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2022年08月24日

【今週の注目情報】異常気象、観測史上初をどう解釈するか

この夏も「体温越え」が頻発している!未曽有の豪雨!と異常気象に警鐘を鳴らす報道が多いように感じます。また、観測史上初!、何年に一度の!という現象も近年劇的に増加しているようにも感じます。
しかし、20年前にも体温越えの猛暑日は結構あったような…?この「異常」「未曾有」をとは何と比べて異常で、どう捉えるべきなのでしょう?

それを考えるヒントとして以下を要約します。

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極値統計学の考え方  ―異常気象は、それほど異常ではない?―
◆極値統計学

極値統計学とは、気象要素などの年最大値データを用いて、「これまでに経験した現象やそれらを超える規模の現象がどのくらいの頻度(再現期間)で発生するか」を統計的手法により合理的に推定しようとするもの。再現期間T年の事象が1年間に起きる確率(超過確率)は、1/Tとなる。
古典的な再現期間の導出方法は、観測データの最大値を取って機械的に大きい順に並べ、順位を再現期間の関数に変換し、それらに適合する関数を見出すというものである(図1)。

この理論は20世紀中頃までに基礎が作られ、工学の分野では早くから建物や堤防の設計に必要な風速や降水量などの再現期間の推定に利用されてきた。その後、異常気象への関心が高まり、気象学・水文学・地球科学などの分野でもリスクマップが作成されるようになった。

 

◆「100年に1度」の不確実性
さて、リスクマップの基となっている現在の極値統計学の理論には、大きく3つの不確実性がある。

(1)データが有限であることによるデータそのものの確率変動
降水量や土砂災害の極値統計解析に使用される過去のデータは数十年程度であることが多く、それを超える期間(例えば、100年)の再現期間に対しては信頼性が低い。
例えば、気候学的な解析(Gumbel分布)で2020年の台風19号(東日本台風)の再現期間を求めると、関東山地で平均80年となる。ところが、試しに1947年(カスリーン台風が発生)を解析対象から外すと、東日本台風の再現期間は107年に増加する。解析の対象期間に「たまたま」カスリーン台風級の大雨が起きたかどうかによって、再現期間の大きさは3割も変わってしまう

(2)大雨の例でいえば、「日ごとの降水イベントは独立である」という極値理論の前提は成り立たない場合が多い
解析データを2日間降水量から1日間降水量に変えると、東日本台風の大雨の再現期間は578年と大幅に長くなる。(解析過程で2日間以上にわたる大雨イベントの総雨量は日単位で2分割されるが、1日の間に完結した東日本台風による大雨の総雨量は減らないため。)

また、台風は広範囲に大雨をもたらすが、その降雨量は地理的に大きなばらつきがある(局地性が高い)。その結果、同じ台風の再現期間でも、数100年以上と見積もられる場所もあれば、逆に数十年以下の地点も見られた。

(3)「気候状態が定常である」という極値理論の前提は成り立たない場合が多く、実際には年々あるいは長期的に変動しうる。
例えば、偏西風やモンスーン、ブロッキング高気圧などの自然の気象現象や、地球温暖化・都市化に伴う気温上昇など。

こうしてみると、この気象が「異常」か「普通」か?「〇〇年に一度」が多いのか少ないのか?上記で挙げられているような「観測史上」程度の数字では判断できないのではないかと思わされます。
例えば、2018年に広島県に土石流を引き起こした豪雨は、「未曾有の豪雨」だと言われています。しかし、それはあくまで、アメダスの観測網が整備されたのは1970年代以降=過去50年間において「観測史上初」だという事。さらに遡って100年の間に起こった大雨の事例を見てみると、実はそこまで珍しくはないのです。

それもそのはず。地球の気候(気象)は、十数万年周期の大きなバイオリズムの中で変動しているようなのです。

地球の気象に最も影響を及ぼすのは、「雲の影響」であり、雲を発生させるのは、「宇宙からの電磁波やエネルギー」によるのです。この地球は、その宇宙から降り注ぐ「電磁波や宇宙線、エネルギーの周期」によって、温暖化と寒冷化の歴史を繰り返しているのです。
地球の気象は宇宙からの電磁波とエネルギーの周期によって決まっている ~真の学者に求められる資質とは何か~より引用

この大きな周期に比べれば、たかだか人間の一生分の時間や100年・数百年は一瞬の出来事。その瞬間的な出来事だけを切り取って、異常・定常を議論する事自体が不毛であり、おこがましい気持ちすらしてきます。
重要なのは、「宇宙や地球のバイオリズムのどのあたりにいるのか」という大局をもとに、どれほどの気象や現象(=リスク)を想定して今を生きるかという視点なのではないでしょうか?(何代も先の地球を想定しなければ、今打つ手をきめられない。)
災害対策であり、自然と調和して生きてゆくために不可欠の思考なのではないでしょうか。

 

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