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2010年03月08日

共同体の挑戦シリーズ8~最終回:ダイジェスト編~

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写真はこちらからお借りしました。
これまで、7回に渡ってお送りしてきた「共同体の挑戦シリーズ」もおかげさまで、最終回を迎えました。
最終回を迎えるに当たって、改めてこのシリーズを俯瞰してみると、ある事に気づきます。
それは、共同体の実現を支えたのは、確かな時代認識であるという事。類グループが設立された’70年頃には、ほとんどの企業が私権統合の企業であり、そんな中で共同体を実現できたのは、その時代認識の確かさと、それに支えられた実現の意志にあるのです。
今回は、このシリーズの最終回として、ダイジェスト編をお送りしたいと思います。
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共同体実現の軌跡
①共同体を支える、確かな時代認識と、事実の共認
<確かな時代認識>
・共同体類は、これまで次々と様々な生産集団を作りだし、さらにマスコミに変わる共認形成の場(るいネットやなんでや露店など)、新しい社会事業を世に問うところまで来た。これらの実現を可能にしたのは、共同体である事が社員の活力を生み出し得たことが大きい。そして、この実現の秘密は時代認識の確かさにある
<集団は権力体より共同体の方が適している>
・誰もが私権を求めて必死に働く時代は終わり、人々は私権確保の為に働かなくなった。脱貧困の意識生産の時代では人間の能力それ自身が生産の主人公であり、集団は皆の共認によって統合する共同体の方が上手く行く時代になった。
・だから、共同体では、全員が当事者となるため、全員が取締役となり、全経営情報も公開され、合議体制がとられている。

<事実の共認>
・合議制の鍵は、事実の共認にある。根拠が何もない「主義」や「主張」では、合議体制は成立しない。共同体を実現させてきた真の力の源は、現実直視⇒事実追求の姿勢にある。

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(事実追求の場)

コラム:事実とは何か?

この目で確認できる事象のみを指しているのか?それとも絶対不変の真理のことなのだろうか?
例えば、太陽があることは見れば分かるから事実である。しかし、太陽の温度が6000℃であることは視認できない。誰かが実際に温度計で測ったわけでもない。つまり、これは「仮説」である。
ただし、一般世間、特に科学者の間では「太陽の温度は6000℃」が事実として認識されている。誰も触って確認したわけではない。計算とロジックを通して「事実」だと皆が認識しているから事実なのである。
つまり、論理整合して皆が事実だと認めれば、それは我々にとっての事実なのである。「そう言い切っていいのか?」という気持ちも多少はあるが、実際周りを見渡してみれば、自分で証明できない「事実」が溢れていることが分かる。
付け加えるなら、この事実は変化する。皆の認識に合わない事象が発生することもあれば、認識そのものが広がって見方が変わることもある。(例:昔は地球上視点の天動説が事実とされていたが、宇宙という視点になると地動説が事実となる)

②確かな時代認識の中身
<社会はガタガタ、根底的な変革が必要>
・市場は行き詰まり、経営者をはじめ政治家も、官僚も、学者も、マスコミも統合階級の誰一人として答えを出せない。これは、小手先の改革や百年一日のごとき旧観念で切開できるレベルの遥かにこえた、根底的な変革を必要としているからである。
<環境破壊と人々の精神破壊>
・環境を破壊してきた人工物質は、人類の肉体を破壊し、ホルモン様の人工物質によって引き起こされる精子絶滅の危険性に至っては、人類絶滅の危機である。
・また、市場拡大による核家族化の進行と、職場と家庭の分断は、家庭を不可侵の無圧力空間とし家庭から子供を教育する資質を剥奪し、同時に子供の精神破壊が急速に進行し、心の欠陥児が急増している。
・しかし、これら人類滅亡の危機を正面から捕らえ、真剣にその原因を分析し、突破口を提示しようとしている人は殆ど居ない。

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<市場は崩壊の瀬戸際にある>
・‘70年貧困の消滅によって、人々はこれ以上物的充足を得るために、あくせく働こうとしなくなり、市場は拡大を停止するしかなくなった。にも拘らず、社会の統合者達は市場を拡大するために大量の国債を発行し、900兆を超える財政赤字を累積させて来た。
・その結果、増刷された紙幣がダブつき、経済は必然的にバブル化した。しかし、バブルは日本が経験したように必ず弾ける。株価の世界同時大暴落から大恐慌への道は、もはや避けられないところまで来ており、さらに各国が天文学的な国債を発行し続けるとき、市場は崩壊の瀬戸際に立つことになる。

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画像の確認
<人類の適応不全>
・しかし、これは単に市場社会200年の終焉ではない。市場の背後には、性市場があり、そこで繰り広げられる性闘争→私権闘争の活力が市場の原動力となってきた。‘70年以降、これらの活力が衰弱し始め、’90年以降はさらに衰弱と混迷の度を深めている。
・これは、私権時代3000年の終焉を意味するが、それだけの話ではなく、人類が滅亡の危機に陥った、つまり、人類は今、自らが築いてきた全文明の見直しを迫られているのである。

③私権統合から共認統合への転換
<みんな収束して答え探索>
・人類は適応不全に陥った。これらみんな不全は今や誰もが感じており、潜在思念は答えを求めてみんな収束に向かっている。既に若者の間では、人との繋がりや反応が一番の活力源となっており、社会的役割の探求へと意識は大きく転換しつつある。
・つまり、自我や私権を原動力とする時代は終焉を迎えたことを意味し、社会のガタガタ現象の進行を前に、人々の危機感→閉塞感は高まり続け、ついに‘02年には「どうにかしなければ」という、待ったなしの焦燥感までが生起した。

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以上、これまでのシリーズを通して、ダイジェストをお送りしてきました。最後に「私権統合から共認統合への第一歩」をお届けします。

現代は、私利・私欲を求めて争ってきた私権時代3000年の歴史を覆す大転換期(それどころか、貧困の消滅=生存圧力の消滅とは、生物史を覆すような大転換期)である。従って、私権時代という狭い枠組みの中で得られた知識や理論では、とうてい突破口は見つけられない。この全面閉塞=人類の適応不全を突破するには、私権時代を突き抜け、原始時代の社会の構造、更にはサル社会の構造、(必要なら生物史)にまで遡って、意識と社会の原基構造を解明する必要がある。それは、みんなの実感に基づく「何でだろう?」の原因をとことん追求してゆけば、必然的に到達する地平でもある。
つまり、みんなで共認形成をしてゆく為に必要なのは、哲学や心理学や社会学といった旧観念ではなく、文化人類学やサル学や生物史といった事実認識群であり、みんなでそれらの知識を持ち寄れば、意識構造や社会構造の新理論体系を構築するのは、決して難しい作業ではない。既に、その叩き台となる新しい概念装置『実現論』も、できている。
新しい認識は、当然みんなの協働によって紡ぎ出される。そして、この『みんな収束⇒答え探索』に応える認識競争こそ、次代の最大の活力源となる。その活力を顕在化させるには、誰もが集まり、語り合うことのできる『場』があればいい。それが、『なんでや露店』であり、『共認形成サイト』であり、これこそが、私権統合から共認統合への転換の第一歩となる。

私権企業が、どこも活力を失っていく中で、類グループの「共同体」という集団のあり方に対する関心が非常に高まって来ているのを感じます。
「共同体の挑戦」シリーズもこれで最終回となりますが、企業の共同体化に何が必要なのか参考にして頂ければと思います。

 

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