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2022年10月10日

「よく歩く」子どもたちをつくることが、この国の活気と元気につながる

高齢社会、少子の国といえば、わが国ニッポンです。2053年には人口は1億人を割ると予測されています。

人口減少については、今から増やそうと思っても、移民受け入れを実施するしか手はありません。しかし、わが国の国柄を考えると、移民受け入れが広がるかどうかは難しい面があります。

量としてのマンパワーが期待できないならば、質を求めなければなりません。一人一人が元気で活力溢れ、充足する人が大勢いる――わが国は、そんな国になればいいのではないでしょうか。

けれど、周囲を見回してみるとどうでしょう。どうも元気がない、活力や元気が足りない人が多いように思えます。特に次世代を担う子どもたちが心配です。今回は子どもたちの身体と活力や元気について考えてみましょう。

 

わが国の小中学生、高校生の身体データが調査されるようになったのは明治33年から。文部省(現・文科省)による調査です。今でいう身体測定が始まりました。面白いのが当時は身体測定調査とは呼ばずに「活力調査」と称していました。恐らく、身体の発育はその子の活力を表すと考えていたのでしょう。

以後、子どもたちの身体データは130年に渡って調査され続けてきました(もちろん現在も続いています)。今回は、戦後の子どもの身体の変化をざっと見てみましょう。

 

戦後、子どもたちの身体変化をみてみると、豊かになるにつれて、子どもたちの体は前世代よりも大きくなっています。面白いのは1973年以降に生まれた子が17歳になったくらいで、平均身長が止まっている点。73年以降生まれの子が17歳になるのは1990年代前半です。ここで成人の平均身長が上限に達しているのです。男子は170.7cm、女子は158cm付近で停滞しました(日本健康学会誌第83巻 第6号2017年11月)。さらに2005年代以降に生まれた子どもの平均身長明らかに下降傾向にあると推測されています。

 

では、戦後から1970年代前半までに何があったのでしょうか。それは経済が成長し、この国が豊かさを実現させたことです。豊かさに向かって歩を進めた戦後社会の中で、子どもたちは元気な子になっていったのです。しかし、豊かさを実現した後の経済頭打ちの時代になると、それと呼応するかのように子どもたちの身体成長も鈍ってきているのです。この関係性はもっと解明されなければいけませんが、身体の縮小と経済の低成長という負のサイクルはどうすればプラスに戻るのでしょうか。

経済というのは、結局人の営み。だとしたら、まずは人の活力と元気を上げなければならないはずです。特に子どもたちの改善は急務です。

子どもたちの活力と元気を上げるのはなにも難しいことではありません。幼いころからどんどん歩かせ、外遊びをさせる。その機会を増やしていけばいいのです。逆に幼いころから歩くことが少ないと、外遊びも減ってしまいます。

名古屋学院大学の中野貴博教授(スポーツ健康学)らが行った研究によると、歩くことが多い幼児とそうでない子とでは、よく歩く子の方が、運動能力が高いことが分かりました。(リンク

 

中には「うちは子どもを小さいころからスポーツ教室に通わせています。だから運動させているほうです」という親御さんもいるかもしれません。しかし、子どものスポーツ習い事も小さいうちはむしろ逆効果である、という研究もあります(2012年 東京学芸大学 杉原隆名誉教授の研究)。スポーツの習い事が無駄とはいいませんが、それよりも小さいころからよく歩かせ、外遊びをさせる、その機会を与えるだけでいいのです(むしろ、その機会が減っているため、子どもたちの活力や元気が落ちている)。

日本が活力と元気を取り戻すには、子どもたちを歩かせることから始まるといえます。

 

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