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2011年04月29日

「人口減少社会の衝撃!!これからの働き方はどう変わる?」5~産業構造の急激な変化 工業生産(=大量生産・大量消費)の終焉(1)~

下グラフは、わが国のGDPと国の借金の推移グラフです。



グラフは『金貸しは、国家を相手に金を貸す』さんよりお借りしました。

わが国のGDPは、戦後から大きく増加し続け2007年にピークを迎えました。(その後、2008年、2009年は減少しますが、2010年以降は再度増加に転じています)。また、国の借金は1970年以降ずっと膨らみ続けています。

シリーズ5回目の今回からは、これらの時代の背後にある産業構造の変化を見てゆき、今後の新しい働き方のヒントを探っていくことにします。

↓続きも見てネ 😉

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わが国の産業構造の変化は、
 

(1)働き手の産業間移動

(2)働き手の地域間移動

が大きな特徴です。

今回は、(1)働き手の産業間移動に焦点を絞って調べていきます。

(1)働き手の産業間移動

以下のグラフは、1953年~2010年までの産業別就業者数の推移グラフです。
(総務省統計局 労働力調査 長期時系列データより)

大きく見ると、農林業+漁業+鉱業のいわゆる一次産業は戦後以来一貫して減少し続けていますが、これに代わって卸売・小売業やサービス業(※1)の三次産業は増加し続けています。また、二次産業である製造業は、1973年に初めて1400万人を突破しますが、その後ほぼ横ばいで1992年にピークを迎え、その後は減少傾向にあることがわかります。

(※1)サービス業の内訳

学術研究、専門技術サービス業。宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス業、サービス業(他に分類されないもの)

では、もう少し細かく時代を分け、詳しく見ていくことにします。

①大量生産・大量消費の時代(戦後~1970年豊かさの実現まで)

この時代の大きな特徴は、農林業+漁業+鉱業(一次産業)から、製造業(二次産業)への就業者の大移動です。グラフからもわかるように、わずか7年間で就業者約600万人の大移動が生じたのです。この時代は、日本全体が物的豊かさの実現に向け突っ走っていた時代です。製造業では、物を大量生産するために大量の労働力が必要となり、多くの農林漁業従事者が製造業へ転職していったのです。

②無理やり市場拡大の時代(1970年~2000年私権意識崩壊まで)

この時代の大きな特徴は、農林業+漁業+鉱業(一次産業)に加え、製造業(二次産業)も減少に転じ、変わりに建設業やサービス業が大きく増加したという点です。
豊かさが実現され物が行き渡ったために製造業は衰退し、代わりに、建設業が赤字国債をもとにした公共事業により成長し、金融・保険業や不動産業などのサービス業が幻想価値や信用創造で膨張したバブル経済により大きく成長したのです。

③市場縮小の時代(2000年~2005年まで)

私権意識が崩壊したと言われる2000年以降、産業構造はどのように変化してきているのでしょうか。

サービス業は依然大きく増加しており、次いで、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業業も増加しています。公務(他に分類されないもの)は微増で、その他の産業は全て減少しています。
特に製造業と建設業の減少は著しく、戦後初めて農林業+漁業+鉱業の減少数を上回ることになりました。

では、増加し続けているサービス業について、詳細にその内訳を見てみましょう。
下グラフは、「サービス業」として分類される業種の2000年~2005年就業者数の増減を表しています。

サービス業の中でもここ数年で大きく伸びているのは、社会保健・社会福祉、その他の事業サービス業(※2)教育情報サービス・調査・広告業医療業となっています。これらうち「その他の事業サービス業」は、労働派遣法の規制緩和により労働派遣業が成長したことが大きく影響していると思われますが、他の業種の共通点は、業界内で共認充足を価値とした評価の獲得競争が激しく繰り広げられているという点でしょうか。

(※2)その他の事業サービス業の内訳

速記・ワープロ入力・複写業、商品検査業、計量証明業、建物サービス業、民営職業紹介業、警備業、労働派遣業、他に分類されないその他のサービス業

(※3)専門サービス(他に分類されないもの)の内訳

法律事務所、特許事務所、公証人役場、司法書士事務所、公認会計士事務所、税理士事務所、獣医業、建築設計業、測量業、その他の土木建築サービス業、デザイン業、機械設計業、著述・芸術家業、写真業、興信所、他に分類されない専門サービス業

④まとめ

以上みてきたように、わが国の産業構造は、戦後から2000年までのわずか55年間で大きく変化し、その要因の根底には、「私権の拡大」という人々の意識があったのです。

2000年以降、私権意識の崩壊により人々の意識は大きく変化しました。これに伴い産業構造も大きく変化しつつあります。
まさに、現代は法制度を含め働き方そのものを見直していかなければいけない時期なのです。

今回はここまでです。

次回は、(2)働き手の地域間移動について調べていくことにします。

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バックナンバーの紹介

「人口減少社会の衝撃!!これからの働き方はどう変わる?」1~今、なぜ労働法について考えるのか?~

「人口減少社会の衝撃!!これからの働き方はどう変わる?」2~100年後の日本は、明治時代末期の人口に~

「人口減少社会の衝撃!!これからの働き方はどう変わる?」3~男性生産人口の急減→これからは女性の戦力化が必須~

「人口減少社会の衝撃!!~これからの働き方はどう変わる?」4~人口減少下での生産力維持は、女性老人・若者が鍵を握る~

 

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