2021年10月19日
【観念機能を正常に作動させるには?】本能⇒共認⇒観念の進化過程から観念原回路を探る③
【観念機能を正常に作動させるには?】本能⇒共認⇒観念の進化過程から観念原回路を探る①
【観念機能を正常に作動させるには?】本能⇒共認⇒観念の進化過程から観念原回路を探る②
では、本能と共認機能の成立過程を整理しました。
今回は、本来の追求テーマである観念機能の誕生について追求していきたいと思います。
人類の祖先は樹から落ちたサルと言われていますが、地上ではとにかく弱く洞窟の中に隠れ住んでいたことが分かっています。
食料確保もままならず、他の動物が食べ残した死肉をあさり、骨髄や脳をすすって生きのびてきていたようです。
暗い洞窟の中でいつ襲ってくるかわからない敵に怯える毎日は、わたしたちが想像する以上に不安や怯えで一杯の状態だったのだと思います。
そんな彼らはどのように適応していったのでしょうか。
まず、いつまでも洞窟の中にいたのでは絶滅してしまうので、時には外に出て食料(食べ残しとはいえ)を確保する必要があったはずです。
とはいえ外敵だらけの外は危険が一杯。怖い。どうする?
他の哺乳類や原猿の機能獲得から推測すると、人類もまた「親和機能」を強化していったのではないでしょうか。
特に注目したいのが親和共認をベースとした男女間のスキンシップ=性充足です。
というのも人類の場合、性行為中に親和物質オキシトシンと不安感を取り除くβエンドルフィンが分泌されるのですが、これらの機能が始原人類が男女間のスキンシップを強化し性充足回路を太くしていった結果獲得した、と考えると辻妻があうのです。
ちなみに、発情期が無く、正常位で長く性行為する種は人類とオランウータンぐらいですが、これも性的スキンシップと充足が深く結びついているからだと思われます。
もう一点は踊りです、同じリズムをみんなで踊り続けることでも、性行為の時と同じくオキシトシンとβエンドルフィンが分泌されることが分かっています。
先住民は狩りの前に踊る部族が多いですが、これはその名残ではないでしょうか。踊りで不安感を和らげ、危険な狩りに出ていたのでしょう。
このように、始原人類は性と踊りで不安感を解消し、洞窟の外に出ていけるようになったのだと推測します。
とはいえ「弱い」という事実は変わらない。どうする?
この間追求してきた本能⇒共認機能の成立過程を振り返ると、生物は元々持っている機能を拡張させることで新しい機能を獲得してきたことが分かります。
となると、考えられるのは共認機能の拡張です。猿は、外圧としての同類を注視することで共認機能(同化回路)を獲得しましたが、始原人類は、その共認機能を同類(仲間)だけでなく外圧としての自然に拡張し、注視や期待を続けたのではないでしょうか。
そして注視の果てに獲得したのが「自然の中に秩序を見出す」機能です。「万物の背後に精霊を見た」と言っても良いかもしれません。
山の神や海の神のように、自然があたかも人格を持っているかのように考える事で、自然界の多様な構造を捉えることが可能になり、〇〇がこうなったら、〇〇になる、のような予測が出来るようになったのだと思います。
わたしたちはこれを観念原回路と呼んでいます
この観念原回路こそが、人類の人類たる所以で、これを基盤に私たちは道具や言葉を生み出していきます。
〇まとめ
以上、3回にわたって「本能⇒共認⇒観念の進化過程から観念原回路がどのように形成されてきたのか」を整理してきました。あらためてポイントを押えると、
☆生物は外圧適応態であり、原点は集団である。
☆本能は、闘争本能、親和本能、集団本能の3つの本能をベースにその時々の外圧に適応すべく機能を高度化させてきた。
☆本能にせよ、共認にせよ、観念にせよ、ほぼすべての機能は、既存の機能を組み合わせたり拡張したりする事で獲得してきた。
あたりでしょうか。既存機能の組み合わせや拡張は俗にいう【イノベーション】と全く同じ構造です。イノベーションの最高の教科書は、生物史にあると言っても過言ではありませんね。
最後に、本能、共認、観念機能の成立過程を整理しましたのでご覧ください。
次回からは、いよいよ観念原回路の中身を追求していきます。
□精霊を見るとはどういう事なのか?
□その時の脳の状態はどうなっているのか?
等を具体的な事例で深堀していきたいと思います。
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