2022年03月10日
【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~オランウータン、ゴリラ、チンパンジーの外圧適応~
前回の実現塾では、共認機能を獲得した真猿=オナガザルとテナガザルがどのように適応してきたのか、を追求しました
それを踏まえて、1/22の実現塾では、人類の祖先はどのサルなのか?を追求していったので報告します。
人類の祖先は「類人猿」ですが、候補はオランウータン、ゴリラ、チンパンジー。
まずは、それぞれの違いや特徴をみんなで追求していきました。
〇オランウータンとゴリラとチンパンジーのそれぞれの違いor特徴は何か?
みんなからは
・ゴリラとチンパンジーは地上に降りて生活している
・集団形態が違う。
・オランウータンは授乳期間が格段に長い
・オランウータンは正常位で交尾をする
あたりが出て来ましたが、これらの特徴の違いは外圧状況に規定されるだろう、という事で、まずは外圧状況の違いから押さえていきました。
●アフリカ熱帯雨林の外圧状況は?
まずは、チンパンジー、ゴリラの生息域であるアフリカの熱帯雨林の外圧状況です。
・地形が台形(海岸の平野が少ない)で標高が高く内陸のため、気温が低い。
・熱帯雨林であっても、比較的雨が少ない。(降雨量1000~1500㎜)
・乾季が3~4か月あり、果実ができない時期がある。毎年果実はできるので、乾季を乗り越えれば餌は得られる。
・木がまばらで(疎林)、乾季は枝が折れやすい。
・外敵はヒョウ(体重は30㎏程度)
このあたりは前回の実現塾でも追求しましたが、乾季があるため樹上だけでは十分な餌を獲得するのが困難。かつ、めちゃくちゃ強い敵もいなかったので、地上適応することが出来たのがアフリカ系の類人猿と思われます。ゴリラは大型化、チンパンジーは集団化で地上適応していきました。
●アジアの熱帯雨林の外圧状況は?
続いて、オランウータンの生息地であるアジアの熱帯雨林の外圧状況です。
・年中雨が降る(スコール)(降雨量2700㎜)
・木が生い茂っている(密林)→地面には陽が当たらないので、地上には餌が少ない。
・外敵はトラ(体重は150㎏。加えて10m跳躍できる。)
このようにアジアの熱帯雨林はアフリカに比べて地上に降りるメリットがありません。
なのでオランウータンは地上に降りる道を選ばなかったのだと思われます。
あるいは、地上に降りた種もいたのかもしれませんが、生存することが出来なかったのでしょう。
驚いたのは、東南アジアは木の実や餌が豊富なイメージを持っていましたが、実際にはそうではない、ということ。
特に、ボルネオ島の北部は果実ができるのは数年に一度しかないそうです。
実際にオランウータンのメスは、非果実期になると果実期の1/4程度の餌しか食べられず、ガリガリに痩せてしまいます。
まさに「飢餓状態」ですが、これはゴリラ・チンパンジーにはなく、オランウータンに特有の現象です。
そして、さらに驚いたのは、この飢餓状態でもオランウータンの子どもの94%が生き残るということ。
オランウータンの母子がどうやって飢餓状態を乗り越えたのか気になりますね。
次回は、そのあたりの追求を報告します。
- posted by ko-yugo at : 22:21 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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