げは実施されるか?
アメリカのFOMC(リンク)議事録が公表され、インフレ抑制の金融引き締めのテーパリングと「FF金利(リンク)上昇」を強く示唆した。
本当に実施するのか? それとも言葉でのインフレ抑制誘導か?
実施されるとしたらどの範囲か? 大幅な金利上昇の実施までなるか?
リンク
日本の政府と金融機関が、同時に破産しないためには、米国のFRBが、米国インフレを抑えるためのFF金利の上げを、2%未満にする必要があるでしょう。米国長期金利(10年債の金利)では、3.5%以下です。2022年内のFRBの利上げの予定は、FF金利(短期金利)の3回(0.75%)です。2022年末の、米国長期金利は2.25%が想定できます。23年と24年も、5回予定という利上げをすれば、2024年には長期金利4%でしょう(短期金利は2%)。
- posted by asaoka at : 22:36 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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