2022年02月07日
【実現塾】12/11「サル社会の構造③」~(3)同じ敵と闘っているという同一視がオスたちの結集軸
実現塾では、活力再生⇒集団再生の突破口を求めて、生物史を追求しています。
前回の投稿では、共認機能を獲得した原猿のオスメス関係がどのように変化し、集団となっていったのか?について同化してきました。共認機能を獲得し、期待応合(互いに期待し、応え合って充足する)関係となったオスとメスは、互いの充足度を共有しながら、もっと充足するための探索を重ねることで、役割や課題を共に認め合う固定的な集団となっていきました。
更にここからは、ニホンザル等にみられる、複雄集団(複数のオスがいる集団)がどのように成立していったのかについて同化していきます。
「弱オス間で共感機能と期待応合回路が形成されたが、それを受けてどのようにしてオスは集団化できるようになったのか?」という設問に、小中学生からは
・毛づくろいを通して仲良くなった弱オスが数匹で結託して縄張りオスを倒して、縄張りを乗っ取った
・縄張り侵犯の弱オスを追い払うのに疲れた縄張りオスが弱オスを引き入れた
・縄張りオスを倒した若オスが、それまで毛づくろいをしてた仲間を追い出さなくなった
等の仮説が出されました!それぞれの論理整合性を検証・追求していきましょう♪
〇弱オス結束説
弱オス同士の親和関係は行きずりの不全解消関係。その時毛づくろいをしあっていても、時が違えば餌を奪い合う敵。固定的な仲でもメンバーでもない。
その程度の結束では闘争には向かえないし、連携行動も取れない(そもそも連携行動を取ったことがない)。
仮に弱オスが徒党を組んでボスを倒すことができたとしても、縄張りを維持するために集団をまとめるリーダーが不在。
→スキンシップ(毛づくろい)を起点とした弱オス同士の集団化はできないだろう。
〇弱オスが縄張りオスの縄張りに入れてもらう(縄張りオスが弱オスを引き入れた)説
大前提として、弱オスは「常にどこかのボスの縄張りに常にいる」という状況。
従って、弱オスと縄張りオスが集団化できるかどうかは、縄張りオスが弱オスを追い出すか、黙認するかで決まる。
無限苦行から脱して縄張りを獲得したい弱オスたちは、メスと同様に “どうしたらボスが縄張りにおいてくれるか(追い出されないか)”を探索したのではないか。
その結果、縄張りを侵犯され続けることに対するボスの不全を見て取った弱オスは、縄張り防衛に加勢するようになる。(この時点では、自分を追い出してくる縄張りオスに加勢して他の弱オスを追い出す構図)
ここで「同じ敵と闘っている」という同一視から、オス同士の期待応合関係が成立していったのではないかと思われる。
そして、“戦力度”の高い弱オスだけが縄張りオスの縄張りに残れるようになったのではないか。
★戦力度は何で図っているのか?(基本は縄張りは1人で守れるもの。)
縄張りを共に守る大前提として、外圧を察知できるか。そして、連携行動ができるか、一体化ができるかどうかが問われる。
つまり、集団との一体感が第一で肉体的な強さは二の次、一番最悪なのは外圧が察知できない自己中だということ。(むしろ力が強いと縄張りを奪われる可能性もあるので、縄張りオスの器が問われる。)
しかし、一体感は大事だが、性闘争を弱めると種としての適応力が弱まる危険がある。そこで、オスたちは集団の中で激しい序列闘争を行い、一番縄張りを守る力(腕力と共認形成力)の強いボスだけがメスと交尾や親和を行うことができるという形で集団を統合することとなった。
従って、複雄集団はオス集団とボスメス集団の二重構造になっており、オス同士は闘争共認、ボスとメスは親和共認で統合される形となった。つまり、ここでも哺乳類から一貫してオスとメスは別世界で生きているということ。
★参加者の感想を紹介★
中3 Tさん
今日はいつも以上にグサッと刺さる気づきが多かった。仕事にもめっちゃ生かせるし、みんなと充足するためにめっちゃ必要。とにかく「充足」のために何かをする、動くっているのが大事!
中2 Nくん
猿が獲得した共認機能は人の心、思い、期待に応えられる機能で、人の期待に応えられない人は仕事ができないと思う。社会で活躍するためには人の期待に応えられる人間力が大事なのだと思った。
社会人 Tさん
当時の原猿の本能や感情はどうだったのかわからないが、本能的な欲望を満たす快と安堵感や欠乏充足からの快との関係が面白いと思った。オスの複数いる集団が作られていくところの話が興味深かったです。
中1 Sさん
仕事をする上で状況をまず正しく掴むことが一番大切だと身に染みて思いました。いつも100%楽しくできていないのは、皆の底にある欠乏が感じ取れていなかったからだと思います。これからは相手が今充足しているか、相手が今何を求めているのかを羅針盤に、遊学舎生、仕事塾生ともに考えていければと思いました。
- posted by moriaki at : 22:35 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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