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2022年08月13日

左脳と右脳の進化史-6 大脳新皮質の6層構造~高度な機能を発現させる源は駆動物質

前回(リンク)に引き続き、大脳新皮質の6層構造しくみ見ていきます。

 図 「大脳新皮質の6層構造の模式図」

前回取り上げた、情報の流れ(入力・処理・出力)を担う神経細胞(ニューロン)の他に、「駆動物質」や「駆動細胞」など多くの細胞群が存在します。それらの細胞群が協同することで、大脳新皮質の高度な機能を実現しています。このような6層構造をもった縦長の円柱が横方向に数多く集まり、1枚のシート状に連り大脳新皮質を形成しています。

上の図をガイドラインに、大脳新皮質が高度な機能の実現するしくみを見ていきます。

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■大脳新皮質が機能を発現するステップ

1)「駆動物質」が、価値判断付きの駆動力を伝える

光、音、匂い、味、皮膚感覚などの外識情報を受け取った大脳中枢系(辺縁系)の「判断核(扁桃体)」「探索核(側坐核)」「充足核(中隔核)」が、状況に応じた駆動物質の放出司令を発します。

次に、放出司令に基づき、ドーパミン(A10核)、ノルアドレナリン(青斑核)、セロトニン(縫線核)などの駆動物質が、大脳新皮質に放出されます。放出された駆動物質は、ゆっくり拡散し、広い範囲に価値判断付きの駆動力を伝えます。

2)「駆動細胞」が、状況に応じた情報伝達経路に切り替える
「駆動細胞」は、拡散した駆動物資に基づき、情報伝達経路を切り替える役割を担います。(興奮性の情報伝達細胞の働きを制御することから「抑制性神経細胞」と呼ばれますが、ここではその役割から「駆動細胞」と呼びます)

大脳新皮質の約20%の細胞が駆動細胞で、近くの情報伝達細部とのみ接続し、大脳新皮質の活動を制御しています。駆動物質(GABA)のやり取りを通じて、情報伝達細胞に対して出力の調整/同期性の制御/過剰興奮の防止などを行い、情報伝達経路の切り替えを行います。少なくとも十数種類の異なるタイプがあり、とそれぞれ異なった役割を担っています。

3)神経細胞が、適切な場所に情報を伝え、回路を形成する。
神経細胞は、情報伝達経路に、情報を伝達する役割を担います。グルタミン酸を駆動物質とし、神経細胞間のシナプス伝達により高速に情報を伝えます。(神経細胞間のシナプス伝達を発生させることから「興奮性神経細胞」と呼ばれます)

●4層で、外識情報を受取り (赤の矢印)

●2/3層で、情報を突き合わせ、組み替え(黄の矢印)

●大脳新皮質の外へ情報を送り出す(青の矢印)
→2/3層、4層から 脳梁⇒反対側の大脳新皮質へ:左脳・右脳で再統合
→2/3層、4層から 大脳新皮質の別の領野へ  :異なる情報と塗り重ね
→5層/6層から   大脳中枢系(判断核など)へ:潜在思念と突き合わさせ

このように適切な経路に情報が伝わることで、感覚統合、判断・予測、言語、運動司令などの専用回路が作動します。

潜在思念の源である大脳中枢系が発する駆動物質(意欲や欠乏)が働きかけることで、初めて状況に応じた統合機能が発現します。ある機能を担う大脳新皮質の脳領域は存在します(=機能局在)が、大脳新皮質だけでは機能を発現させることはできません。

大脳新皮質は、どんな状況(外識情報)であれ、駆動物質(意欲や欠乏)に基づき、回路を組み替えたり、連絡する領域を切り替えることで、生存に必要な機能を実現できる、という極めて柔軟性の高い回路です。この柔軟性の高さが、脳卒中などで脳のある領域が機能しなくなっても、ほかの領域がその役割を担うことができるという脳の可塑性の基盤だと思います。

脳構造を追求するとき、情報の流れ(神経細胞のシナプス伝達)に目が行きがちですが、重要なのは駆動物質であり、それを放出するグリア細胞等の駆動細胞です。それらが多様に相互に協同する全体を捉える視点が重要なのだと思います。

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図 :大脳新皮質の6層構造の模式図~脳科学辞典「大脳皮質の局所神経回路」/図:大脳皮質視覚野V1の信号の流れを参考に作成
参考:脳科学辞典「大脳皮質の局所神経回路

 

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