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2022年12月29日

「新しい言葉」から未来を考える SDGs編 ~「なぜSDGsは注目されるのか」①

多くの人にとっての「世界」とは、毎日の仕事であったりたり、子どもとの何気ない会話だったり、今日の晩御飯について考えたりする、そういったこと。海の向こうで起きることや、国内でも大きな出来事はなんとなく「自分と関係ない世界のこと」ように思える。しかし、ここ数年はそんな他人事とはいえない出来事が次々と起きている。コロナ禍であったり、ロシアとウクライナ紛争だったり、世界的な物価高であったり。

 

そんな先が見渡せない時代にあって、未来への羅針盤となるような「新しい言葉」がいろいろと現れている。SDGs、DX、VR、ダイバーシティ……。これらの言葉を見ない、聞かない日はない。だが、なんだか曖昧模糊として、つかみどころのなさを感じがする。マスコミのニュースに乗って届けられるそれらの言葉は、建前のような観念でお化粧されたもののようで、いざ自分が使おうとすると戸惑ってしまう。

 

メジャーな経済新聞や専門誌を読んでいるでもそうだろう。いや、そういう人ほど肚の奥底では、その言葉を追求しきれない感覚を抱えていると思う。

 

このシリーズでは、それら「新しい言葉」を取り上げ、徹底的に深掘りする。単なる語句の説明ではない、本源的な理解ができるような記事を提供する。

 

「本源的な理解とは?」。そう疑問をお持ちの方はぜひ本文をお読みになっていただきたい。きっと腑に落ちて、「新しい言葉」に対してこれまで抱えていたモヤモヤが晴れることを保証したい(ただし、読み手の真剣度にもよるが)。

 

先行きが見えにくい時代、新しい言葉を通して、未来の道筋を見つけよう。

 

1回目はSDGs。

 

この新しい言葉ほど、見ない、聞かない日はない。双璧はDX(デジタルトランスフォーメーション)か。

 

よく見かける言葉、よく聞く言葉といってもその中身まで知る人は少ないもの。SDGsという言葉は、その典型だ。

 

SDGsという言葉は、Sustainable Development Goalsの頭文字を取ったもので、訳は「持続可能な開発目標」。国連が定めた目標で、最後の「Goals」が複数形になっているのは、複数の目標が設定されているためである。

では、「持続可能な開発目標」とは具体的に何のことなのだろうか。

 

それは、現代世界が抱えている貧困や飢餓、エネルギー、自然破壊など17分野の問題を解決して、国にかかわらず誰もが暮しやすい社会に、また地球にとって良い環境にしようというもの。つまり「目標」とは、17分野が解決される地点のことである。

 

SDGsには17分野の課題があるわけだが、これを一つずつ分析して初めて、この言葉の全容が分かる。ただし、それをイチから取り上げていると、木を見て森を見ず、ということになりかねない。そこでまず、この言葉ができるまでの歴史を振りかえろう(全体を俯瞰するには歴史を知ることが必須だから)。

 

さて、SDGsが誕生したのは2015年の国連総会にて。なぜこの「持続可能な開発目標」が生まれたのか。それは同年に「ミレニアム目標」が終了することを受けて、である。SDGsの前に「ミレニアム目標」なるものがあったのだ。このミレニアム目標とはなんだろうか。

これも国連が定めた開発目標で8つの目標である。具体的には、貧困と飢餓、初等教育、ジェンダー平等、環境の持続性の確保……などである。つまり、SDGsはこのミレニアム目標の上位互換モデルといえる。

 

このミレニアム目標は、そもそもどのような経緯で誕生したのだろうか。調べてみると、起点と変節点があった。

 

それは、前者が1987年の「ブルントラント報告書」であり、後者が1992年に提唱された「4つの平等」である。前者はネットで調べることができる著名な国際会議の報告書である。それに対して後者の「4つの平等」はあまり知られていない。1992年の国連環境開発会議、いわゆる「地球サミット」の出席関係者の間で共有された考えである。

 

結論から言ってしまえば、ブルントラント報告書と4つの平等、これがSDGsという言葉を読み解く鍵(かぎ)だ。

 

次回、まずルントラント報告書とは何だったのかを解説し、もう一つの「4つの平等」に切り込んでみたいと思う。

 

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