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2022年04月19日

【左脳と右脳の進化史】1.左脳・右脳の機能分化→連携、統合への進化を探る

人類が獲得した観念機能と、大脳の左脳と右脳は、深く関連していることが分かっています。観念を司っているのは左脳ですが、本能左脳と右脳の構造との繋がりをもつ右脳と連携することで、はじめて現実の社会や人々を対象化した観念を生み出すことが出来ます。(逆に、右脳と切り離された左脳だけが生み出す観念は、頭の中だけの架空観念)

左脳と右脳の構造

 このような左脳と右脳に機能差について、これまでは、人類の脳に固有のものだと考えられていましたが、最近では、魚類の脳にも、左脳と右脳の機能差があることが分かってきています。

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ここ数十年間に行われた研究から,動物の左右の大脳半球は独自の機能をもっていることが明らかになってきました。約5億年前に脊椎動物が出現したときには,大脳半球の機能差が基本的な形としてすでに存在していたとも考えられています。

もともと脊椎動物の左脳は,日常的な場面での定型的な行動の制御を専門とし、一方、右脳は環境からの予想外の刺激の感知やそれに対する反応を専門とします。状況により脳半球の片側がおもに働くという傾向が初期の脊椎動物に生じ,おそらくこれが脳の左脳と右脳の機能差の始まりとなったと考えられています。

例えば、魚類・爬虫類・両生類は,右眼と左脳に導かれて自分の右側にいる獲物を捕まえる傾向があり、多くの鳥類は,おもに右眼に導かれてさまざまな種類の餌をつついたり獲物を捕まえたりします。また、人類と近い霊長類の仲間たち、サル(ヒヒ,オマキザル,アカゲザル)や類人猿(特にチンパンジー) は、高い所にある食べ物に手を伸ばす場合などに、右手を好んで使うことも確認されています。このように魚類、両生類、鳥類、哺乳類といったすべての脊椎動物は,通常の摂食行動において右側を使うという偏りを共通してもっていることが分かっています。

では、この魚類から始まっている左脳と右脳の機能差は、共認機能や観念機能にどのように繋がっているのでしょうか?

追求ポイントは、左脳と右脳を繋ぐ「脳梁」です。脳梁は、哺乳類以降に大脳新皮質とともに発達したもので、霊長類、その中でも特に人類で著しく発達しています。そうであれば、脳梁の登場、発達⇒左脳・右脳の連携、統合が、サル時代の共認機能や、人類の観念機能の獲得へと繋がる鍵になりそうです。

次回より、魚類~両生類~哺乳類~霊長類~人類に至るまでの、左脳・右脳の機能分化→連携、統合への進化を探っていきます。

 

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